【LANTIRN】(らんたーん)

夜間における低高度航法装置と目標指示を行う赤外線装置をあわせたポッドの呼称。
LANTIRNはLow Altitude Navigation and Targeting Infrared for Nightの略。

マーチン・マリエッタ*1が開発し、アメリカ軍戦闘攻撃機が装備するFLIR地形追随レーダーレーザー目標指示器を統合して搭載した。
航法用のAN/AAQ-13と目標指示用のAN/AAQ-14の二種類があり、当初F-15Eのみが装備したが、現在では多くの機種が装備する。

派生型として、AN/AAQ-14にGPS連動機能を追加し、運用制限高度を引き上げたAN/AAQ-25「LANTIRN 40K」が開発され、F-14「ボムキャット」にて使用されていた。

後継として、イスラエルでAN/AAQ-28「LITENING」が開発され、アメリカ軍を含む多くの国で採用されている。
ロッキード・マーチン自身の後継機種としてAN/AAQ-33「スナイパーXR」が開発され、こちらもアメリカ空軍等に採用されつつある。

参照:(http://strike-eagle.s10.xrea.com/lantirn.html

関連:Nighthawk? ATFLIR?F/A-18用の類似ポッド)

仕様

全長1.99m(AN/AAQ-13)
2.51m(AN/AAQ-14)
直径305mm(AN/AAQ-13)
380mm(AN/AAQ-14)
重量204.6kg(AN/AAQ-13)
240.7kg(AN/AAQ-14)


構成

  • AN/AAQ-13:
    LANTIRNシステムの航法ポッド。
    Kuバンドの地形追従レーダーと前方監視用の赤外線センサーを内蔵している。
    地形追従レーダーを搭載する機体の自動操縦システムと連動させることにより、地表もしくは建造物などの障害物から約30m以上の高度で事前に設定したコースに沿って飛行することが可能である。
    • AN/AAQ-20「パスファインダー」:
      低空飛行で地上障害物を避けるための機能が削除された輸出用ダウングレード型。
      なお、韓国、シンガポール空軍が装備するタイプはFLIRの解像度が強化されている。

  • AN/AAQ-14:
    LANTIRNシステムの照準ポッド。
    前方監視用のFLIRとマーキング用のレーザー発信機で構成されている。
    • AN/AAQ-19「シャープシューター」:
      AGM-65「マーベリック」の運用能力といくつかの空対空機能が削除されたダウングレード型。
      また、韓国空軍やシンガポール空軍の物は搭載FLIRの解像度が向上している他、パイロンにAN/AAS-43「タイガー・アイ」IRSTが追加装備されている。

  • AN/AAQ-25:
    AN/AAQ-14にGPSとの連動能力を与え、運用制限高度の引き上げが行われた改良型。
    F-14「ボムキャット」に搭載されていた。すでに退役。


*1 現在はロッキードと合併してロッキード・マーチンになっている。

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