*&ruby(いーえーぴー){【EAP】}; [#q6bdae2a]
British Aerospace EAP~

EFA計画(現在の[[ユーロファイター・タイフーン>タイフーン]])の技術実証を目的として試作された[[実験機]]。~

1979年に開始されたECA計画(後のACA計画→EFA計画)は、参加各国間の思惑が交錯し、後にフランスが脱退して独自に[[ラファール]]を開発するなど、錯綜していた。~
これに業を煮やしたイギリス政府は、1983年に[[BAe]]とEAP(Experimental Aircraft Program)契約を交わして独自に技術実証機を試作することとした。~
実際には経費の大半を[[BAe]]が負担しており、事実上[[BAe]]の自主開発といえる。なお、この時点でスペインも一部費用負担している。~
機体は1986年に完成し、国際的な支持を期待してファーンボロ航空ショーでの飛行展示を実施した。~

この機体は主として以下の技術実証を目的としていた。
-[[炭素繊維強化樹脂]]や新型合金による軽量機体と、それによる[[超音速巡航]]の実現
-アクティブ式[[デジタルフライバイワイヤ>フライバイワイヤー]]と、[[先尾翼]]付き[[ダブルデルタ]]による高機動性の実現((結局のところ実用機に[[ダブルデルタ]]は採用されなかった。))
-[[MFD]]や[[MIL-STD-1553B>MIL-STD-1553]]により、高度に電子化された[[コックピット]]

限られた予算から組み上げられた実証機のため、[[垂直尾翼]]や[[エンジン]]は[[トーネードADV>トーネード]]のものを流用している。((ただし[[エンジン]]は[[リヒート>アフターバーナー]]を強化されたものになっている。))~
また胴体下には[[スカイフラッシュ]]の模擬弾((配置も[[トーネードADV>トーネード]]のものに近い。))が、翼下[[パイロン]]には[[ASRAAM>AIM-132]]の模擬弾が装着されていた。~
胴体の左右には砲口が開けられていたが、この時点で[[機関砲]]は搭載されておらず、候補としては[[BK27]]と[[ADEN]]25mm砲が挙がっていた。~

同年に共同開発を管理するための[[ユーロファイターGmbH>ユーロファイター]]が西ドイツに設立され、翌1987年にはEAPがEFA計画の正式な実験機として承認されて、いよいよ開発が本格化するかに見えた。~
しかし1991年に[[冷戦]]体制が崩壊し、[[NATO>北大西洋条約機構]]諸国における新型[[戦闘機]]の必要性は一気に低くなった。~
加えて東西ドイツが統一されたことによりドイツの財政も悪化。EFA計画は大きく後退することになる。~
EAPの成果といえる[[ユーロファイター2000>タイフーン]]の原型機が完成するのは1994年のことであった。~
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**スペックデータ [#p71bfd2c]
乗員:[[パイロット]]1名~
全長:16.80m~
全高:5.80m~
翼長:10.50m~
空虚重量:9,935kg~
最大離陸重量:18,145kg~
エンジン:ターボユニオン RB-199-104ジェットエンジン([[推力]]71.3kN)×2基~
最高速度:[[マッハ]]2.27~
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