*&ruby(えふさんじゅうご){【F-35】}; [#g8dc572d]
Lockheed Martin F-35 &ruby(ライトニング・ツー){Lightning II};~
ロッキード・マーチン社が、[[JSF]]計画で勝ち残ったX-35をベースに開発中の[[ステルス]][[戦闘爆撃機]]（[[マルチロールファイター]]）。~
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A・B・Cと3つのバリエーションがあり、各型とも[[F-22]]などと同様に各兵装は胴体下の[[ウェポンベイ]]に収納される。~
固定兵装はA型のみが[[ジェネラルエレクトリック]] [[GAU-22/A>GAU-12]] 25mm[[ガトリング砲>ガトリングガン]]1門を装備する。((B/C型は専用の[[ガンポッド]]で対応。))~
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本機の大きな特徴として挙げられるのは、[[スナイパーXR>AN/AAQ-33]]と同等の能力を持つAN/AAQ-40 EOTS((Electro-Optical Targeting System:電子光学照準システム))や、全天周の索敵・監視・照準を可能とするAN/AAQ-37 EO DAS((Electro-Optical Distributed Aperture System:電子光学分配開口システム))といった強力なパッシブセンサーを内蔵し、従来にはない高度な戦闘能力を発揮できることである。~
これらの画像は[[HMD>ヘルメット・マウンテッド・サイト]]に投影することが可能で、あたかも[[コックピット]]の構造物を透視するかのように全周囲を見回すことができる。((ただしHMDの投影角度はやや狭く、一度に広い範囲を見渡せるわけではない。))~
また高度な[[センサーフュージョン]]により、脅威情報の警告や移動目標の追尾を自動で実現する。~
一方で[[HUD]]は廃止され、計器部には大型の[[MFD]]だけが存在するシンプルな内観となっている。~
[[レーダー]]としては、[[F-22]]用のAN/APG-77を小型化したAN/APG-81 [[AESA]]を搭載する。~
これらの情報はリンク16や、新規に採用されるMADLといった双方向の[[データリンク]]により共有され、広大な戦場を瞬時に把握することができる。~
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量産機のF-35は2006年に初飛行したが、[[センサーフュージョン]]に代表される[[統合アビオニクス>アビオニクス]]の実現が難しいこと等から開発が遅れており、[[米空軍>アメリカ空軍]]や[[米海軍>アメリカ海軍]]では2017年に、[[米海兵隊>アメリカ海兵隊]]では2018年((特にB型はリフトファン周りのトラブルもあり、A/C型以上の遅延が存在する。))に初期作戦能力を獲得する予定とされている。~
本機は、[[アメリカ空軍]]が2000機以上、海軍が300機、[[海兵隊>アメリカ海兵隊]]600機以上、英海軍が60機以上、日本の[[航空自衛隊]]が40機前後((2011年12月、第4次[[F-X>FX]]として採用されることが決まり、2012年度防衛予算で4機分の導入が承認された。&br; しかし、2013年になって「FCSが短射程空対空ミサイルの運用能力を持っておらず、要求性能を満たせない」として実戦配備不可能と判断されたとの報道もあり、今後の先行きはまだまだ不透明である。))と、合計3000機以上の調達計画が出されており、この結果の後に国際的に評価されれば、[[F-4]]、[[F-16]]に続き世界的に多く輸出される戦闘機となる。~
[[国防総省>アメリカ国防総省]]の発表では、2040年代まで使用される予定としていることから、[[F-22]]、[[PAK FA>T-50]]と並ぶ次世代戦闘機の顔となることが期待されている。~
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F-35が多くの国で採用されるにあたり、ALGS((Autonomic Logistics Global Sustainment))と呼ばれる画期的な[[兵站]]システムが導入される。~
高度な自己診断システムに加え、部品の流通や保守について世界的なネットワークが構築される。~
特に従来の[[兵站]]と決定的に異なるのは、部品流通や保守が参加国の間で保有国の区別なく、流動的かつ自動的に処理されることである。~
FACO((Final Assembly and Check Out))と呼ばれる機体組み立て・検査拠点は、今のところ世界中でアメリカ・イタリア・日本の3箇所のみに設置が予定されており、部品交換で済まないレベルの故障はこれらいずれかのFACOへ持ち込んで修理されることになる。~
機体の国籍とは関係なく、個々の機体の置かれた状態の中で最も適した場所から部品が供給され、最も適したFACOで修理が実施される。~
このALGSとFACOが導入されるにあたり、日本の参入は武器輸出にあたると解釈され、F-35を[[武器輸出三原則等]]の例外とする措置が採られた。~
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関連：[[JSF]] [[最後の有人戦闘機]]~
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#ref(http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/4/43/First_F-35_headed_for_USAF_service.jpg/640px-First_F-35_headed_for_USAF_service.jpg)~
Photo:USAF F-35A~
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**スペックデータ [#qe2af4d2]
|CENTER:形式|CENTER:F-35A|CENTER:F-35B|CENTER:F-35C|
|CENTER:乗員|>|>|CENTER:1名|
|CENTER:全長|>|CENTER:15.41m|CENTER:15.50m|
|CENTER:全高|>|>|CENTER:4.60m|
|CENTER:全幅|>|CENTER:0.97m|CENTER:13.12m/9.10m（[[主翼]]折りたたみ時）|
|CENTER:[[主翼]]面積|>|CENTER:42.74��|CENTER:57.6��|
|CENTER:空虚重量|CENTER:12,426kg|CENTER:13,888kg|CENTER:13,924kg|
|CENTER:機内燃料重量|CENTER:8,165kg+|CENTER:5,897kg+|CENTER:8,618kg+|
|CENTER:最大離陸重量|>|CENTER:22,680kg|CENTER:27,216kg|
|CENTER:[[エンジン]]|>|>|CENTER:[[ターボファン]]×1基|
|~|CENTER:[[P&W>プラット＆ホイットニー]] F135-100|CENTER:P&W F135-600|CENTER:P&W F135-400|
|CENTER:エンジン[[推力]]|>|>|CENTER:約177.9kN|
|CENTER:最大速度|CENTER:[[M>マッハ]]1.7|CENTER:M1.6|CENTER:M1.7|
|CENTER:[[航続距離]]|CENTER:2,220km|CENTER:1,670km|CENTER:2,520km|
|CENTER:[[戦闘行動半径]]|CENTER:1,092km|CENTER:833km|CENTER:1,111km|
|CENTER:[[実用上昇限度>上昇限度]]|>|>|CENTER:19,240m|
|CENTER:固定武装|CENTER:[[GE>ジェネラルエレクトリック]] [[GAU-22/A&br;25mmガトリング砲>GAU-12]]×1門|>|CENTER:-|
|兵装|>|>|CENTER:胴体の[[ウェポンベイ]]に左右で最大4発のミサイル&br;内部ベイに2,000lbの[[JDAM]]2発と中距離空対空ミサイル2発&br;左右3ヶ所の翼下パイロン((一番外側は空対空ミサイル専用。))に各種ミサイル・爆弾を搭載可能。|
|[[空対空ミサイル]]|>|>|CENTER:[[AIM-9X「サイドワインダー2000」>AIM-9]]、IRIS-T、AIM-132「ASRAAM」、[[AIM-120「AMRAAM」>AIM-120]]|
|[[空対地>空対地ミサイル]]/[[空対艦ミサイル]]|>|>|CENTER:[[AGM-65「マーベリック」>AGM-65]]、AGM-154「JSOW」、[[Joint Strike Missile>JSM]]|
|[[対レーダーミサイル]]|>|>|CENTER:[[AGM-88「HARM」>AGM-88]]|
|[[巡航>巡航ミサイル]]/[[対戦車ミサイル]]|>|>|CENTER:ストーム・シャドウ、ブリムストーン|
|[[爆弾]]類|>|>|CENTER:[[Mk.80シリーズ（Mk.82/83/84）>Mk.80シリーズ]]、CBU-103/105[[クラスター爆弾]]、&br;[[ペイブウェイシリーズ（GBU-10/12/16/24）>ペイブウェイ]]、[[GBU-39]]、[[JDAM]]、[[SDB>小直径爆弾]]、B61[[核爆弾>核兵器]]|
**派生型 [#qe2af4d2]
派生型は以下の通り。~
以下の他にも、同機を[[無人航空機>無人機]]としても使用できるタイプの機体の開発を計画している。~
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-F-35A~
[[F-16]]の後継として開発されている基本タイプ。~
ほかの2つのタイプと違い固定武装として[[GAU-22/A>GAU-12]] 25mm[[ガトリング砲>ガトリングガン]]1門を装備する。~
2015年に配備予定であったが、開発遅延により2017年頃に延期。~
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-F-35B~
[[アメリカ海兵隊]]、イギリス空軍、イギリス海軍の[[シーハリアー]]、[[ハリアーII>ハリアー]]及びアメリカ空軍の[[A-10]]の後継として開発されている[[STOVL]]型。~
買収した[[Yak-141]]の技術が使われており、[[エンジン]]ノズルは可変式で下方に折り曲げることができる。~
加えてエンジンから伸びるシャフトでクラッチを介し、前方のリフトファンを駆動する。~
リフトファンにより重い[[リフトジェット]]が不要になったうえ、[[滑走路]]や[[飛行甲板]]に与える熱ダメージをある程度低減することができる。~
ただし、A/C型で燃料タンクの存在した場所にリフトファンを装備するため、燃料搭載量が制限される。((ただし、本機の燃料搭載量は元来多めに設計されているため、航続力は[[ハリアー]]に勝るとも劣らないとされる。))~
リフトファンの吸気ダクト扉は後方ヒンジによる一枚扉となっている。~
[[キャノピー]]の形状はA/C型と違い、完全な水滴型になっていない。~
2014年に配備予定であったが、開発遅延により2018年頃に延期。~
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-F-35C~
[[F/A-18]]の後継機として開発されている艦載型。~
[[主翼]]と[[垂直尾翼]]は低速時の安定性を考慮して大型化されたほか、機体構造や[[降着装置]]の強化、前脚の2重車輪化、[[アレスティングフック]]の装備や[[主翼]]の折り畳み機構が追加されている。~
[[ステルス]]性はシリーズ中もっとも高く、燃料搭載量は[[F-22]]を超える。~
2015年より配備予定であったが、開発遅延により2017年頃に延期。~
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