【L-1011】(えるてんいれぶん)

Lockheed L-1011 Tristar(トライスター).

アメリカのロッキード(現ロッキード・マーティン)社が1960年代〜1980年代に開発・生産した、ワイドボディの3発ジェット旅客機
ロッキード社が初めて開発・生産したジェット旅客機でもあった*1

開発の経緯

本機の開発が始まった当時、ロッキードではアメリカ空軍から大型戦略輸送機C-5「ギャラクシー」の受注を獲得するなど、生産・販売の中心は軍用機に移っていた。
その一方で、旅客機については「ジェットは時期尚早」としてターボプロップ機・L-188「エレクトラ」を販売していたが、同機の売れ行きは芳しくなく*2、民間機分野ではボーイングダグラスに後れを取りつつあった。

そのような経緯から開発の始まった本機は当初、アメリカ国内線向けの200〜250席クラスの双発旅客機として構想された。
しかし、当時のエンジンの信頼性などからロッキー山脈越えや洋上飛行への対応ができないことから、3発機として設計されることになった*3


*1 同時に2016年現在、ロッキード・マーティンの製品としては最後の民間向け航空機でもある。
*2 そのL-188を軍用機化したのが、旧西側諸国を代表する(対潜)哨戒機となったP-3「オライオン」である。
*3 これは同じ形態のDC-10よりも早く、同機の2ヶ月前に受注体制を整えている。

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