【GHQ】(じーえいちきゅー)

太平洋戦争終結後の1945年9月、アメリカ軍を基幹とする連合国軍による対日占領行政を担当するために設置された機関「連合国軍最高司令官総司令部」のこと。
英文表記での正式な呼称は「General Headquarters/Supreme Commander for the Allied Powers(GHQ/SCAP)」と呼び、本部は東京・日比谷の「第一生命館」(第一生命保険相互会社本社ビル)に設置された。

実際の統治に当たっては、従来あった日本の統治機構(軍隊及び国家警察を除く)を活用することとし、日本政府に対して指示・命令を下し、実務は主として日本人に行わせるという「間接統治」の形態が採られていた。
このために、GHQが日本政府に向けて発する指示・命令は「ポツダム命令(ポツダム勅令・ポツダム政令とも)」と呼ばれ、当時の日本にとっては従来のあらゆる法令に勝る絶対的・超法規的な性格を持っていた。

当初、アメリカの策定した占領政策では日本の軍事力を完全解体し、その上で産業構造を農業主体へ転換して*1自国の市場に組み込むことが目指されていたが、(冷戦の開始など)その後の情勢の変化によって「警察予備隊の設置」「海上保安庁の増強」といった再軍備が行われたり、労働運動に制限が加えられるなど、方針は大きく転換された。

1951年9月に締結され、翌年4月に発効した「日本国との平和条約(サンフランシスコ講和条約)」によって連合国軍の占領が終結、解散となった。
(これによって、アメリカ以外の日本駐留軍はそれぞれの母国へ撤収したが、アメリカ軍のみは「日米安全保障条約」によって引き続き日本に留まった。
 また同時に、沖縄や小笠原諸島、南樺太・朝鮮半島などの海外領土に対する日本の支配権も正式に放棄されることになった)*2


*1 この影響で、航空機の設計・製作・運用などの航空に関する諸活動に日本人が関与することは1950年代初めまで禁止されていた
*2 沖縄や小笠原諸島については後に日本へ返還される

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