- 追加された行はこの色です。
- 削除された行はこの色です。
*&ruby(しーいちよんいち){【C-141】}; [#p3cb933e]
[[Lockheed>ロッキード]] C-141 "&ruby(スターリフター){Starlifter};".~
~
1960年代、[[アメリカ空軍]]に制式採用された大型[[輸送機]]。~
1960年代、[[アメリカ空軍]]に[[制式]]採用された大型[[輸送機]]。~
~
[[C-17]]の前任であり、[[C-130]]と[[C-5]]の間を補完する存在として長期にわたり活躍した。~
1963年12月17日に[[初飛行]]し、1964年10月から配備が開始された。~
~
設計に当たっては、地上での物資積み降ろし作業の円滑さに配慮が払われていた。~
[[貨物室>キャビン]]は、当時主力だった「436軍用パレット」の規格に合わせて作られ、胴体後部の貨物扉は車輌で乗り入れることができる。~
初期の「A型」は、436パレットを10枚、あるいは兵員138名もしくは担架80床が搭載できるほか、[[ミニットマン]][[ICBM>大陸間弾道ミサイル]]も輸送可能であった((一時期は[[戦略哨戒]]の一環として、本機や[[C-5]]に搭載した[[弾道ミサイル]]を空中から投げ落とし、[[落下傘]]で降下中に[[ロケットエンジン]]を点火して発射させる方法も考案されていた。))。~
[[貨物室>キャビン]]は、当時主力だった「463Lマスターパレット」の規格に合わせて作られ、胴体後部の貨物扉は車輌で乗り入れることができる。~
初期の「A型」は、463Lパレットを10枚、あるいは兵員138名もしくは担架80床が搭載できるほか、[[ミニットマン]][[ICBM>大陸間弾道ミサイル]]も輸送可能であった((一時期は[[戦略哨戒]]の一環として、本機や[[C-5]]に搭載した[[弾道ミサイル]]を空中から投げ落とし、[[落下傘]]で降下中に[[ロケットエンジン]]を点火して発射させる方法も考案されていた。))。~
~
しかし、A型では貨物室の容積が少なく、最大[[ペイロード]]に達していなくても貨物室が満杯になって積載不可能になることが度々あり、この欠点を改善すべく貨物室容積を30％拡大したB型が登場した。~
B型は436パレット13枚、あるいは兵員205名（[[空挺降下]]装備であれば168名）もしくは担架103床が搭載可能である。~
~
戦歴としては、[[ベトナム戦争]]での支援空輸活動や[[湾岸戦争]]などがある。~
また、イラン革命の勃発に伴って1981年に計画された在イラン米国大使館職員救出作戦「イーグルクロウ作戦」でも撤収用に使用される予定だった。~
~
2006年5月5日に「ハノイ･タクシー」と呼ばれていた機体が[[国立アメリカ空軍博物館]]までのメモリアルフライトを実施し、全機が退役した。~
2006年5月5日に「ハノイ・タクシー」と呼ばれていた機体が[[国立アメリカ空軍博物館]]までのメモリアルフライトを実施し、全機が退役した。~
**スペックデータ(B型) [#x265852a]
|乗員|5〜6名|
|乗員|5〜7名&br;（[[パイロット>エビエーター]]2名、[[フライトエンジニア>航空機関士]]2名、[[ナビゲーター>航法員]]1名、[[ロードマスター]]1名）|
|兵員|205名|
|全長|51.29m|
|全高|11.96m|
|全幅|48.74m|
|[[主翼]]面積|299.9��|
|空虚重量|67,186kg|
|最大離陸重量|146,558kg|
|全長|51.3m|
|全高|12m|
|翼幅|48.8m|
|[[主翼]]面積|300��|
|空虚重量|65,542kg|
|最大離陸重量|147,000kg|
|最大[[ペイロード]]|41,222kg|
|[[エンジン]]|[[P&W>プラット＆ホイットニー]] [[TF33-P-7>JT3D]][[ターボファン]]×4基（[[推力]]93.41kN）|
|[[エンジン]]|[[P&W>プラット＆ホイットニー]] [[TF33-P-7>JT3D]][[ターボファン]]×4基（[[推力]]90.1kN（20,250lbf））|
|最高速度|912km/h|
|[[巡航速度]]&br;（最大/経済）|492kt（高高度）/430kt|
|[[海面上昇率>上昇率]]|890m/min|
|[[実用上昇限度>上昇限度]]|12,496m|
|[[航続距離]]|2,550nm（ペイロード最大時）/5,500nm（フェリー時）|
|[[航続距離]]|4,723km/9,880km（[[フェリー>回航]]時）|
|[[実用上昇限度>上昇限度]]|12,500m|
|[[上昇率]]|13.2m/s|
|[[翼面荷重]]|490kg/��|
|[[推力重量比]]|0.25|
~
**バリエーション（カッコ内は生産・改修機数） [#x265852a]
-C-141A（284機）：~
初期生産型。~
~
-YC-141B：~
B型原型機。~
~
-C-141B（270機）：~
A型に改修を施し、貨物室容積を更に広くし、[[機首]]部上部に[[空中給油]]受油口をつけ[[フライングブーム]]方式での[[空中給油]]が可能になった型。~
A型の改修型。~
貨物室容積を更に広くし、[[機首]]部上部に[[空中給油]]受油口をつけ[[フライングブーム]]方式での[[空中給油]]が可能になった。~
搭載量は兵員205名、担架103床、436Lパレット13枚に増加。~
~
-C-141B SOLL ��((Special Operations Low-Level ��.))（13機）：~
B型の[[特殊作戦]]仕様。夜間低空飛行を行うための改修がされている。~
B型の[[特殊作戦]]仕様。~
夜間低空飛行を行うための改修（航法装置や防御対策の強化）がされている。~
[[空軍特殊作戦軍団（AFSOC）>空軍特殊作戦軍団]]と共同で[[航空機動軍団（AMC）>アメリカ輸送軍]]によって運用された。~
~
-C-141C（63機）：~
近代化改修型。~
主に[[電子機器>アビオニクス]]のアップグレードが施され、全天候飛行操縦装置（AWFCS）、[[GPS>全地球測位装置]]強化航法装置（GPSENS）、デジタル式燃料量表示システム（FQIS）、空輸防御システム（ADS,携行式[[地対空ミサイル]]警報および対応装置）、Lバンド衛星通信（SACOM）システム、[[衝突防止装置（TCAS）>TCAS]]の装備が行われた。~
コックピットも[[グラスコックピット]]化されている。~
[[コックピット]]も[[グラスコックピット]]化されている。~
~
-L-300（1機）：~
A型の民間向け仕様。~
民間ユーザーからの受注がなかったため1機のみの生産で終わり、後に[[NASA]]に引き取られて「カイパー空中天文台」として運用された。~
後継機として[[B747SP]]を改装した「SOFIA((Stratospheric Observatory for Infrared Astronomy：遠赤外線天文学成層圏天文台。))」が開発されたため、現在はカリフォルニア州モフェットのエイムズ研究センターで[[保管>モスボール]]状態にある。~
~
--カイパー宇宙天文台（Kuiper Airborne Observatory）：~
L-300を改装した航空機搭載の天体望遠鏡システム・空中天文台。~
機の前部に開口部が設けられ、機の内部に口径91.5cmの反射望遠鏡を搭載している。~
主に[[赤外線]]分光による観測を目的とし、観測時は地上10,000m以上の[[成層圏]]を飛行していた。~
後継機として[[B747SP]]を改装した「SOFIA((Stratospheric Observatory for Infrared Astronomy：[[遠赤外線>赤外線]]天文学[[成層圏]]天文台。2022年12月退役。))」が開発されたため、現在はカリフォルニア州モフェットのエイムズ研究センターで[[保管>モスボール]]状態にある。~
~
