*&ruby(まーくにじゅうさん){【Mk.23】}; [#r04aa596]
Heckler & Koch Mk.23 U.S.SOCOM Pistol~
[[ヘッケラー・アンド・コック]]USA(ヘッケラー・ウント・コッホの米国法人)が開発した[[半自動式拳銃]]。~
[[口径]]は[[.45ACP]]、装弾数は12+1発。

アメリカ陸軍が制式拳銃として[[M1911A1>M1911]]に代わり、[[M92FS>M92]]を[[M9]]の呼称で採用した。~
しかし[[M9]]は汎用拳銃としてのバランスには優れていたものの、[[M1911A1>M1911]]に比べ[[口径]]が小さく[[マンストッピングパワー]]は減じており、攻撃力を重視する[[特殊戦闘部隊>特殊部隊]]においては敬遠された。~
このため米国の[[特殊部隊]]を束ねる[[SOCOM]]が、[[コルト]]と[[H&K USA>ヘッケラー・アンド・コック]]に対し、高性能の拳銃を競争試作するよう依頼した。~

耐久性・耐環境性・命中精度・威力など、過酷な要求仕様が提示されたが、これに対し[[コルト]]は[[M1911A1>M1911]]をベースに、[[H&K USA>ヘッケラー・アンド・コック]]は[[USP]]をベースにした大型拳銃を開発した。~
要求を満たすために両者のサイズは肥大化し、再設計を繰り返し要求された結果、辛うじてポリマー樹脂フレームの[[ヘッケラー・アンド・コック]]案が採用された。~

単なるサイドアームではなく、攻撃的な性格を持った拳銃として、弾薬として[[.45ACP]]を使用しながら、[[P210]]に並ぶ高い命中精度を誇った。~
操作ミスを防ぐため、[[マニュアルサムセフティ]]と[[デコッキングレバー]]が独立しているという珍しい構造をしている。~
また銃口に[[減音器]]用のネジが切ってあったり、フレーム下部にフラッシュライトやレーザーサイトを装着するためのマウントレールが備えられているなど、拡張性にも配慮されている。~
しかし高い信頼性を要求された結果、[[デザートイーグル]]に匹敵する大柄な銃となってしまい、[[SEALs]]に配備されたものの広範な採用はされていない。~
また[[ポリゴナルライフル]]を採用したことも仇になったとされる。命中精度や生産性・保守性に優れるとされるが、一方で銃腔内に汚れが付着しやすく、頻繁な清掃を必要とするといわれている。~

この銃は[[特殊部隊]]向けに開発されたものでありながら、米国では民間市場でも販売されている。~
軍用型との違いは、フレームの刻印が軍用型では"Mk.23 USSOCOM PISTOL"となっているのに対し、民間型が"H&K Mark 23"となっていることのみである。~
初期は規制のため弾倉装弾数が10発に制限されていたが、後に撤廃され、軍用型と同じ12発となった。~
なお[[減音器]]は一般市販されていないが、銃口の装着ネジは残されている。~

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