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*&ruby(まいか){【MICA】}; [#e093434b]
旧[[マトラ]]社(現[[MATRA/BAe]]社)が開発した、現在最新のフランス製中・短射程[[空対空ミサイル]]。~
*&ruby(みか){【MICA】}; [#e093434b]
''M''issile d' ''I''nterception, de ''C''ombat et d'''A''utodéfense (仏, 「要撃・戦闘および自衛用ミサイル」の意)~
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フランスのマトラ社(現[[MBDA]])が開発した[[空対空ミサイル]]。~
中射程[[空対空ミサイル]]の[[R-530]]シリーズ、短射程[[空対空ミサイル]]の[[R-550]]の後継として1982年から開発が開始された。~
タイプには[[赤外線誘導]]型(短射程用 MICA IR)、[[アクティブレーダー誘導]]型(中射程用 MICA EM)の2種類があり、どちらも誘導面以外は同じ機体構造で、整備面では複数の種類のミサイルを装備せずに済むため有利になったが、結果的に短射程[[空対空ミサイル]]としてやや大きく、中射程[[空対空ミサイル]]としてはやや小型という中途半端な大きさになってしまった。~
しかし中途半端な大きさの分、このミサイルには中間飛翔時の[[慣性誘導]]システムを中射程用の[[アクティブレーダー誘導]]型だけではなく、短射程用の[[赤外線誘導]]型にも備えており、短射程用としては射程は長い。だが、中射程用として見れば世界の最新中射程[[空対空ミサイル]]と比べると少し短い射程となっている。~
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[[MICA]]の誘導面については、まず[[赤外線誘導]]型は全方位から交戦可能な[[オールアスペクト発射能力]]を持っており、[[シーカー]]には[[デコイ]]が発射した[[フレア]]を不適正目標として無視する対妨害対策能力を備えている。~
また、発射母機が「走査中追跡」機能を持つ機体の場合、複数のMICAを数個の目標に対しても発射出来る。さらに近年[[オフボアサイト]]能力・[[ヘルメット・マウンテッド・サイト]]能力を追加装備すると言う計画があったが詳しい事は分かっていない。~
次に[[アクティブ誘導]]型の場合は、極度に強い電波妨害下でも使用でき、誘導も[[アクティブ誘導]]なので発射母機は機動を制限されることなく攻撃や離脱ができ、その誘導性能は[[AIM-120]]に匹敵すると言われている。~
同一の機材で[[終端誘導]]だけ交換して短距離[[赤外線誘導]]型(MICA IR)と中距離[[アクティブレーダー誘導]]型(MICA EM)を兼用できるのが特徴。~
これは整備・調達を容易にした反面、短距離用としては過剰性能で[[費用対効果>コスト・パフォーマンス]]が劣悪、中距離用としては[[有効射程]]がやや不足している。~
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実戦配備は1997年からで[[フランス軍]]の[[ミラージュ2000]]-5用に、その後[[中華民国軍]]に少数輸出された。現在では[[カタール軍]]も発注済みで、今後も海外からの発注が来ると思われる。~
また、艦船搭載用に[[VLS>垂直発射システム]]発射型であるVL MICA及びVL MICA NAVALが開発され、オマーンの警備艇に12セルの搭載が予定されている。~
発射後の[[中間誘導]]により目標再設定が可能で、[[発射母機>プラットフォーム]]が[[TWS]]に対応していれば複数のMICAを数個の目標に向けて同時攻撃できる。~
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実戦配備は1997年からで[[フランス軍]]の[[ミラージュ2000-5>ミラージュ2000]]用に、その後中華民国に少数輸出された。~
現在ではカタール、アラブ首長国連邦、ギリシャで採用されている。~
また、[[地対空>地対空ミサイル]]/[[艦対空ミサイル]]型として[[VLS>垂直発射システム]]発射型であるVL MICA及びVL MICA-M(VL MICA NAVAL)が開発され、オマーンの警備艇に12セルの搭載が予定されている。~
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#ref(MICA EM.jpg)~
内側[[パイロン]]の4発はMICA、外側パイロンの2発は[[R-550]]。~
Photo :中華民国国防部(台湾)~
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**主な採用国 [#i7bffd4f]
-運用中
--フランス
--ボツワナ
--エジプト
--ジョージア
--ギリシャ
--インド
--インドネシア
--モロッコ
--オマーン
--カタール
--サウジアラビア
--シンガポール
--中華民国(台湾)
--タイ
--アラブ首長国連邦(UAE)~
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-採用予定
--マレーシア
--クロアチア
--ブルガリア
--ウクライナ~
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**スペックデータ [#ka142ef4]
全長:3.10m~
直径:16cm~
翼幅:48cm~
発射重量:112kg~
弾頭:[[HE>榴弾]] 破片弾頭(12kg)~
最大速度:マッハ3~
射程:60km~
G限界:50G~
推進装置:固体推進ロケットモーター~
誘導方式:[[アクティブレーダー誘導]](MICA EM/RF)/赤外線画像誘導(MICA IR)~
|全長|3.10m|
|直径|16cm|
|翼幅|48cm|
|発射重量|112kg|
|推進方式|[[固体推進ロケットモーター>固体燃料ロケット]]|
|最大速度|空中発射:[[マッハ]]4&br;垂直発射:マッハ3|
|射程|空中発射:500m〜80km&br;垂直発射:1〜20km|
|飛行高度|0〜9km(垂直発射)|
|[[G]]限界|50G|
|弾頭|[[HE>榴弾]] 破片弾頭|
|弾頭重量|12kg|
|信管|[[近接>近接信管]]及び直撃|
|誘導方式|[[中間誘導]]:[[慣性誘導>慣性航法装置]]+[[データリンク]]&br;[[終端誘導]]:&br;Jバンド・[[アクティブレーダー誘導]](MICA EM/RF)&br;[[赤外線]]画像誘導(MICA IR)|
|発射[[プラットフォーム]]|水上艦艇&br;地上発射機&br;[[ラファール]]&br;[[ミラージュ2000]]&br;[[ミラージュF1]]&br;[[F-16E Block60>F-16]]&br;[[Su-30MKI>Su-27]]|
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**バリエーション [#b222deb0]
-MICA EM(MICA RF):~
[[アクティブレーダー誘導]]型。~
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-MICA IR:~
画像[[赤外線誘導]]型。~
[[オールアスペクト発射能力]]を達成し、[[フレア]]を検出・無視する[[ECCM]]能力を持つ。~
[[シーカー]]は大気の条件が良ければ60km先の目標を探知可能。発射せずに[[シーカー]]だけを[[IRST]]として使用する事もできる。~
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-VL MICA RF:~
アクティブレーダー誘導の[[地対空ミサイル]]型。~
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-VL MICA IR:~
画像赤外線誘導の地対空ミサイル型。~
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-VL MICA-M RF:~
[[海軍]]向け[[アクティブレーダー誘導]]型。[[VLS>垂直発射システム]]から発射可能。~
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-VL MICA-M IR:~
海軍向け[[画像>可視光誘導]][[赤外線誘導]]型。VLSから発射可能。~
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-MICA NG:~
2018年に開発が発表された発展型。~
[[赤外線誘導]]型はより高い感度を提供するマトリクスセンサー、電波誘導型は[[AESA]]を採用する予定。~
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#ref(MICA EM.jpg)~
内側パイロンの4発は[[MICA]]、外側パイロンの2発は[[R-550]]。~
Photo :中華民国国防部(台湾)


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