【M134】(えむひゃくさんじゅうよん)

GE M134.

アメリカのジェネラルエレクトリック社が開発・生産した機関銃ガトリングガン)。
M61A1?をベースに、ヘリコプターや小型航空機に搭載するために小型化されたものである。
通称は「ミニガン」であるが、映画『プレデター』にあやかって「無痛ガン(Painless gun)*1」とも呼ばれる。

使用する弾丸の口径が違うとはいえ、M61A1?がベースユニットで800ポンドを超えるのに対し、M134は約60ポンド(27kg)と軽量に仕上がっており、構造もシンプルで設置・整備も容易である。

基本性能はM61A1?を受け継ぎ、バッテリー駆動*2により7.62mmNATO弾を毎分2,000または4,000発で射撃することができる。
主に汎用ヘリコプターCSARヘリコプターなどの銃架に取り付けて使用される他、ハンヴィーなどの軽車両やAH-1GAH-6などといった対人用攻撃ヘリコプターでは固定武装とされる場合もある。

ちなみに、M134とはアメリカ陸軍での制式名称であり、アメリカ空軍ではGAU-2B/A、アメリカ海軍ではMk.25と呼ばれる。

なお、フィクション作品では本銃を一人で抱えているような描写もあるが、実際には個人携帯による運用は、弾薬を含め300ポンド(約136kg)を超えるため現実的ではない。

マイクロガン

過去、本銃をベースとして、携帯運搬を可能とするために使用弾を(M16突撃銃の使用弾でもある)5.56mm弾に改めたXM214、通称「マイクロガン」といわれる銃が開発された。
これは二人以上での運搬を前提にしており、電子制御で発射サイクルが自動で調整されるようになっているほか、バッテリーで駆動することができ、一回15分の充電で3,000発が発射可能だった。
しかし、それでも重量30kg以上(弾薬込み)と重く、発射サイクルを落としても反動は強く、撒き散らされる薬莢の問題などもあって量産には至らなかった。

性能諸元

種類ガトリングガン
製造・開発社ゼネラル・エレクトリック社/ディロン・エアロ(M134D)
銃身6本
口径7.62mm
全長900mm
重量18,000g
総重量100kg(推定)
使用弾薬7.62mmx51 NATO弾
装弾方式ベルト給弾・リンクレス給弾方式など
作動方式電気回転ドライブ方式
発射速度可変式 2,000〜4,000発/分


バリエーション

  • M134:
    初期型。

  • GAU-2/A:
    アメリカ空軍での名称。
    • GAU-2A/A:
      GAU-2/Aの派生型。
    • GAU-2B/A:
      GAU-2A/Aの派生型。
    • GAU-17/A:
      GAU-2B/Aの派生型で、既存の派生型周辺機器に対応するモデル。
  • Mk.25:
    アメリカ海軍での名称。

  • XM196:
    M134/GAU-2B/Aの派生型で薬莢排出スプロケット(ギア)を改良したモデル。
    AH-56「シャイアン」にてXM53アーマメントサブシステムの一環として使用する。

  • XM214:
    5.56mm弾仕様。通称「マイクロガン」。
    重量や反動の問題で開発中止。

    gau-2ba.jpg

*1 当たった人間は痛みを感じる間もなく死んでしまう、というブラックジョークである――実際、短時間に数百発〜数千発もの弾丸を叩き込まれたら、撃たれた人間は跡形も残らないだろうが。
  なお、本銃は「射程の長いショットガンという呼ばれ方もある。

*2 通常の機関銃と違い、動力にモーターを使っているため。
  動作を銃弾に依存しないので、不発弾は強制的に薬莢と共に排除され、動作不良を起こさないようになっている。


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