*&ruby(えふえぬふぁいぶせぶん){【FN ファイブ・セブン】}; [#oc8c546b]
Fabrics National Five-seveN (FN-FN)

[[ファブリック・ナショナル]]社が開発した[[半自動式拳銃]]。~
「ファイブ・セブン」という名前は、その[[口径]]である5.7mmに由来する。~
ちなみに"Five-seveN"の最初と最後を大文字にするのは、メーカー名(FN)との語呂合わせによる洒落だといわれている。

一般的な中型[[拳銃]]よりもやや大きい程度のサイズながら装弾数が20発と多く、貫通力に優れる。~
また、ポリマー樹脂を多用したフレーム、[[ストライカー]]撃発機構、フレーム前部のマウントレールなど、近年の流行を採り入れている。~
フレームのみならず、スライドもプラスチックで覆われているため、連射をしても表面温度は素手で触れられる程度にしか上昇せず、寒冷地での過熱や冷却による皮膚の張り付きも起こらない。~
デザインも特徴的で、特に初期型に採用されていたピーナッツ形状のトリガーガードは注目を浴びた。~
作動方式は一般的なショートリコイルではなく、[[ディレイドブローバック]]となっている。~
総じて性能は高いものの、特殊な規格のため比較的高価であり、普及は進んでいない。

同社製の[[P90]]と共通の5.7mm×28[[口径]]弾を使用する事を念頭に置いて設計されている。~
しかしオリジナルのSS90弾は拳銃用[[弾倉]]に収めるには長すぎたため、[[テレスコピック弾]]にして全長を縮め、精度、貫通力も高めたSS190が[[P90]]との共通弾として開発された(([[減音器]]用の[[亜音速]][[弱装弾]]は、回転不良の原因となるため共用できない。))。これによりSS90弾は絶版となる。~
SS190弾はライフル弾を小型にしたようなボトルネック形状で、弾頭は従来の拳銃弾のようなドングリ形ではなく鋭利な円錐形をしている。そのため秒速650メートルと弾丸の初速が速く、クラス3のボディアーマーを撃ち抜く貫通力を持つ。~
さらに人体等の軟体に命中すると弾丸が横転する(タンプリング)性質を持っていて、貫通せずに体内の傷口を広げるので[[マンストッピングパワー]]も高い。~

装弾数が多すぎる点と、[[防弾チョッキ]]を貫通する[[破壊力>デストラクションパワー]]が災いして販売先は法執行機関に限られていたが、2005年にアメリカの[[拳銃]]装弾数規制が撤廃されたのを受け、同年のショットショーにて貫通力を落としたスポーツ用弾薬市販と共に民間モデルが発表、販売が開始された。~
ただし、5.7mm×28の[[フルメタルジャケット弾]]は現在でも規制対象であり、民生用には[[ソフトポイント弾]]が供給されている。~
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2013年ショットショーにて、Five-seveN MK2という新モデルが発表された。~
新モデルではスライド前部にもコッキング用セレーションが追加され、旧モデルで灰色だった操作系統はすべて黒色樹脂になり、アジャスタブルサイトの形状も変更された。~

**スペックデータ [#w64f14c9]
|口径|5.7mm|
|全長|212mm|
|銃身長|130mm|
|重量|843kg|
|使用弾薬|5.7mm×28弾|
|装弾数|20発|
|作動方式|銃身遊動遅延ブローバック|
|銃口初速|600m/s|
**主なバリエーション [#n25eebf5]
-初期モデル:~
[[ダブルアクション]]オンリー。[[マニュアルセーフティ]]無し。現在は販売終了。~
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-現行モデル:~
ダブルアクションオンリー。マニュアルセーフティ有り。トリガーガードはストレート形状。~
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-タクティカル:~
公用モデル。USG発売時に米国内向けのIOMを改称。~
発砲時の命中精度を上げるため、初期モデルを[[シングルアクション]]に変更したもの。~
マニュアルセーフティ有り。~
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-IOM((Individual Officer's Model)):~
公用モデル。タクティカルと全く仕様は一緒。マガジンセーフティ有り。初期型はピーナッツ型トリガーガード。~
USG発売に伴い廃止。~
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-USG((United States Government)):~
アメリカ市場向け民間モデル。シングルアクション。マニュアルセーフティ、マガジンセーフティ有り。~
初期モデルは装弾数が10発であったが、2004年の[[連邦攻撃武器規制]](AWB)解除により装弾数が20発になった。~
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