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【MRE】 †
Meal Ready to Eat.
アメリカ軍が制式採用している戦闘糧食の一種。
摂氏25度の環境を想定した場合の賞味期限は約3年間である。
水を使った化学反応によるヒーターが同梱されているが、発熱温度は大雑把で当たり外れの差が激しい。
1袋が1食分で、少量だが栄養価は高く、約1200kcalと高カロリーである。
メニュー構成は移民国家の事情を反映し、菜食主義者用のメニュー4種類を含め24種類と豊富であるが、味のほうは(控えめにいっても)美味であるとは言いがたいようである*1。
MREに対する評価 †
前述のように、MREは世界各国軍の制式戦闘糧食に比較して味の面で劣っている、という評価が一般的となっている。
これは、初期に開発されたものが凄まじく不味かったことが定着してしまったものであり、改良が加えられた現在でもなお、(国連PKFや多国籍軍、合同軍事演習など)複数国の軍隊が集まる場で将兵同士の間で行われる「品評会」でオチとして取り上げられるなど、その悪評は根強い。
そのことから「MREは何の略か」という自嘲めいた悲惨なジョークが多数あり、以下のようなものが知られている。
- Mr.E(ミステリー)
- Meals,Rarely Edible(滅多にないメニュー)
- Meals Rejected by the Enemy(敵から拒否されたメニュー)
- Meals Rejected by Everyone(誰もが食べることを拒否したメニュー)
- Meals Rejected by Ethiopian(エチオピア人も拒否する食事*2)
- Morsels,Regurgitated,Eviscerated(吐き戻され、骨抜きにされた一口)
- Mentally Retarded Edibles(精神薄弱料理)
- Meal,Ready to Excrete(すぐ排泄できるメニュー)
- Materials Resembling Edibles(食べ物に似た何か別の物体)
*1 元SAS出身の作家クリス=ライアンは自著で『なかなか悪くない食事で、殊にチリコンカルネは旨い』と記述しており、文脈から作者自身の感想であると思われる。
ただし、比較対象が「イギリスの一般的家庭料理」である可能性が高い事はあえて付記しておく。
*2 特に難民救助用食糧として配布されるものを指す。
このタイプは兵士に配布されるものよりも味が悪いことを「飢えに苦しむエチオピア人ですら食べない」と揶揄したもの。