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*&ruby(えるさんじゅうきゅう){【L-39】}; [#ya7f406b]
Aero L-39 Albatros~
チェコスロバキア（現チェコ共和国）製のジェット[[練習機]]。前作[[L-29]]デルフィンの後継機として開発された。
チェコのほかソ連をはじめとする[[ワルシャワ条約機構]]加盟国やアメリカ合衆国などで多数が使用され、一部の国では[[攻撃機]]として運用している。なお、[[ロシア空軍>ロシア軍]]ではアクロバットチーム「ルーシー」でL-39を現在も運用中である。~
1970年代から1999年まで生産された。~
東欧諸国では草地の[[飛行場]]が多かったため、L-39は異物吸入を防ぐため空気取入口を胴体横の高い位置に付けられているのが特徴である。[[主翼]]は[[低翼]]式の[[直線翼]]で、空気取入口の真下に配置されている。[[攻撃機]]として使用する場合は[[爆弾]]や[[空対地ミサイル]]・[[ロケット弾]]などを1,100kgまで搭載することができる。~
Aero L-39 "&ruby(アルバトロス){Albatros};".~
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チェコスロバキア（現チェコ共和国）製のジェット[[練習機]]。~
前作[[L-29「デルフィン」>L-29]]の後継機として1970年代に開発された。~
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チェコのほか、ソ連をはじめとする[[ワルシャワ条約機構]]加盟国やアメリカ合衆国などで多数が使用され、一部の国では[[攻撃機]]として運用している。~
なお、[[ロシア空軍]]ではアクロバットチーム「ルーシー」で本機を現在も運用中である。~
生産は1999年まで行われた。~
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東欧諸国では草地の[[飛行場]]が多かったため、本機は[[異物吸入>FOD]]を防ぐため空気取入口を胴体横の高い位置に付けられているのが特徴である。~
[[主翼]]は[[低翼]]式の[[直線翼]]で、[[空気取入口>エアインテーク]]の真下に配置されている。~
[[攻撃機]]として使用する場合は[[爆弾]]や[[空対地ミサイル]]・[[ロケット弾]]などを1,100kgまで搭載することができる。~
~
発展型のL-59では、[[エンジン]]や[[主翼]]の強化による[[燃料]]搭載量や[[ペイロード]]の向上、[[火器管制装置]]の高度化、操舵の油圧装置化など、大幅な改良を施した。~
**L-39のバリエーション[#ya7f406b]
-L-39C: 高等[[練習機]]型、2251機が生産、武装不可。
-L-39C: 標的曳航機型、チェコスロバキア空軍、東ドイツ空軍向けに8機生産。
-L-39ZO: 兵器訓練型、主翼を強化し、4ヶ所の[[パイロン]]を装備、[[爆弾]]などで武装可能。347機生産。
-L-39ZA: ZOから発展した対地攻撃･偵察型。降着装置を強化し、主翼下4ヶ所のパイロンに[[爆弾]]に加え[[GSh-23]]L 23mm機関砲の[[ガンポッド]]を装着可能、246機生産。
**スペックデータ [#l22ce0e3]
|乗員|2名|
|全長|12.13m|
|全高|4.77m|
|全幅|9.46m|
|主翼面積|18.8��|
|空虚重量|3,565kg|
|最大離陸重量|4,653kg（[[クリーン]]時）/5,600kg（機外装備時）|
|[[エンジン]]|イフチェンコ/プログレス AI-25TL[[ターボファン]]×2基（[[推力]]16.87kN）|
|速度&br;（最高/最大水平）|[[マッハ]]0.80/340[[kt>ノット]]|
|[[海面上昇率>上昇率]]|810m/min|
|[[実用上昇限度>上昇限度]]|7,500m|
|[[航続距離]]|730nm（機内[[燃料]]のみ）|
|固定武装|[[GSh-23L 23mm機関砲>GSh-23]]×1門（L-39ZA）|
|兵装|主翼下に[[AIM-9]]、[[AA-2]]、[[AA-8]]、通常爆弾、[[ロケット弾]][[ポッド]]、[[増槽]]等、&br;最大1,100kgの兵装を搭載可能。|
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**バリエーション（カッコ内は生産･改修機数）[#ya7f406b]
-L-39X-01〜X-07（7機）：~
プロトタイプ（5機）および静的テスト機（2機）。~
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-L-39C（2,251機）：~
基本型の[[高等練習機>練習機]]型。武装不可。~
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-L-39CM：~
スロバキアでアップグレードしたC型。~
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-L-39M1（6機）：~
ウクライナでアップグレードされたC型。~
エンジンをAI-25TLShに換装している。~
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-L-39V（8機）：~
単座の標的曳航機型。~
1,700mのケーブルでKT-04標的を牽引する。~
チェコスロバキア[[空軍]]および[[東ドイツ空軍>ドイツ空軍]]向け。~
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-L-39ZO（347機）：~
主翼を強化し、[[パイロン]]を4ヶ所装備した兵器訓練型。~
単座でも運用できるため、後席に電子機器を追加したり、[[増槽]]に改造した例もある。~
[[爆弾]]などの武装可能。~
~
-L-39ZA（246機）：~
ZOから発展した軽攻撃・偵察型。~
降着装置を強化し、主翼下4ヶ所のパイロンに[[爆弾]]に加え[[GSh-23L 23mm機関砲>GSh-23]][[ガンポッド]]（装弾数150発）、[[K-13>AA-2]]および[[R-60>AA-8]][[空対空ミサイル]]が装着可能である。~
#ref(L-39ZA.jpg)
Photo:Aero Vodochody
-L-39MP/MA: L-39ZAの電子機器を高級な西側の[[アビオニクス]]と[[ヘッドアップディスプレイ>HUD]]を装備した改良型。
-L-39ZA/ART: タイ空軍向けのL-39ZA。イスラエルのエルビト製電子機器を装備。
-L-59（L-39MS）: L-39の能力を大幅に向上させたもの。（[[ペイロード]]は2,340kg）
-L-59E: L-39の能力を大幅に向上させたもの、エジプト仕様。
Photo:Aero Vodochody~
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-L-39ZAM：~
スロバキアでアップグレードされたZA型。~
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-L-39ZA/ART（40機）：~
タイ空軍向けのL-39ZA。~
イスラエルのエルビット製の[[HUD]]付き兵装発射航法システム（WDNS）とビデオカメラを装備。~
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-L-39MA/MP：~
L-39ZAの電子機器を高級な西側の[[アビオニクス]]と[[ヘッドアップディスプレイ>HUD]]を装備した改良型。~
戦闘機前段階訓練（Lead-in Fighter Training,LIFT）向け機体のデモンストレーション用に製造された。~
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-L-39MS/L-59「スーパーアルバトロス」：~
L-39のエンジンをDV-2ターボファン（推力2,200kg）に変更し、機体フレームの強化やL-39MP同様西側の[[アビオニクス]]を搭載するなどの改良を施した練習機型（[[ペイロード]]は2,340kg）。~
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-L-59E（49機）：~
L-59のエジプト仕様。~
#ref(L-59.jpg)
Photo:Aero Vodochody
-L-59T: L-39の能力を大幅に向上させたもの、チェニジア仕様。
Photo:Aero Vodochody~
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-L-59T（12機）：~
L-59のチュニジア仕様。~
#ref(L-59T.jpg)
Photo:Aero Vodochody
-L-139: L-39の[[エンジン]]や[[アビオニクス]]を西側製にしたもの。
Photo:Aero Vodochody~
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-L-139「アルバトロス2000」：~
米[[空>アメリカ空軍]][[海軍>アメリカ海軍]]合同基本航空機訓練システム計画（JPATS計画）に応募するために、L-39の[[エンジン]]や[[アビオニクス]]を西側製にした初等・基本練習機型。~
エンジンはギャレットTFE731-4-1Tを搭載し、[[射出座席]]を改良型のVS-2Aに換装、電子機器や[[HUD]]も西側製に換装している。~
上記計画では[[T-6��>T-6（2代目）]]に敗れて不採用となったが、L-39Cのアップデートとして複数の国で採用されている。~
#ref(L-139.jpg)
Photo:Aero Vodochody
-L-159A: L-59の[[エンジン]]や[[アビオニクス]]を西側製にしたもの、単座型。
Photo:Aero Vodochody~
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-L-159A「アルカ（ALCA((Advanced Light Combat Aircraftの略。))）」：~
L-59の[[エンジン]]や[[アビオニクス]]を西側製にした型。~
単座で、[[ハードポイント]]は主翼下片側3箇所と胴体中心線下1箇所の計7箇所装備し、[[NATO>北大西洋条約機構]]仕様の兵装を搭載できるようになっている。~
#ref(L-159A.jpg)
Photo:Aero Vodochody
-L-159B: L-159Aの複座型。
Photo:Aero Vodochody~
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-L-159B：~
L-159Aの複座型。輸出向け。~
#ref(L-159B.jpg)
Photo:Aero Vodochody
Photo:Aero Vodochody~
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-L-159T1：~
チェコ空軍が単座型を複座型に改修した型。~
後席のディスプレイに前席のヘッドアップディスプレイの映像が表示されるほか、ディスプレイ自体もバルコ社製の4インチディスプレイにに換装されている。~
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-L-159T2：~
L-159T1にA型互換のアビオニクスを搭載した型。~
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-L-169AJT：~
L-159をベースに改良を施した型。~
後にL-39NG計画に取って代わられた。~
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-L-39NG((NextGenerationの略。))：~
L-59やL-159の技術をL-39Cにフィードバックした再生産型。~
新設計の[[主翼]]の採用や[[燃料]]タンクの拡大、機体寿命の延長（15,000飛行時間）、[[ハードポイント]]数の増加（最大5箇所）など多数の改良が施されている。~
エンジンは米英共同開発のFJ44-4Mターボファンを搭載している。~
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