*&ruby(えふはちじゅうろく){【F-86】};
ノースアメリカン社が開発した[[後退翼]]を持つ黎明期のジェット[[戦闘機]]。 愛称は&ruby(セイバー){Saber};。~
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当初[[直線翼]]による設計が行われていたが、[[第二次世界大戦]]終結後のドイツからの戦利品の中に[[後退翼]]における空力データが発見されたため、その有効性に着目した同社は急遽[[後退翼]]に設計変更した。~
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[[朝鮮戦争]]にてF-86Aがデビュー。 パイロットの技量もあり[[MiG-15]]を圧倒したが、上昇力、旋回性能、耐久力において劣っていた。 [[MiG-15]]に匹敵・もしくは上回る性能を得たのは後に配備されるF-86Fからである。~
また同機は[[金門馬祖上空戦]]において歴史上初めて[[空対空ミサイル]]による戦果を挙げた。~
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[[航空自衛隊]]初のジェット戦闘機としても配備され、旭光、
[[ハチロク]]などとも呼ばれた。~
固定武装として12.7mm[[機関銃]]6門を搭載、その他に赤外線探知の[[空対空ミサイル]]を最大4発装備できる。~
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特に[[運動性]]が良好で、「当時[[ハチロク]]に乗れなかった奴はかわいそうだ」と異口同音に語られるほどである。~
航空自衛隊では、機首下に対空ロケットランチャーを装備した全天候迎撃機F-86Dと[[昼間戦闘機]](後に[[支援戦闘機]]として運用された)F-86F、F-86Fを改造したRF-86F[[偵察機]]が配備されていた。~
中には[[ブルーインパルス]]用に改修された機体も存在し、特に東京オリンピックで快晴という好条件に恵まれた中で五輪を描いた実績は現在でも語り草である。~

主な量産型を以下に示す。~


>[[ノース・アメリカン]]社製

>>XP-86 試作機。試験飛行中に急降下で音速を突破したことが何度かあり、一説には世界初の音速突破を達成した実験機、ベル[[X-1]]よりも先に音速を突破したのではないかという説も存在している。

>>F-86A:最初の量産型。機体命名法の変更に伴い、名称も変更された~

>>RF-86A:F-86Aの[[機銃]]を外し、カメラを搭載した写真[[偵察機]]型。~

>>F-86D:通称セイバードッグ。大幅な設計変更が行われ、機首に大型のレーダーを搭載した全天候迎撃機型。[[エンジン]]には[[アフターバーナー]]が装備された。また、武装が12.7mm[[機銃]]から70mmマイティ・マウス[[ロケット弾]]用の引き込み型ランチャーに変更されている。~

>>F-86E:F-86Aの改良型。全遊動式水平尾翼を装備し、機動性が向上した。また、[[艦上機]]型[[FJ-2]]のベースになった機体でもある。~

>>F-86F:F-86Eの改良型。「6-3翼」という新しい主翼を装備し、セイバーの決定版ともいえる。~

>>RF-86F:F-86Fの写真[[偵察機]]型。~

>>F-86H:[[核兵器]]を搭載できる戦闘爆撃機型。[[エンジン]]を従来のJ47からJ73に換装し、それに伴って胴体が大型化された。~

>>F-86K:F-86Dの輸出型。武装が20mm[[機関砲]]に変更されたほか、電子機器がダウングレードされている。~

>>F-86L:F-86Dに迎撃用[[データリンク]]([[SAGE]])を装備した能力向上型。~
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>[[カナデア]]社製

>>CL-13セイバーMk1:F-86Aを[[カナデア]]社で組み立てた機体。~

>>CL-13セイバーMk2:F-86Eを[[ライセンス生産]]した機体。~

>>CL-13セイバーMk3:試作オレンダ・[[ターボジェット]]・エンジンを搭載するために製造された機体。~

>>CL-13セイバーMk4:Mk2を英空軍向けに量産した機体。~

>>CL-13AセイバーMk5:オレンダ10エンジンと「6-3翼」を搭載した機体。~

>>CL-13AセイバーMk6:Mk5の[[エンジン]]をオレンダ14エンジンに換装した機体。~
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>[[コモンウェルス・エアクラフト]]社製

>>CA-27セイバーMk30:オーストラリア軍向けに、[[ロールスロイス]]・[[エイヴォン]][[エンジン]]を搭載した機体。武装が[[アデン]]30mm[[機関砲]]2門に変更されている。~

>>CA-27セイバーMk31:Mk30の主翼を「6-3翼」に変更した機体。~

>>CA-27セイバーMk32:Mk31の主翼に[[スラット]]を追加した機体。~


http://www.masdf.com/altimeter/kohokan2001/f86f010.jpg

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