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【BMP-3】 †
ソ連およびロシア連邦で開発された歩兵戦闘車。
1990年にモスクワのパレードで存在が明らかになった。
BMP-1やBMP-2の後継にあたるが、設計は1970年代に開発された別の軽戦車(オブイェークト685)を原型としているため、外見は大きく異なっている。1986年頃に旧ソ連がそれまでのBMP-1やBMP-2の後継として採用したのがはじまり。
武装は2A70自動装填装置付き100mm低圧砲と2A72 30mm機関砲、9M117「バスチオン」(AT-10)対戦車ミサイルで、主砲は歩兵戦闘車の搭載する砲では非常に大きなものである。この砲は射程4000m程度の破片効果榴弾(FRAG HE)や、対戦車ミサイルをレーザー誘導で発射できる。
9M117対戦車ミサイルは100mm低圧砲に車内から装填しての砲口から発射されるため、BMP-1やBMP-2と異なり車外にミサイル発射機がなく、再装填の際に車外に出る必要がなくなっている。
BMP-3の自動装填装置は榴弾22発を扱うことが可能で、これは1分間に8〜10発程度を主砲に送り込む能力を持つ。さらに手動装填用として榴弾18発が用意されており、合計で40発の榴弾と、8発前後の対戦車ミサイルを持ち運ぶことができる。
主砲の横には30mm機関砲も取りつけられており、こちらは1500mから2000m程度の射程で一分間に300発ほど発射できる。弾薬も装甲貫通を目的としたAP弾と破片効果榴弾から選択できるようになっている。
乗員配置は乗員3名、歩兵7名となっている。
海外への売り込みも図られており、アラブ首長国連邦(BMP-3M)やクウェートの他、大韓民国でも採用されている。
中国ではBMP-3の火器管制システムやAT-12対戦車ミサイルの技術供与をうけ、「97式歩兵戦闘車」として生産している。
スペックデータ †
乗員:3名+兵員7名
全長:7.2m
全幅:3.23m
全高:2.45m
戦闘重量:18.7t
エンジン:UTD-29ディーゼルエンジン(出力500hp)
登坂力:50%
超堤高:0.7m
超壕幅:2.5m
最大速度:72km/h(路上)/10km/h(浮航)
航続距離:600km
装甲:30mm(最大)
兵装:2A70 100mm低圧砲1門(弾数40発)、2A72 30mm機関砲1門(弾数750発)、PKT 7.62mm機関銃3挺(弾数6,000発)、9M117バスチオン(AT-10スタッバー)対戦車ミサイル発射機1基(ミサイル6発)、9K34ストレラ-3(SA-14グレムリン)携行地対空ミサイル発射機1基(ミサイル2発)、3連装発煙弾発射器2基
派生型 †
- BMP-3M
エンジンをUTD-32T(660馬力)に換装した型。
オプションとして爆発反応装甲や「アレナ-E」対誘導ミサイル擲弾発射システムを搭載可能。
- BMP-3F
BMP-3Mの海軍向け車両。
車体前部のトリムベーンが大型化され、給排気パイプが延伸されている。
ロシア海軍用に設計されたが、上陸作戦用に最適として海外への売込みがなされている。
- BMP-3 コルネートE
1990年台に開発された自走対戦車ミサイル車両型。
砲塔位置に自動装填装置付きの2連装9M133「コルネートE」(AT-14)レーザー・ビームライディング誘導対戦車ミサイルランチャーを持つ。
- BMP-3 フリザンテーマ
自走対戦車ミサイル車両型。
砲塔位置に自動装填装置付きの2連装9M123「フリザンテーマ」(AT-15)半自動レーザー・ビームライディング誘導対戦車ミサイルランチャーを持つ。
- BRM-3K ルィーシ
偵察警戒装甲車。BMP-3の砲塔を30mm機関砲を搭載した砲塔に換装し、戦場サーベランス・レーダー、暗視システム、センサー類・通信機器を搭載した車両。
ロシア陸軍で若干数が運用されている。
- BZREM-L「ベグリャンカ」
装甲回収車型。
- 2S31「ヴェーナ*1」
本車をベースにした自走迫撃砲型。 砲塔を2A80 120mm迫撃砲を搭載したものに換装している。
最大射程は迫撃砲として使用した場合は7.2km、通常の榴弾(3VOF55、弾頭重量19.8kg)を使用した場合は13kmである。 また、長距離精密射撃用の「キトロフ2M」レーザー誘導砲弾が用意されており、この有効射程は13〜14kmといわれる。