【B727】(びーななにいなな)

Boeing 727.
ボーイング社が1950年代〜60年代に開発した、短距離向けの三発ジェット旅客機
1963年2月9日に初飛行した。

水平尾翼垂直尾翼の先端に配置されたT尾翼をもち、エンジンを尾部に集中配置した三発機という、独特かつ当時としては斬新的なフォルムを持つ機体で、1984年の生産終了*1まで1,800機以上が生産された。
日本でも当時の航空会社全てが採用し*2、現在でも貨物機に改造された機体が多数運用されるなど、汎用性が高い機体である。

しかしその裏ではよど号事件を始め、数々のハイジャック事件の舞台になった機体でもある。
その理由としては、機体後部にある乗降用タラップが悪用され、空中での逃亡を可能としてしまう点があった*3

その後、B737NGMD-80/90A320などといった新世代機の登場や騒音規制の強化などで1990年代後半にはデルタ航空などで引退が始まり、2000年代には先進諸国の定期航空路線からほぼ姿を消したが、中南米やアフリカでは少数がチャーター機などで運用されている。
また、エンジンを換装して騒音規制に対応させた上で、貨物機自家用機として運用されている機体もある。

B727.JPG


スペックデータ

形式727-100727-200
乗員3名(機長副操縦士航空機関士
最大座席数149名189名
全長40.6m46.7m
全幅32.9m
全高10.3m
最大離陸重量76,818kg95,227kg
エンジンP&W JT8D?ターボファン×3基
速度
(最大/巡航)
M0.86/M0.81
最大燃料搭載量8,186USG(31,000リットル)9,806USG(37,020リットル)


主な派生型

  • 民間型
    • B727-100:
      100人級の中距離型。
      • B727-100C:
        機体構造の強化および貨物ドアを追加した貨客両用型。
      • B727-100QC:
        客席パレットの設置により、貨物型と旅客型の転換を行える型。
      • B727-100QF:
        既存機のエンジンを換装した型。
        エンジンをR&R「テイ」に換装し、騒音を軽減させている。

    • B727-200:
      200人級の短距離型。
      • B727-200F:
        貨物型。
      • B727-200アドバンス:
        内装の改良および燃料タンクを増設した型。

*1 B757及びB767への生産ライン集中のため。
*2 これは、当時の運輸省が「国内線用ジェット旅客機は全社同一機種を採用すること」という通達を出していたためでもある。
  なお、前作のB707は日本では採用されなかった。

*3 実際にパラシュート降下で犯人が脱出に成功した例もある。
*4 もとルフトハンザドイツ航空の中古機。
*5 もとナショナル航空の中古機。
*6 もとシンガポール航空の中古機。

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