【COIN機】(こいんき)

COunter INsurgency aircraft.(対暴動航空機)

ゲリラ戦への対処を目的とする攻撃機の一種。
価格高騰の続く現代航空戦の潮流に反し、生存性を度外視した軽量安価な機体となっているのが特徴。
新規設計は1960年代を最後に途絶えており、練習機偵察機輸送機などから転用された機体が主流である。

正規軍だけでなく、ゲリラテロリストが民間航空機に武装を施して投入した例もある。

近接航空支援が主任務だが、前線航空管制偵察空挺降下などほぼあらゆる航空任務に流用される。
武装面でも高価なミサイルを忌避して機関銃ロケット弾を用い、ガンシップとの区別も曖昧である。

正規の戦闘機に捕捉され交戦した場合に生還の余地はほとんどなく、高射砲地対空ミサイルに対してもきわめて脆弱。
敵性勢力が対空戦闘能力を全く保有していない、という限定条件下でしか運用できない。

性能上、マルチロールファイター攻撃ヘリコプター無人機などを投入可能な状況では利用価値がない。
このため、先進国が新規に調達する装備としては基本的に顧みられず、中古機体から転用するものが一般的である。

主な機種

  • 純粋なCOIN機として開発されたもの
  • 練習機観測機を基に開発されたもの
    • セスナ A-37「ドラゴンフライ」(T-37「トゥーイート」がベース)
    • BAC 167 ストライクマスター
    • ロッキード AT-33(T-33練習機の武装型)
    • ノースアメリカン T-28「トロージャン」
    • レイセオン・ビーチ*1 AT-6B「ウルヴァリン」(AT-6「テキサン」の武装型)
    • アレーニア・アエルマッキ SF-260
    • ピラタス PC-7
    • ピラタス PC-9
    • エンブラエル EMB-314「スーパーツカノ」
    • セスナ O-2A「スカイマスター」(セスナ337がベース)

  • 輸送機から改修されたもの
  • 農業機から改修されたもの
    • AT-802U
    • IOMAX アークエンジェル(Ayres Thrush社製のS-2R-660がベース)
    • T-Bird(Ayres Thrush社製のModel 510Gがベース)


*1 現ホーカー・ビーチクラフト。

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