【BM-30】(びぃーえむさんじゅう)

ソ連/ロシアが1970年代に開発した自走ロケット砲。愛称は「スメーチ*1」。
ロシア軍制式コードでは9K58とも呼ばれる。
1987年に部隊配備が開始された。

MAZ-543 8×8トラックの荷台にチューブ状の9K52-2 12連装300mmロケット弾発射機と射撃統制装置を搭載している。ランチャーは俯仰角0度〜55度、旋回角は左右30度である。
射程は70km〜90kmと、アメリカなど西側諸国が使用するMLRSより2倍以上長い。

弾種としては、破片榴弾型子弾72個を内蔵する9M55Kクラスター弾やM55F高性能榴弾、自己誘導式HEAT弾5発を内蔵する9M55K1対装甲弾などを装備している。

ロシア以外ではアルジェリアやクウェート、インドに輸出されている。
また、中国では本車を少数購入し、96式10連装300mm自走ロケット砲(PLH-96)?03式12連装300mm自走ロケット砲(PLH-03)?を開発している。

スペックデータ

発射機

乗員4名
全長12.4m
全高3.1m(移動時)
全幅3.1m
戦闘重量43.7t
エンジンD12A-525Aディーゼル(出力525hp)
最大速度60km/h(路上)
行動距離650km
携行弾数12発
兵装9K58 12連装300mmロケットランチャー×1基
連射速度12発/40秒(一斉射撃時)


ロケット弾

名称9M55K9M55K19M55K49M55K59M55F9M55S9M528
弾頭対人
クラスター
装甲
クラスター*2
クラスター
(対戦車
地雷散布)
HEAT
(対人/
対硬化目標用)
破砕性
榴弾
サーモバリック
爆薬
破砕性
榴弾
全長7.6m
本体
重量
800kg815kg
弾頭
重量
243kg258kg243kg
子弾
重量
1.75kg15kg
地雷
重量
5kg0.25kg
子弾数72発5発
地雷
内臓数
25個
破片数646発
自爆
時間
110秒24時間260秒24時間
装甲
貫徹力
70mm
(30度)
120mm
(ARH換算)
射程
(最小
/最大)
20,000m/70,000m25,000m/90,000m
誘導
方式
IR
(終末段階)

派生型

  • 9A52-4:
    2007年に登場した軽量型。
    KamAZ-635 8×8トラックに6連装ランチャーを搭載している。

  • 9A52-2T:
    タトラT816 10×10トラックをベースにした輸出型。

  • 96式10連装300mm自走ロケット砲(PLH-96)?
    中国でのコピーモデル。詳しくは項を参照。
    • A100型:96式の輸出型。

  • 03式12連装300mm自走ロケット砲(PLH-03)?
    NORINCOが本車をベースに開発した自走ロケット砲。詳しくは項を参照。
    • AR-2:03式の輸出型。


*1 Смерч:ロシア語で竜巻の意。
*2 Bazalt MOTIV-3F自己誘導式子弾を装備。

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