【CCV】(しーしーぶい)

Control Configured Vehicle.

誰か(あるいは機械的な何か)が絶えず能動的に制御調整する事を前提とする乗り物の総称。
自然な安定を期待できないため事故のリスクが高い反面、安定した乗り物では不可能な運動性を持っている。

最も典型的な例は一輪車・自転車・二輪バイクなどである。
それらは人間が自ら体を動かして制御する事をやめた瞬間に転倒する。
しかし、その分だけ人間の体重移動などが大きく反映され、四輪車などの安定した車両よりも軽やかで機敏である。

近年では一部の戦闘機がCCVとして設計されている。
これはフライバイワイヤーを前提とするもので、手動では制御不能なほど不安定な機体形状を特徴とする。
そうした機体は静安定緩和されており、ただ直進するだけで毎秒数十回に及ぶ絶え間ない操舵を必要とする。
また舵の類も手動で取り扱えない複雑な動翼であり、人間の操作はコンピュータを介して高度に抽象化される。
電子制御が止まった瞬間に失速する反面、機体にかかる抗力や振動が低減され、運動性巡航速度・燃費・運用寿命などが向上する。

なお、人体では直観認識が不可能な領域での精密制御が必要になるため、設計時に必要な検証・実験・コーディングの量も爆発的に増加する。
これは必然的に、調達価格の高騰を招いている。

関連:損傷許容設計 金の壁 F-16CCV T-2CCV F-2

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浜松広報館の解説文より


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