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*&ruby(みぐにじゅうご){【MiG-25】};
旧ソビエトの[[ミコヤン]]設計局が開発した、高々度迎撃用の[[戦闘機]]。[[NATOコード]]は&ruby(フォックスバット){Foxbat};。~
当時アメリカで開発されていた[[XB-70]]に危機感を抱いたソビエトがそれに対抗するため急遽設計した機体。~
後に[[バルキリー計画]]は中止されたものの、そのような機体から自国を防衛するという目的で開発を続行、1972年に初配備された。~
当時としては斬新な双[[垂直尾翼]]と大型双発の[[ターボジェット]]エンジンを搭載し、高度6万フィートを[[マッハ]]3.2という戦闘機としては常識外れな速度で飛行する本機は西側諸国に大きな衝撃を与え、[[F-15]]などの[[戦闘機]]を開発させる契機ともなった。~
配備以来秘密のベールに包まれていた本機だが、1976年の[[ベレンコ中尉亡命事件]]という意外な形でその詳細を知ることとなる。~
本機のエンジンは高々度迎撃という任務のために高々度性能のみを追求したため[[ターボジェット]]というよりむしろ[[ラムジェット]]に近い低圧縮の[[エンジン]]で、高々度での燃焼効率に優れる反面低空、低速域での燃焼効率は非常に劣悪で、[[航続距離]]も短い。~
また[[エンジン]]の消耗も激しく、頻繁に[[エンジン]]の交換が必要とされた。~
機体材質には[[マッハ]]3という高速時の摩擦熱のため[[アルミニウム]]は使えず、また当時高価で加工が難しく開発期間、生産数に支障の出る[[チタニウム]]も使えなかったためニッケル鋼を多用。そのため非常に機体が重くなっている。~
それでも機体構造上[[マッハ]]3を出すのは構造上困難であり、実用最大速度は[[マッハ]]2.8程度である。~
高々度迎撃と言う目的から[[レーダー]]はRP-25スメルシュ(NATO名フォックスファイヤー)を装備。80kmという最大探知距離を持ち、[[R-40]]、[[R-46]]などの長射程ミサイルとセットで高い迎撃能力を誇る。~
ただし電子機器に関しては真空管を多用するなど当時の西側諸国の機体に比べて遙かに劣っている。(半導体回路は敵の[[爆撃機]]が核攻撃をおこなった場合に電磁パルスで焼損するおそれがあり、それを敬遠したため真空管を採用したという説もある)~
また本機は純粋な迎撃用の[[ミサイリアー]]として設計されており、[[ドッグファイト]]については全く考慮されていないため、[[機関砲]]すら装備せず、運動性も皆無といって差し支えないほどであった。~
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本機はその高速性能を活かした偵察仕様などのバリエーションも生産され、ウクライナをはじめとする東側諸国にも相当数が輸出されたがその燃費の悪さと[[航続距離]]の短さ、[[アビオニクス]]の旧式化などを理由にその役目を後継機の[[MiG-31]]に譲り現在では大部分が一線を退いている。~
湾岸戦争では唯一[[F/A-18]]を撃墜するという戦果を挙げた。~
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Ye-266P:MiG-25の原型機。数々の速度、高度記録を樹立した。~
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MiG-25P:フォックスファイアを搭載した最初の量産型。~
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MiG-25R:機首にカメラを搭載した高々度偵察型。最高速度[[マッハ]]3.2を誇る。~
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MiG-25RB:爆弾の搭載能力を持った偵察爆撃機仕様。~
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MiG-25RBV:偵察機材を強化したタイプ。~
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MiG-25PU/RU:複座の[[練習機]]仕様。[[レーダー]]は搭載されていない。~
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MiG-25RBK:カメラを搭載しない電子[[偵察機]]仕様。~
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MiG-25RBS:偵察機材を側視レーダーにしたタイプ。~
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MiG-25RBSh:MiG-25RBKのアップグレード版。~
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MiG-25PD:MiG-25Pのアップグレード版。[[レーダー]]をより高性能のRP-25に換装、[[ルックダウン]]、[[シュートダウン]]能力などを得た。~
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MiG-25BM:[[SEAD>敵防空網制圧]]仕様。各種[[ECM]]機材と[[対レーダーミサイル]]を装備。


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