【FROGシリーズ】 †
ソ連/ロシア軍に配備されていた無誘導の地対地ロケット弾。
愛称のFROGとは、「Free Rocket Over Ground（無誘導地対地ロケット）」の略称である。
1957年から部隊配備が開始された。
FROG1〜7のバリエーションがあり、弾頭には通常弾頭のほか核・熱核弾頭、クラスター弾頭などを搭載できる。
実戦では、第四次中東戦争でイスラエル軍への攻撃に使用されたが、精度が悪く大した損害を与えることが出来なかった。
また、1993年のユーゴスラビアでの紛争ではセルビア軍がFROGを発射している。
ソ連/ロシアでは退役したが、現在も北朝鮮など、一部の国で配備されていると思われる。
スペックデータ（FROG-7） †
- 発射機（ZIL-157 6×6トラック）
乗員：3名
全長：9.27m
全幅：2.80m
全高：2.20m
戦闘重量：17.2t
エンジン：V型8気筒液冷ガソリンエンジン（出力180hp）
登坂力：57%
超堤高：0.58m
最大速度：65km/h（路上）
航続距離：400km
装甲：10〜14mm
携行弾数：1発
兵装：地対地ロケット弾発射機1基
主な種類 †
- FROG-1 初期生産型。ソ連/ロシアでは3R-1 Filinと呼ばれる。JS-3重戦車に搭載。
- FROG-2 車台を2P16（PT-76水陸両用戦車がベース。FROG-3/FROG-4も使用。）に換装した型。
ソ連/ロシアでは3R-2 Marsと呼ばれる。ミサイル本体は小型化されているが、射程が短くなっている。
- スペックデータ
全長：9m
直径：0.6m
弾頭：通常弾頭（単弾頭、1,200kg）
発射重量：2,450kg
最大射程：19km
命中精度：900m CEP
推進方式：固体燃料ロケットモーター
- スペックデータ
- FROG-3 1960年に登場した射程延伸型。ソ連/ロシアでは3R-8 Lunaと呼ばれる。
- スペックデータ
全長：10.5m
直径：0.4m
弾頭：通常弾頭（単弾頭、1,200kg）
発射重量：2,250kg
最大射程：40km
命中精度：880km CEP
推進装置：固体燃料ロケットモーター
- スペックデータ
- FROG-4 弾頭部が小型化され、射程が延伸された型。ソ連/ロシアでは3R-9 Lunaと呼ばれる。
- スペックデータ
全長：10.5m
直径：0.4m
弾頭：3N15通常弾頭
発射重量：2,000kg
最大射程：50km
推進装置：固体燃料ロケットモーター
- スペックデータ
- FROG-5 核弾頭搭載型。ソ連/ロシアでは3R-10 Lunaと呼ばれる。
- スペックデータ
全長：9.1m
直径：0.55m
弾頭：3N14 核弾頭
発射重量：3,000kg
最大射程：55km
推進装置：固体燃料ロケットモーター
- スペックデータ
- FROG-6 訓練用ロケット。ZIL-157 6×6トラックに搭載。
- FROG-7 熱核弾頭およびクラスター弾頭が搭載可能な型。ソ連/ロシアでは9K52 Lunaと呼ばれる。
FROG発射機2両、再装填車両2両、エンドトレー・レーダー搭載車両1両、ブレッドビン・レーダー搭載車両1両からなる中隊2個で編成され、戦車師団と自動車化狙撃（機械化歩兵）師団に配備されていた。
- スペックデータ
全長：9.1m
直径：0.55m
発射重量：2,300kg
弾頭重量：550kg
弾頭：HE 高性能炸薬弾頭（450kg）、クラスター弾頭（FROG-7B）、化学弾頭（436kg）
AA-22・AA-38核弾頭（20KT）、AA-52熱核弾頭（最大核出力200KT）
最大射程：70km
推進方式：固体燃料ロケットモーター
命中精度：500〜700m CEP
- スペックデータ
