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*&ruby(びーななよんなな){【B747】}; [#t699946d]
Boeing 747.~
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1960年代後半に[[ボーイング]]社が開発した大型[[旅客機]]。[[通称>愛称]]「[[ジャンボジェット]]」。~
民間機に特別塗装を施すという流行の発信源であるため、代名詞も多数存在する((全日本空輸の「マリンジャンボ」など。))。~
1960年代後半に[[ボーイング]]社が開発した超大型[[四発>多発機]][[ジェット>ジェットエンジン]][[旅客機]]。[[通称>愛称]]「[[ジャンボジェット]]」ともいう。~
民間機に特別塗装を施すという流行の発信源であるため、代名詞も多数存在する。~
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[[キャビン]]の一部を二階建てにした[[広胴機]]で、乗客定員は標準型で350〜450名前後であるが、改修次第でさらに増員可能だった。~
[[航続距離]]も長大で、太平洋を無着陸横断できる史上初の[[旅客機]]((無着陸で太平洋を横断する航路を設定できる[[旅客機]]は本機が史上初であった。&br; これ以前にも[[B707]]ベースの改修機が[[カタログスペック]]上これを達成しているが、気象条件や[[ペイロード]]上の制限から定期航路を設定できなかった。))として名声を博した。~
[[航続距離]]も長大で、史上初めて、定期航路において太平洋を無着陸横断できる[[旅客機]]であった。~
>これ以前にも[[B707]]ベースの改修機が[[カタログスペック]]上でこれを達成しているが、気象条件や[[ペイロード]]上の制限が多く、定期航路を設定できなかった。
巨大で高価な機体であったため、内装においても大型・高価な電子機器を搭載する余裕を多く取っていた。~
特に顕著なのは[[慣性航法装置]]の導入による[[3マンクルー]]の実現であり、その成功によってB747以降の[[旅客機]]は[[航法員]]を搭乗させなくなっていった。~
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関連：[[ジャンボジェット]] [[テクノジャンボ]]
[[B747-400]]→[[B747-8]]と近代化を施されつつ、50年以上の長期にわたって生産・販売が続けられてきたが、2022年12月をもって生産を終了した。~
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関連：[[ジャンボジェット]] [[B747SR]] [[B747SP]]
**開発の経緯 [#qf38aed2]
当初、本機は[[アメリカ空軍]]の次期[[大型戦略輸送機>輸送機]]として開発された。~
しかし、コンペティションで[[ロッキード]]社に敗れてしまい((ロッキード社の案が「[[C-5]]」として採用された。))、民間機として再計画されることになった。~
当初、本機は[[アメリカ空軍]]の次期[[大型戦略輸送機>輸送機]]「C-19」として開発された。~
しかし、コンペティションで[[ロッキード]]社の案（後の「[[C-5]]」）に敗北し、民間機として再計画されることになった。~
>このため、[[輸送機]]としての設計の名残が随所に見受けられる。~
例えば、[[キャビン]]の一部が二階建てになっており、一階部分は[[戦車]]などを搭載し、二階部分が[[荷主や技術者>デッドヘッド]]のための搭乗席だった。~
当時の[[ボーイング]]社は民間旅客機の分野において[[ダグラス]]社の後塵を拝していた。~
この事態を打開する販売戦略として、アメリカ合衆国の[[フラッグキャリア]]であった[[パンアメリカン航空]]（パンナム）と提携。~
パンナム側の要請から「太平洋の無着陸横断」「高速大量輸送」をコンセプトとして再設計された。~
この要求は当時の技術水準では無理難題であり、開発は紆余曲折を経て難航。~
社運を賭けた一大プロジェクトとなり、一時期は[[ボーイング]]社を倒産の危機に陥れた。~
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当時の[[ボーイング]]社は民間旅客機分野で遅れを取っていたため、アメリカ合衆国の[[フラッグキャリア]]であったパン・アメリカン航空（パンナム）と提携。~
パンナム側の要請から「太平洋の無着陸横断」「高速大量輸送」をコンセプトとして再設計された。~
>この要求は当時の技術水準では無理難題であり、開発は紆余曲折を経て難航。~
社運を賭けた一大プロジェクトとなり、一時期は[[ボーイング]]社を倒産の危機に陥れた。
こうした経緯を経て誕生した同機は、[[ボーイング]]が誇る傑作機となり、同社に躍進をもたらした。~
一方、運航デビューと同時期に[[第四次中東戦争>中東戦争]]が勃発し、[[燃料]]価格が高騰。~
また、多大な[[ペイロード]]が災いし、増加した座席を埋めきれなくなった(([[航空券]]は通常、発券から実際に搭乗するまでの間にキャンセルがある程度出ることを見越し、提供可能な座席数より多く発券されるのが普通である。))。~
ローンチカスタマーのパンナムは、空席による赤字運航を避けるため、格安の団体旅行運賃を設定して観光客にばら撒いた。~
この価格破壊により、それまで富裕層だけのものだった航空旅行は一気に庶民に身近なものになった。~
一方、運航デビューと同時期に[[第四次中東戦争>中東戦争]]が勃発し、その影響で[[燃料]]価格と運航コストが高騰。~
また、当時の旅客需要に対して[[ペイロード]]が多すぎたため、空席による多大な機会損失が見込まれた。~
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しかし、パンナムは旧来のビジネスモデルを破壊された衝撃から立ち直れず、徐々に経営状態が悪化し、最終的に1991年12月、倒産してしまった。~
[[ローンチカスタマー]]のパンナムは赤字運航を避けるため、格安の団体旅行運賃を観光客にばら撒いて空席を埋めた。~
この価格破壊により、それまで富裕層だけのものだった航空旅行は一気に庶民に身近なものになった。
>一方、パンナムは旧来のビジネスモデルを破壊された衝撃から立ち直れず、業績が悪化。~
同時期に相次いだ事故の補償や、高騰した人件費なども重なり、1991年12月に倒産した。~
以降、現在に至るまでアメリカ合衆国に[[フラッグキャリア]]は不在である。~
**スペックデータ [#sdbf91c2]
|乗員|3名（[[機長]]・副操縦士・[[航空機関士]]）|
|基本乗客数|3クラス366名/2クラス452名（B747-100（初期型））|
|全長|70.6m（B747-100（初期型））|
|全高|19.3m（B747-100（初期型））|
|全幅|59.6m（B747-100（初期型））|
|胴体幅|縦：7.85m&br;横：6.49m|
|内部キャビン幅|6.1m|
|主翼面積|511�屐�B747-100（初期型））|
|空虚重量|162.4t（B747-100（初期型））|
|最大離陸重量|333.4t（B747-100（初期型））|
|[[エンジン]]|[[ターボファン]]×4基&br;[[P&W>プラット＆ホイットニー]] [[JT9D-7A>JT9D]]または[[ロールス・ロイス]] [[RB211-524B2>RB211]]（B747-100（初期型））&br;P&W JT9D-7R4G2またはロールス・ロイス RB211-524D4または[[GE>ジェネラルエレクトリック]] [[CF6-50E2>CF6]]（B747-200/300）&br;P&W [[PW4062>PW4000]]またはロールス・ロイス RB211-524HまたはGE [[CF6-80C2B5F>CF6]]（B747-400）|
|[[推力]]|209kN（B747-100（初期型））|
|巡航速度|[[M>マッハ]]0.85（B747-100（初期型））|
|貨物容量|170.6�屐�5パレット+14LD1コンテナ）（B747-100（初期型））|
|[[航続距離]]|9,800km（B747-100（初期型））|
**スペックデータ[#sdbf91c2]
|タイプ|CENTER:747SP|CENTER:747-100|CENTER:747-200B|CENTER:747-300|
|乗員|>|>|>|CENTER:3名&br;（[[機長]]・[[副操縦士>副機長]]・[[航空機関士]]）|
|基本乗客数|CENTER:276名&br;（25F 57J 194Y）|>|CENTER:366名&br;（32F 74J 260Y）|CENTER:400名&br;（34F 76J 290Y）|
|貨物容量|CENTER:110立方メートル&br;（3,900cubic feet）|>|>|CENTER:175立方メートル（6,190cubic feet）&br;LD1コンテナ×30個|
|全長|CENTER:56.3m|>|>|CENTER:70.66m|
|テール高さ|CENTER:19.9m|>|>|CENTER:19.3m|
|翼幅|>|>|>|CENTER:59.6m|
|[[キャビン]]幅|>|>|>|CENTER:608cm|
|主翼面積|>|>|>|CENTER:511��|
|主翼角度|>|>|>|CENTER:37.5°|
|アスペクト比|>|>|>|CENTER:7|
|空虚重量|CENTER:152.9t|CENTER:172.1t|CENTER:170.1t|CENTER:174t|
|最大離陸重量|CENTER:320t|CENTER:333t|>|CENTER:378t|
|[[燃料]]容量|CENTER:190.63立方メートル&br;（50,359 US gal）|CENTER:183.38立方メートル&br;（48,445 US gal）|>|CENTER:204.36立方メートル&br;（53,985 US gal）|
|[[エンジン]]|>|>|>|CENTER:[[ターボファン]]×4基&br;（[[P&W>プラット＆ホイットニー]] [[JT9D-7>JT9D]]または[[ロールス・ロイス]] [[RB211-524>RB211]]または[[GE>ジェネラルエレクトリック]] [[CF6]]）|
|[[推力]]|CENTER:206〜253kN|CENTER:193〜230kN|CENTER:206〜243.5kN|CENTER:206〜253kN|
|最高速度|>|>|>|CENTER:[[マッハ]]0.92|
|[[巡航速度]]|CENTER:-|>|>|CENTER:939km/h（最大巡航）&br;907km/h（経済巡航）|
|[[航続距離]]|CENTER:10,800km|CENTER:8,560km|CENTER:12,150km|CENTER:11,720km|
|[[離陸]]滑走距離|CENTER:2,820m|CENTER:3,250m|>|CENTER:3,300m|
**派生型のラインナップ [#mf19e9c3]
>近代化型の[[B747-400]]・[[B747-8]]系列についてはここでは述べない。
-B747-100：~
基本型。
基本型。~
~
--B747-100B：~
短距離型。
短距離型。~
~
--B747-100B/SUD：~
B747-300型のボディに-100型のエンジンを搭載したモデル。~
[[日本航空]]が発注した2機のみ生産。~
~
--[[B747SR]]：~
日本国内線専用機。-100型をベースとする。
--SCA((Shuttle Carrier Aircraft.))：~
[[NASA]]が中古の-100型（N9668→N905NA、もとアメリカン航空所属機）及びSR（JA8117→N911NA、もと[[日本航空]]所属機((日本国内線用747SRの1号機でもあった。))）を買い取って[[スペースシャトル]]の輸送機に改装したもの。~
日本の国内線向けに、短距離・高[[稼働率]]運航に特化されたモデル。-100型及び-300型をベースとする。~
~
--SCA：Shuttle Carrier Aircraft：~
[[NASA]]が[[スペースシャトル]]運搬用に購入・改装した2機の中古機。~
スペースシャトル計画の終了に伴って用途を失い、2012年2月8日に退役。~
今後、N905NAはスペースシャトルの実物大模型「エクスプローラー」を接続して「スペースセンターヒューストン」で展示される予定であり、N911NAは、NASAが運用する天体観測機「SOFIA（遠赤外線天文学成層圏天文台・後述）」への部品取り用の機体として使用される。~
~
---1号機（[[機体記号]]N905NA）：~
中古の-100型（[[機体記号]]N9668）を[[アメリカン航空]]から買い取って改装。~
退役後はヒューストン宇宙センターにてアトラクション用の実物大展示品として転用。~
~
---2号機（[[機体記号]]N911NA）：~
中古の[[B747SR]]（[[機体記号]]JA8117→N747BL）を[[日本航空]]から買い取って改装。~
機体所有権は現在もNASAにあるが、退役してカリフォルニア州のJoe Davies Heritage Airpark にて展示保存されている。~
~
--C-19：~
[[アメリカ空軍]]に[[戦略輸送機>輸送機]]として提案された型。~
[[C-5]]に敗れて採用されず。~
~
-B747-200：~
機体構造強化型で、いわゆる「747クラシック」の標準型。
機体構造強化型で、いわゆる「747クラシック」の標準型。~
~
--B747-200B：~
長距離型。
長距離型。~
~
--[[B747-200F>B747F]]：~
[[貨物機]]型。-200型ベース。
[[貨物機]]型。-200型ベース。~
~
--B747-200C：~
コンバーチブル（貨客兼用）型
コンバーチブル（貨客兼用）型。~
~
--[[E-4]]：~
アメリカ政府のNEACP（国家緊急空中指揮所）として製造された機体。-200B型をベースとする。
--[[VC-25>エアフォースワン]]((社内呼称は「B747-2G4B」。なお「G4」はアメリカ連邦政府をあらわす顧客コード。))：~
アメリカ大統領専用機「エアフォースワン」。-200B型をベースとする。
アメリカ政府のNEACP（国家緊急空中指揮所）として製造された機体。-200B型をベースとする。~
~
--[[VC-25A>VC-25]]：~
[[アメリカ大統領専用機>政府専用機]]「[[エアフォースワン]]」。-200B型をベースとする。~
ボーイング社での内部呼称は「B747-2G4B」。「G4」はアメリカ連邦政府をあらわす顧客コード。~
~
-B747-300：~
従来型の2階席を延長したタイプ。
従来型の2階席を延長したタイプ。~
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--B747-300SR：~
2階席部分の客室が延ばされたタイプ。日本航空のみに導入。
2階席部分の客室が延ばされたタイプ。日本航空のみに導入。~
分類上、[[B747SR]]との区別が曖昧になっている。~
~
-[[B747SP]]：~
胴体を大幅に短縮し、航続距離を延長したタイプ。少数のみ生産。~
--SOFIA((The Stratospheric Observatory for Infrared Astronomy（遠赤外線天文学成層圏天文台）の略。))：~
~
--[[遠赤外線>赤外線]]天文学[[成層圏]]天文台（SOFIA：The Stratospheric Observatory for Infrared Astronomy)：~
[[NASA]]が運用する天体観測機。[[-SP>B747SP]]型をベースに開発された。~
~
-[[B747-8]]：~
[[B747-400]]の胴体を延長して座席数を増やすと共に、[[B787]]のテクノロジーを多く流用した最新の派生型。~
2010年2月に初号機が初飛行した。~
インターコンチネンタル（旅客機型）とフレイター（貨物機型）の 2機種があるが、実機の生産は貨物機型が先になった((これはボーイング社の歴代[[フリート]]の中で初めてのケースだった。))。~
2022年12月退役。~
※[[B747-400]]系列については当該項目を参照のこと。
