【Il-76】(あいえるななろく) †

旧ソビエトのイリューシン?設計局が設計・開発した極地用輸送機。
NATOコードではCandid(キャンディッド)と呼ばれる。

それまで使用されてきたAn-12「カブ」の後継として、1967年から開発が始まり、1971年に初飛行した。
機体は高翼構造で、当時米軍で配備され始めた C-141「スターリフター」の影響を受けているが、極地での使用を考慮しているため、強力なエンジンやSTOL性を重視した後退角付き主翼の採用などで離陸滑走距離は短くなっている。

現在でも多くの機体が、アエロフロート航空をはじめとした民間航空会社でも使用されている他、中国やインドなどにも輸出されている。

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スペックデータ †

全長：46.59m
全高：14.76m
全幅：50.50m
主翼面積：300.0��
空虚重量：89,000kg
最大離陸重量：170,000kg
最大ペイロード：40,000kg
エンジン：ソロビヨフ設計局（現PNPPアビアドビガテル）製D-30KP ターボファンエンジン（推力117.68kN）×4基
燃料搭載量（機体内）：109,480リットル
速度（最大/巡航）：459kt/432kt
海面上昇率：不明
実用上昇限度：15,500m
離着陸距離（離陸/着陸）：1,700m/1,000m
航続距離：2,698nm（ペイロード最大時）/3,617nm（最大燃料時）
乗員：5名+兵員140名
兵装：軍用型はオプションとして23mm機関砲2門の尾部銃座を装備できる。

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派生型 †

  • Il-76
    原型機および基本生産型。

  • Il-76M
    軍用型の初期生産型。

  • Il-76T "キャンディットA"
    燃料搭載量を増加させた民間輸送機型。

  • Il-76MD
    エンジン出力を強化した軍用輸送機型。空中給油受油管を装備可能。

  • Il-76TD
    MD型に準ずる民間輸送機型。1982年初飛行。空中給油関係の装備は搭載せず。

  • Il-76TD-90VD
    エンジンにソロヴィヨフPS-90 ターボファンエンジンを採用し、グラスコックピットを部分的に装備したもの。

  • Il-76MF
    胴体延長とエンジン出力強化を行った軍用輸送機型。Il-76TD-90VDと同じく、エンジンはPS-90を搭載し、胴体は6.6mm延長されている。試作機は1995年に初飛行したが、量産されず。

  • Il-76TF
    MF型に準ずる民間向けタイプ。量産されず。

  • Il-76MDP
    消火用水タンクを搭載した消防機型。

  • Il-76SK
    ミサイルや航空機を監視するレーダーピケット機。

  • Il-76LL
    エンジンのテストベット機。

  • Il-76-SKIP
    Kh-55ミサイルのテストベット機。

  • Il-76PP
    MD型ベースの電波妨害機。

  • Il-76TD-S
    移動診療所機。

  • Il-82
    空中コマンドポスト（指揮司令部）機。

  • Il-78
    空中給油機型。別項参照。

  • A-50
    早期警戒機型。別項参照。


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