*&ruby(しーしーぶい){【CCV】}; [#z509c4a3]
+Control Configured Vehicle~
機体設計の初期段階から飛行制御を考慮して開発された[[航空機]]のこと。~
一般的な日本語訳は存在しないが、直訳の「制御本位航空機」や、意訳の「運動能力向上機」((実際の効果は運動能力の向上に限らないので、必ずしも適した訳とは言えない。))などで呼ばれることがある。~
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通常の[[航空機]]において制御系は、開発・設計の後期段階で考慮される。~
この場合あらかじめ機体は安定性を重視した設計としておく必要があるが、これによって様々な無駄が生じる。~
これに対してCCVでは、あらかじめ機体の制御を能動的に行う設計にすることで、以下の利点が期待される。~
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・[[静安定緩和]]による、運動性と安定性の両立~
・直接操縦翼面制御による、姿勢と方位の独立した制御~
・荷重制御による、機体構造材の軽量化~
・振動([[フラッター]]や[[バフェット]])を抑制することによる、機体の長寿命化や乗り心地の改善~
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例えば従来のように「[[補助翼]]は[[ロール]]、[[昇降舵]]は[[ピッチ]]、[[方向舵]]は[[ヨー]]」などと操縦を一意に分担するのとは異なり、それぞれの[[動翼]]を統合的に動かすことによって、より細やかな制御が可能となったり、[[抗力]]を低減して[[速度]]や省燃費性を向上させることも可能となる。~
具体的な例としては離陸上昇中、従来の[[飛行機]]とは逆に[[昇降舵]]を下げ舵にして、[[水平尾翼]]で[[揚力]]を発生させることも可能となる。(([[デルタ翼]]型の[[ミラージュ2000]]では[[エレボン]]を[[フラップ]]としても使うことができるようになり、[[先尾翼]]なしで低速での[[揚力]]を改善した。これは重量軽減に加え、高速時の[[抗力]]低減にも繋がる。))~
これらを実現するには[[フライバイワイヤー]]などの制御技術が不可欠といわれる。~
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CCVの[[実験機]]として、アメリカの[[F-16CCV>F-16]]や、日本の[[T-2CCV>T-2(日本)]]が知られる。~
これらの機体は制御を助けるため、オリジナルの機体に比べ[[動翼]]([[先尾翼]])が追加されている。~
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実用機としては日米共同開発の[[F-2]]が知られる。~
この機体は[[F-16]]ベースではあるが、政治的理由から[[T-2CCV>T-2(日本)]]の技術によりCCV化されている。~
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関連:[[損傷許容設計]]~
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#ref(exp004.jpg); ~
[[浜松広報館]]の解説文より~
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+Command and Communication Vehicle.~
[[陸上自衛隊]]の装輪式[[AFV]]「[[82式指揮通信車]]」の非公式[[愛称]]。~

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