*&ruby(けいしーいちさんご){【KC-135】}; [#xa711b6c]
Boeing KC-135 "&ruby(ストラトタンカー){Stratotanker};"

[[ボーイング]]社が1950年代に開発した[[空中給油機]]兼[[輸送機]]。~
[[B707]][[旅客機]]の原型である「モデル367-80」をベースに開発された。~
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米ソ[[冷戦]]真っ只中だった当時、[[アメリカ空軍>USAF]]では[[核兵器]]の運搬手段であった[[戦略爆撃機]]の航続距離を伸ばすべく、[[空中給油]]のできる機体を要求していた。~
本機はこのニーズに適合する機体と判断され、民間型(後のB707)が完成するよりも先に契約が進められ、生産も先に行われた。~
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本機による[[空中給油]]は、本機が受油機に先行して飛び、後方に位置した受油機へパイプラインを接続して燃料を送り込む「[[フライングブーム]]」方式により行われる。~
この方式は、送油機・受油機の両方に大掛かりな装備が必要となるものの、送油速度は[[プローブアンドドローグ]]方式に比べて速いという利点がある。~
(なお、海軍・[[海兵隊]]機や同盟国軍機への給油を想定して送油ドローグも備えられている)~
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また、[[輸送機]]としては一般の軍用輸送機とは違い、主に人員・軽貨物の運搬に用いられているが、後にその([[軍用機]]としては)広い[[キャビン]]を生かし、各種電子機器を搭載した[[偵察機]]や空中指揮所などに改造された機体も多数ある。~
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本機は各型合わせて820機が生産されたが、その大部分(700機以上)が[[空中給油機]]型として完成した。~
現在でもエンジンの更新や各部の補強、改修が行われた機体が多数現役にあり、2020年頃まで使用されるものと見られている。~

**主な派生型 [#bf4c40a7]
本機のバリエーションは多岐にわたるため、代表的なものを記す。~
なお、[[RC-135]]系列については当該項目で記す。

-KC-135系
--KC-135A~
J57[[ターボジェット]]装備の[[空中給油機]]型。732機生産。
--KC-135B~
TF33[[ターボファン]]搭載。17機生産。
--KC-135Q~
超高速戦略偵察機・[[SR-71]]の就役に伴い、同機専用の航空燃料を搭載するように改修したタイプ。~
A型から56機改造。
--KC-135R~
A型のエンジンをF108[[ターボファン]]に換装し、各部を補強・更新した近代化アップデート版。389機を改修。

-C-135系
--C-135A~
[[輸送機]]型。15機生産(他にKC-135Aから3機改造)。~
[[愛称]]は"&ruby(ストラトリフター){Stratolifter};"
--C-135B~
TF33[[ターボファン]]装備。20機生産。
--C-135F~
[[空中給油]]機能を実装したフランス空軍向けの機体。12機生産。
--C-135FR~
F型の11機をKC-135Rと同様の仕様に改修したもの。
--VC-135B~
C-135Bから改修のVIP輸送機。
--WC-135B~
C-135B改造の気象観測機。

-EC-135系
--EC-135C~
KC-135Bの14機を改造した空中指揮機。~
--EC-135E~
宇宙ロケット追跡観測機。

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