【BAC 1-11】(びーえーしー わんいれぶん)

BAC One-Eleven.

1960年代〜1980年代、英国のブリティッシュ・エアクラフト社が開発・生産した短距離用双発ジェット旅客機
ダグラスDC-3やコンベア240などといった小型レシプロ機の代替として開発された。

もともとは、1956年にハンチング社が計画した「H107」と、ヴィッカース社が計画していた「VC-11」が母体となっている。
両社が再編でBAC社に吸収されたため、ハンチング社のH107をもとにして開発がすすめられ、1963年に原型機が初飛行した。
前述のとおり、当初はレシプロ機の代替として開発が進められたが、実際にはヴィッカース・バイカウントやロッキードL-188などのターボプロップ機の後継となった。

なお、開発当時のライバル機にはボーイングB737やダグラスDC-9などがあったが、それらよりも先行して開発が進んだ上、機体がより小型であった。

1965年から顧客への引き渡しが開始。
当初は英国の航空会社からの発注を受けて生産されていたが、ヨーロッパ諸国やアメリカ、ブラジルなど世界各国の航空会社でも短中距離用機材として用いられ、英国製のジェット旅客機としては商業的に最も成功した機体となった。

その後、さらなる再編でBAC社がブリティッシュ・エアロスペース社に吸収され、同社がBAe146を生産することになったため1982年に生産が終了したが、当時東側陣営の一国であったルーマニアに生産設備が移管され「ROMBAC 1-11」として1989年まで生産が続けられた。

現在ではBAe146アブロRJフォッカー100などに代替され、ほとんどが定期航路から引退しているが、少数の機体がプライベートジェットとして運用されている。


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