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【FX】 †
- Fighter eXperimentalの略。
旧式化した戦闘機に代替する次期戦闘機のこと。
冷戦が終結し、東西問わずに機体の選択ができるようになった現在、数百億から数兆円もの大金が投じられるFX選定は、生産メーカーのみならず、国家の威信をもかけた売り込み競争が激化している。
また、購入する側の国家・軍隊からしても、機体そのもののカタログスペックや単価のみならず、それまで培ってきた整備・補給・教育訓練体系との整合性を考慮せねばならず、機体選定には慎重の上にも慎重を期した判断が求められる。
- 航空自衛隊における次期主力戦闘機導入計画を指す略語。
現在では4つのF-X計画が存在する。
第1次F-X †
F-86戦闘機の代替となる戦闘機を導入する計画。
以下の戦闘機が選定にかけられた。
一旦はG-98に内定したものの、政治家の汚職が発覚して白紙に戻され、再度選定された結果、F-104が採用された。
第2次F-X †
F-104J/DJと、いまだに残っていたF-86の代替となる戦闘機を導入する計画。
以下の戦闘機が選定にかけられた。
- マグダネル・ダグラス F-4E
- ロッキード CL1010-2（F-104の発展型）
- サーブ 37 ビゲン
- ダッソー ミラージュF1
結果F-4Eを「F-4EJ」として採用し、140機導入した。
第3次F-X †
F-104J/DJと、一部のF-4EJの代替となる戦闘機を導入する計画。
以下の戦闘機が選定にかけられた。
結果F-15C/Dを「F-15J/DJ」として採用し、213機導入された。
第4次F-X †
2008年度中に退役が始まったF-4EJ改、及び2011年に（当初の調達予定数から大幅に削減された上で）生産終了となったF-2の代替となる戦闘機を導入する計画。
当初は以下の機種が選定にかけられていた。
- ロッキード・マーティン F-22A
- ボーイング F-A/18E/F
- マクドネル・ダグラス F-15FX（F-15Eの日本向け改修型）
- ロッキード・マーティン F-35A
- ダッソー ラファール
- ユーロファイター タイフーン
その後、2008年12月末に価格高騰などの理由でF-22を候補から除外し、F-35、タイフーン、F-15FXの3機種から選定する旨の発表が行われた。
2011年4月、防衛省は関係各国政府に対する説明会を実施し、アメリカ、イギリス政府からF-35、タイフーン、F-A/18E/Fの申し込みを受け付けた。
同年9月には、防衛省に対する性能や価格に関する提案書の提出が締め切られ、最終的には以上の3機種から選定することが公式に決まった。
そして2011年12月12日、防衛省は次期F-XをF-35に決定する方針を固め、同年12月20日、日本政府は閣議と安全保障会議で正式にF-35Aを採用することを決定した。
しかし、これと相前後して、アメリカ国防総省はF-35の開発調達計画を2年延長する見通し*1であることを報じており、延長が正式に決まればこの計画は抜本的な見直しを迫られることになる。
*1 F-35の項にもあるように、高度なセンサーフュージョンなどのアビオニクス開発が難航しており、当初の運用者となるアメリカ軍（空軍・海軍航空隊・海兵隊）でも、初期作戦能力の獲得時期を2017〜2018年頃にしている。
