【MG42】(えむじーよんじゅうに)

ナチスドイツでMG34?の後継として採用された汎用機関銃口径は7.92mmx57。
レシーバーや銃身覆いなどをプレス加工で製造することにより、コストダウンを図った。
また閉鎖機構にローラーロッキングを採用することで信頼性も向上している。これは後年造られたG3のようなディレードブローバック?ではなく、あくまでショートリコイル?を滑らかにするためのものである。
その甲斐もあって本銃は毎分最高1,200発*1という、単銃身機関銃としては驚異的な発射サイクルを誇り、独特の射撃音から「ヒトラーの電気鋸」などと仇名された。
またMG34同様、専用のドラムマガジンを装着することで一人で移動・射撃可能な攻撃型マシンガンとして使用することも可能である。これは現代の分隊支援火器やコンバットマシンガンの先駆とも言える運用法で、戦後型MG1〜3でもドラムマガジンを使用する設計は継承され、後の軽機関銃・汎用機関銃開発に大きな影響を与えている。

本銃はMG34?を置換するはずであったが、コストダウンの都合から二脚や三脚・銃架用の接合部に互換性がなく、車載用などの目的ではMG34?が敗戦まで使われることとなった。

戦後は、本銃をラインメタル社によって7.62mmx51NATO弾仕様に改修されたMG1やMG2、さらに分離式ベルトリンクに対応したMG3などが造られ、当時の西ドイツ軍をはじめ、NATO?諸国で運用された。
また本銃を鹵獲した米蘇軍は本銃の優れた設計に注目、研究素材とし、その給弾機構を参考にアメリカではM60が、ベルギーではMAGがそれぞれ開発されている。
現ドイツ連邦軍では改良の進んだMG3となって今なお現役である。


*1 改良試作型の中には、毎分最高1,800発に至るものもある。

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