*&ruby(びーななまるなな){【B707】}; [#c16abb8a]
1950年代、[[ボーイング]]社が初めて開発したジェット[[旅客機]]。~
後退翼に四発の[[ジェットエンジン]]を装備し、当時の[[旅客機]]としては非常に大型の機体に仕上がった。~
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本機の原型に当たる試作機、モデル367-80（通称：ダッシュ80）は1954年に初飛行したが、[[空中給油機]]型の[[KC-135]]（社内呼称は[[モデル717>B717]]）に[[アメリカ空軍]]が興味を持ち、こちらの契約が先行してしまったため、[[旅客機]]型の登場は若干遅れた。~
（http://www.boeing.com/history/boeing/dash80.htmlを参照）~
1958年には[[旅客機]]型が大西洋路線に就航したが、「ジェット機による世界初の大西洋横断」の称号は英国製の「コメット」4型に取られてしまった。~
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派生型が多数あり、1991年に生産終了((民間向けモデルは1982年に生産を打ち切っており、その後は[[軍用機]]モデルのみを生産していた。))となるまで、各タイプ合わせて1,010機もの生産数を誇り、世界各国でいまだに現役機が数多い。((現在[[旅客機]]として使われている機体は少なく、民間向けモデルの多くは[[貨物機]]や個人所有の自家用機に改造されているという。))~
（この他、準同型機である[[KC-135]]（[[B717]]）系列の820機を含めると、総生産数は1,830機となる）~
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関連：[[KC-135]] [[RC-135]]
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**スペックデータ [#e27b1427]
|乗客数（2クラス）|110名（707-120B）&br;147名（707-320B）|
|乗客数（1クラス）|179名（707-120B）&br;202名（707-320B）|
|全長|44.07m（707-120B）&br;46.61m（707-320B）|
|最大離陸重量|116,570kg（707-120B）&br;151,320kg（707-320B）|
|[[エンジン]]|[[P&W>プラット＆ホイットニー]] [[JT3D-1>TF33]][[ターボファン]]（707-120B）&br;JT3D-3またはJT3D-7[[ターボファン]]（707-320B）|
|[[推力]]|75.6kN（JT3D-1）&br;80kN（JT3D-3）&br;84.4kN（JT3D-7）|
|[[航続距離]]|6,820km（707-120B）&br; 6,920km（707-320B）|
**主な派生型 [#g79e671c]
※[[B717]]（[[KC-135]]及び[[RC-135]]）シリーズについては別項目で解説。~
-民間型
--モデル367-80~
初期試作機。~
1機のみ製作され、シアトルのボーイング本社工場で飛行可能な状態で維持されていたが、現在はスミソニアン航空宇宙博物館別館に永久保存されている。~
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--B707-120：~
プラット・アンド・ホイットニー社製「[[JT3C>J57]]」[[ターボジェット]]を搭載した初期型。~
パン・アメリカン航空に納入された。~
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---B707-138：~
707-120の胴体を短縮して航続距離を伸ばした型。~
オーストラリアのカンタス航空が使用。後にエンジンはJT3Dに換装された。~
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--B707-220：~
[[エンジン]]を改良型の「JT4A」に換装した型。~
燃費の悪さから5機のみの生産にとどまる。ブラニフ航空で使用された。~
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--B707-320 "Intercontinental"：~
707-220をベースに胴体と翼を延長し、航続距離を伸ばした発展型。~
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--B707-320B：~
707-320のエンジンを、プラット・アンド・ホイットニー社製の「JT3D-3B」[[ターボファン]]エンジンに換装したもの。~
ターボファン化によって更に航続距離が伸び、「東京〜モスクワ間ノンストップ飛行」や「太平洋無着陸横断((ただしこれは、飛行コースの気象状況や[[ペイロード]]などの条件が揃って可能になるものであり、恒常的に無着陸横断が可能になるのは[[B747]]の登場を待たねばならなかった。))」などといった長距離飛行を可能にした。~
より強力な「JT3D-7」ターボファンを搭載するタイプもある。~
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---B707-320C：~
B707-320Bの貨客混載・純貨物型。~
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--B707-420：~
707-320の機体に、英国製のロールスロイス・コンウェイ「Mk.508」[[ターボファン]]を搭載した型。~
主に英国海外航空((後のブリティッシュ・エアウェイズ。))やブリティッシュ・カレドニアン航空など、英国及び英連邦諸国の航空会社が使用した。~
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--B720：~
707-120を母体に、胴体を短縮した短中距離バージョン。~
大韓航空などに導入されたが、[[B727]]やダグラスDC-9などの登場により少数の生産に終わる。~
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---B720B：~
エンジンを「JT3D」に換装した型。~
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--運輸10（Y-10）「上海」：~
中国の上海航空機製造が、1970年代末期、中国民用航空総局（中国民航）の運用していた707を[[リバースエンジニアリング]]して、[[デッドコピー]]した機体。~
当時の技術力不足により2機のみの製造に終わる。~
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-[[軍用機]]型~
下記の通り、主に[[アメリカ軍]]が使用しているが、これ以外にもイスラエルやブラジル、オーストラリア、イランなど、各国の空軍や政府に納入された。~
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--C-137：~
[[アメリカ空軍]]に納入された[[輸送機]]。~
主に人員・軽貨物の輸送に使われた。~
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--VC-137「ストラトライナー」：~
アメリカ大統領専用機（[[エアフォースワン]]）。~
[[VC-25>B747]]および[[C-32>B757]]の就役に伴い退役。~
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--[[E-3「セントリー」>E-3]]：~
[[早期警戒機]]（[[AWACS]]）。詳細は上記項目を参照。~
当初の形式呼称は「EC-137D」であった。~
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--[[ファルコン707]]：~
イスラエルが独自に製作したAWACS。~
上記のE-3とは異なり、索敵レーダーを機首部に搭載している（E-3は機体上部に搭載）。~
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--E-6「マーキュリー」：~
[[C-130G/Q>C-130]]の後継として、707-320をベースに、[[潜水艦]]との超長波通信を中継するために改造したTACAMO((Take Charge And Move Out.))機。~
[[アメリカ海軍]]航空隊に採用された((現在は[[アメリカ海兵隊]]及び空軍との統合運用部隊で使用している。))。~
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--[[E-8「J-STARS」>E-8]]：~
707-320をベースに改造した地上警戒監視機。詳細は上記項目を参照。~
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