*&ruby(じーきゅうじゅういち){【G91】}; [#feccb840]
Fiat G.91~
1950年代、イタリアの[[フィアット]]社（現[[アレニア]]社）が[[NATO>北大西洋条約機構]]諸国の[[攻撃機]]開発要求に対し、アメリカ製の[[F-86D>F-86]]を基にして設計・開発した機体。~
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当初の目論見であった「[[NATO>北大西洋条約機構]]標準機」自体は、各国がそれぞれ独自開発を行ったため達成できなかったが、それでも開発は続けられ、1956年に試作機が初飛行し、1958年から先行量産機が配備された。~
固定武装は12.7mm[[機関銃]]4挺だが、20mm/30mm[[機関砲]]2門または51mm/70mm[[ロケット弾]]パックに換装できるよう設計されていた。~
主翼には2箇所の[[ハードポイント]]があり、[[通常爆弾]]や[[ロケット弾]]ポッドなどを搭載できる。~
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1959年には機首に3台のカメラを搭載し[[偵察]]も行えるG91Rが開発され、以後主力量産機となる。~
同型では、主翼のハードポイントが4箇所に増設された。~
そして1960年には複座の[[練習機]]型G91Tが開発された。~
また、先行量産機の内20機が[[フレッチェ・トリコローリ]]用G91PANに改修され、1962年から1982年まで使用された。~
[[パイロット]]からは「ジーナ」の愛称で呼ばれていた。~
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1966年、イタリア軍が出した要求により[[エンジン]]を双発にしたG91Yが初飛行した。~
G91Tをベースに後部胴体が再設計され、推力を63%向上させることに成功した他、燃料タンクも増設され、従来に比べて約2倍の燃料が搭載可能になった。~
この[[エンジン]]は巡航時に片方を停止させることができ、これによって[[航続距離]]を延長できた。~
固定武装は30mm[[機関砲]]2門に変更されたほか、推力の増加に伴い兵装搭載量が増加した。~
また、[[アビオニクス]]も大幅に改良され、[[コックピット]]に[[装甲]]が施されている。~
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配備はイタリア空軍の他、[[西ドイツ空軍>ルフトバッフェ]]に輸出され、EUS((南部航空同盟、メッサーシュミット、ドルニエ、ハインケルの3社による共同体。))による[[ライセンス生産]]も行われた。~
後に西ドイツ空軍機の一部はポルトガル空軍に移管され、アフリカ植民地の[[ゲリラ]]や反乱軍に対する攻撃に使用された。~
ポルトガル空軍機の一部は[[AIM-9]]を搭載できるように改修し、迎撃任務に就いた。~
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現在、本機はイタリアでは[[AMX]]や[[MB339]]、ドイツでは[[アルファジェット]]や[[F-4]]に置き換えられ、ポルトガルへ再輸出された機体も含めて全機退役している。~
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**スペックデータ [#pcedfd70]
|型式|CENTER:G.91R/1|CENTER:G.91Y|
|種別|>|CENTER:[[攻撃機]]|
|主任務|>|CENTER:攻撃・偵察|
|主契約社|>|CENTER:[[フィアット]]|
|[[初飛行]]|CENTER:1956.08.09（試作機）|CENTER:1966.12.27（試作機）|
|クルー|>|CENTER:[[パイロット]]1名|
|全長|10.30m|11.67m|
|全高|4.00m|4.43m|
|全幅|8.56m|9.01m|
|[[主翼]]面積|16.42��|18.13��|
|[[乾燥重量]]|3,100kg|3,900kg|
|[[最大離陸重量]]|5,500kg|8,700kg|
|[[最大搭載量]]|680kg|1,914kg|
|内部[[燃料]]搭載量|1,610リットル|3,200リットル|
|[[エンジン]]|ブリストル・シドレー[[オーフューズ 803>オーフュース]]&br;[[ターボジェット]]×1基|[[GE>ジェネラルエレクトリック]] [[J85-GE-13A>J85]]&br;ターボジェット×2基|
|[[推力]]|22.24キロニュートン|18.15キロニュートン&br;（[[A/B>アフターバーナー]]）|
|最大[[巡航速度]]|650km/h|800km/h|
|最高速度|1,075km/h|1,111km/h|
|[[実用上昇高度>上昇限度]]|>|CENTER:13,100m|
|最大[[航続距離]]&br;（外部[[増槽]]×2基）|1,850km|3,500km|
|最大[[戦闘半径>戦闘行動半径]]|320km|600km|
|固定武装|[[ブローニングM2 12.7mm機関銃>ブローニングM2]]×4挺&br;（弾数：各300発）|DEFA 30mm[[機関砲]]×2門&br;（弾数：各125発）|
|兵装|>|CENTER:通常爆弾など、翼下の[[ハードポイント]]に680kgまで搭載可能。|
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**派生型 [#n88afa38]
-G91：~
試作および先行量産型。~
一部の電子機器を搭載していない。~
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-G91A：~
[[STOL]]実験機型。1機のみ製造。~
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-G91PAN：~
[[フレッチェ・トリコローリ]]向け。~
スモーク発生装置を搭載している。~
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-G91R/1：~
主力量産機。~
機首にカメラを搭載した攻撃/偵察機型。~
--G91R/1A：~
G91R/1の航法装置を改良した機体。~
--G91R/1B：~
G91R/1の機体構造を強化し、チューブレスタイヤなどを採用した機体。~
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-G91R/2：~
[[フランス空軍>フランス軍]]仕様の単座偵察・攻撃機型。生産されず。~
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-G91R/3：~
西ドイツ空軍仕様の単座偵察・攻撃機型。~
固定武装がDEFA 30mm[[機関砲]]に変更されている。~
後に一部の機体がポルトガル空軍に売却された。~
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-G91R/4：~
単座偵察・攻撃機型。~
機体は西ドイツ空軍仕様のG.91R/3と同じであるが、固定武装はイタリア空軍仕様のG.91R/1と同じブローニングM2 12.7mm重機関銃×4挺を装備している。~
元々はギリシャ及びトルコ向けに提案されていた機体だったが、両国とも導入をキャンセルしたため、既に製造されていた50機が西ドイツに納入された。~
後に40機がポルトガル空軍に売却された。~
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-G91R/5：~
ノルウェーに提案された航続距離延長型。提案のみ。~
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-G91R/6：~
G91R/1Bの初期の名称。~
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-G91T/1：~
複座の[[練習機]]型。~
[[機関銃]]が2挺に、ハードポイントが2箇所に削減された。~
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-G91T/2：~
フランス空軍仕様の複座練習機型。生産されず。~
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-G91T/3：~
G91T/1の西ドイツ空軍仕様。~
固定武装にDEFA 30mm機関砲 2門を搭載するなど、一部の搭載機器が変更されている。~
後にポルトガル空軍に売却された。~
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-G91T/4：~
[[F-104]]と同型の「NASARR」[[FCS>火器管制装置]][[レーダー]]を搭載する型。計画のみ。~
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-G91Y：~
[[エンジン]]が双発になるなど大幅に設計を見直した機体。~
エンジンはGE製のJ85ターボジェットエンジンを搭載している。~
しかし、本機と同じくJ85エンジンを搭載する[[F-5A/B>F-5]]が広く普及していたこともあり、輸出は全く振るわず、イタリア空軍向けに60機が製造されたに留まった。~
--G91YT：~
G91Yの複座[[練習機]]型。計画のみ。~
--G91YS：~
スイスに提案された機体。1機がデモ用に製造されたが採用されなかった。~
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