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*&ruby(しーしーぶい){【CCV】}; [#z509c4a3]
+Control Configured Vehicle~
機体設計の初期段階から飛行制御を考慮して開発された[[航空機]]のこと。~
一般的な日本語訳は存在しないが、直訳の「制御本位航空機」や、意訳の「運動能力向上機」((実際の効果は運動能力の向上に限らないので、必ずしも適した訳とは言えない。))などで呼ばれることがある。~
Control Configured Vehicle.~
~
通常の[[航空機]]において制御系は、開発・設計の後期段階で考慮される。~
この場合あらかじめ機体は安定性を重視した設計としておく必要があるが、これによって様々な無駄が生じる。~
これに対してCCVでは、あらかじめ機体の制御を能動的に行う設計にすることで、以下の利点が期待される。~
誰か(あるいは機械的な何か)が絶えず能動的に制御調整する事を前提とする乗り物の総称。~
自然な安定を期待できないため事故のリスクが高い反面、安定した乗り物では不可能な[[運動性]]を持っている。~
~
・[[静安定緩和]]による、運動性と安定性の両立~
・直接操縦翼面制御による、姿勢と方位の独立した制御~
・荷重制御による、機体構造材の軽量化~
・振動([[フラッター]]や[[バフェット]])を抑制することによる、機体の長寿命化や乗り心地の改善~
最も典型的な例は一輪車・自転車・二輪バイクなどである。~
それらは人間が自ら体を動かして制御する事をやめた瞬間に転倒する。~
しかし、その分だけ人間の体重移動などが大きく反映され、四輪車などの安定した車両よりも軽やかで機敏である。~
~
例えば従来のように「[[補助翼]]は[[ロール]]、[[昇降舵]]は[[ピッチ]]、[[方向舵]]は[[ヨー]]」などと操縦を一意に分担するのとは異なり、それぞれの[[動翼]]を統合的に動かすことによって、より細やかな制御が可能となったり、[[抗力]]を低減して[[速度]]や省燃費性を向上させることも可能となる。~
具体的な例としては離陸上昇中、従来の[[飛行機]]とは逆に[[昇降舵]]を下げ舵にして、[[水平尾翼]]で[[揚力]]を発生させることも可能となる。(([[デルタ翼]]型の[[ミラージュ2000]]では[[エレボン]]を[[フラップ]]としても使うことができるようになり、[[先尾翼]]なしで低速での[[揚力]]を改善した。これは重量軽減に加え、高速時の[[抗力]]低減にも繋がる。))~
これらを実現するには[[フライバイワイヤー]]などの制御技術が不可欠といわれる。~
近年では一部の[[戦闘機]]がCCVとして設計されている。~
これは[[フライバイワイヤー]]を前提とするもので、手動では制御不能なほど不安定な機体形状を特徴とする。~
そうした機体は[[静安定緩和]]されており、ただ直進するだけで毎秒数十回に及ぶ絶え間ない操舵を必要とする。~
また舵の類も手動で取り扱えない複雑な[[動翼]]であり、人間の操作はコンピュータを介して高度に抽象化される。~
電子制御が止まった瞬間に[[失速]]する反面、機体にかかる[[抗力]]や振動が低減され、[[運動性]]・[[巡航速度]]・燃費・[[運用寿命]]などが向上する。

>なお、人体では直観認識が不可能な領域での精密制御が必要になるため、設計時に必要な検証・実験・コーディングの量も爆発的に増加する。~
これは必然的に、調達価格の高騰を招いている。

関連:[[損傷許容設計]] [[金の壁]] [[F-16CCV>F-16]] [[T-2CCV>T-2(日本)]] [[F-2>F-2(日本)]]~
~
CCVの[[実験機]]として、アメリカの[[F-16CCV>F-16]]や、日本の[[T-2CCV>T-2(日本)]]が知られる。~
これらの機体は制御を助けるため、オリジナルの機体に比べ[[動翼]]([[先尾翼]])が追加されている。~
~
実用機としては日米共同開発の[[F-2]]が知られる。~
この機体は[[F-16]]ベースではあるが、政治的理由から[[T-2CCV>T-2]]の技術によりCCV化されている。~
~
関連:[[損傷許容設計]]~
~
#ref(exp004.jpg); ~
[[浜松広報館]]の解説文より~
~
+Command and Communication Vehicle.~
[[陸上自衛隊]]の装輪式[[AFV]]「[[82式指揮通信車]]」の非公式[[愛称]]。~


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