【Honda Jet】(ほんだじぇっと)

Honda HA-420.
日本の自動車・輸送機械メーカー「本田技研工業」が開発・生産している双発小型ビジネスジェット機

本機最大の特徴は、主翼上部に自社開発のターボファンエンジン*1を取り付けた独自の構造*2である。
これにより、エンジン支持構造を胴体に組み込む必要がなくなってキャビン容積が向上、乗客の居住性改善が図られている。
また、従来のビジネス機の「胴体後部両舷にエンジンをつける」方式に比べて空気抵抗の軽減も図られる、としている。
(ただし、客室からの視界には多少の制限がかかるという欠点もある)

更に、上述のエンジンレイアウトや空気抵抗を軽減する主翼の構造、アルミニウム合金の削り出しで作られた構造材、低燃費エンジンなどの工夫により、従来に比べて95%の燃費向上が図られている。

本機は他の国産ビジネス機と同様、日本国内での販売は行わず*3、アメリカの現地法人を拠点として生産・販売を行うこととしている。
量産機は2010年12月に初号機が初飛行、2012年10月から本格的な生産が開始されており、一般ユーザーへの販売開始は2015年1-3月期以降を予定している。

スペックデータ

乗員パイロット1〜2名
乗客5〜6名(エアタクシー用)
座席数6〜7席
全長12.5m
全高4.1m
全幅12.2m
最大離陸重量4,173kg
エンジン本田技研工業 HF120ターボファン×2基
推力
離陸/巡航)
7,424N(757kgf)/1,873N(191kgf)
離着陸距離
離陸/着陸
807m/694m
最大巡航速度420kt(778km/h)
最大航続距離
(有視界飛行/計器飛行)
2,593km/2,185km
最大運用高度12,497m
最大上昇率1,200m/min

*1 現代の航空機産業において、機体のメーカーがエンジンまで自社開発するのは珍しい。
  旧西側諸国の大手航空機メーカーであるボーイングエアバスボンバルディアロッキード・マーチンでは、GE、P&W、ロールスロイスといった専業メーカーが作ったエンジンを採用している。

*2 同様の構造の機体には、1960年代に旧西ドイツで開発されたVFW614旅客機があった。
*3 日本ではビジネス機の市場が成立しないため。その事情についてはビジネス機の項目を参照のこと。

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