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【H型ロケット】
JAXA(旧NASDA:宇宙開発事業団?)の大型ロケット。
NASDA?の初の実用衛星打ち上げ用N型ロケット?の発展系。
通信・気象衛星などの大型衛星を打ち上げるためのN-II?を大型化し、打上げ能力の向上、純国産を目指して作られた。
燃料に液体水素を採用したため、"H"の名が付いている。
・H-I:
N-II?を大型化、国産技術を本格的採用した3段式ロケット。
国産2段目(液体水素/液体酸素)ロケットエンジン「LE-5」や、国産慣性誘導?システム、国産3段目固体ロケットモーター。
他、ライセンス生産も含め、ほとんどを国産可能になった。
1986/08/13 1号機(2段式) 測地実験衛星,アマチュア衛星,磁気軸受フライホイール実験装置
1987/08/27 2号機(以下3段式) 技術試験衛星「ETS-5」
1988/02/19 3号機 通信衛星「CS-3a」
1988/09/16 4号機 通信衛星「CS-3b」
1989/09/06 5号機 静止気象衛星「GMS-4」
1990/02/07 6号機 海洋観測衛星「MOS-1b」,伸展展開機能実験ペイロード「DEBUT」,アマチュア衛星「JAS-1b」
1990/08/28 7号機 放送衛星「BS-3a」
1991/08/25 8号機 放送衛星「BS-3b」
1992/02/11 9号機 地球資源衛星「JERS-1」
全長:40.3m 直径:2.44m 全備重量:139.3t 低軌道:3.0t GTO?:1.1t 静止軌道?:0.55t
運用年:1986〜1992
・H-II:
2tの静止衛星の打ち上げ能力を国産開発を目指したロケット。
H-Iに比べ大幅に国産技術を採用し、2段式ロケットエンジン+SRB(大型固体ロケットブースター)2基。
1段目ロケットエンジンを燃料に液体水素、酸化剤に液体酸素を用いる2段燃焼サイクルエンジン「LE-7」に変更
2段目ロケットエンジンはLE-5改良型「LE-5A」
リングレーザージャイロを用いた慣性誘導?方式
5,8号機の連続失敗により7号機を打ち上げずに運用を終了。事故原因を探るため、H-IIAの初号機発射も延期された。
1994/02/04 1号機 軌道再突入実験機「OREX」,性能確認用ペイロード「VEP」
1994/08/28 2号機 技術試験衛星「ETS-6」 (衛星側の不具合により失敗)
1995/03/18 3号機 宇宙実験観測フリーフライヤ「SFU」,静止気象衛星「GMS-5」
1996/08/17 4号機 地球観測プラットフォーム技術衛星「ADEOS」,アマチュア衛星「JAS-2」
1997/11/28 6号機 技術試験衛星「ETS-7」,熱帯降雨観測衛星「TRMM」
1998/02/21 5号機 通信放送技術衛星「COMETS」 (第2段エンジンの不具合により失敗)
1999/11/15 8号機 運輸多目的衛星「MTSAT」 (第1段エンジンの不具合により失敗)
全長:50m 直径:4m 全備重量:260t 低軌道:9.0t GTO?:4.0t 静止軌道?:2.0t 運用年:1994〜1999
・H-IIA:
H-IIの機体構造を全般的に簡素化、管理しやすく、複合材料の大幅採用、各種部品の小型軽量化を行った。これにより、信頼性向上、低コスト化を図った。
1段目ロケットエンジンをLE-7改良型「LE-7A」へ変更
2段目ロケットエンジンをLE-5A改良型LE-5Bへ変更
必要に応じてとSRB改良型のブースター「SRB-A」と「SSB(固体補助ロケット)」の数を(20,22,24,40)と変更可能。
海外の同クラスロケットに比べて単位ペイロードあたりの全備重量が著しく軽いのが特徴。
2001/08/29 1号機 H2A202 レーザー測距装置「LRE」,性能確認用ペイロード「VEP-2」
2002/02/04 2号機 H2A2024 民生部品・コンポーネント実証衛星「MDS-1」,高速再突入実験機「DASH」性能確認用ペイロード「VEP-3」 (衛星の不具合によりDASH失敗)
2002/09/10 3号機 H2A2024 データ中継技術衛星「DRTS」,次世代型無人宇宙システム「USERS」
2002/12/14 4号機 H2A202 環境観測技術衛星「ADEOS-II」,ピギーバックペイロード「μ-Lab Sat/WEOSS/Fed Sat」
2003/03/28 5号機 H2A2024 情報収集衛星光学1号機,同レーダー1号機
2003/11/29 6号機 H2A2024 情報収集衛星光学2号機,同レーダー2号機 (打上げ失敗)
2005/02/26 7号機 H2A2022 運輸多目的衛星「MTSAT-1R」
全長:53m 直径:4m 全備重量:285t 低軌道:10t GTO?:4.1t 静止軌道?:2t(これらの値はすべて標準型/ブースタにより増強可能)運用年:2001〜
1段目と基本的に同じタンクにLE-7Aを2基備えたLRB(液体ロケットブースター)を1ないし2本取り付けたペイロード増強型への発展も考えられていたが、機体の非対称性や0/1段目エンジン数の増加などのリスクから、この増強案は後に取り下げられた。これに代わって、1段目のタンク直径を5mとしてLE-7Aを2基備え、発射時の加重低減のためSRB-Aの推力パターンを見直したSRB-A2を4基付加した構造の増強型「H2A+」の開発が進行中である。
長征3A(中)やデルタ3(米ボーイング)、アトラス2AS(米ロッキード)などより若干大きく、アリアン4(ESA)クラスとなる。現在の打ち上げ費用はそれらよりやや高く、更なるコストダウンが望まれている。
参考リンク JAXAH-2A関連(http://www.jaxa.jp/missions/projects/rockets/h2a/index_j.html)