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*&ruby(びーごじゅうに){【B-52】}; [#e53b9cb8]
Boeing B-52 "&ruby(ストラトフォートレス){Stratofortress};"~
Boeing B-52 "&ruby(ストラトフォートレス){Stratofortress};".~
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1950年代に[[ボーイング]]社が開発し、[[アメリカ空軍]]で運用された8発ジェット[[戦略爆撃機]]。~
初飛行は1952年の原型機であるXB-52。~
1950年代に[[ボーイング]]社が開発し、[[アメリカ空軍]]で運用されている[[8発>多発機]][[ジェット>ジェットエンジン]][[戦略爆撃機]]。~
原型機YB-52は1952年に[[初飛行]]。~
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本機は当初、[[メガトン]]級[[水爆>水素爆弾]]を搭載する戦略爆撃機として開発され、F型までは水爆4発を搭載していた。~
G型以降は[[核兵器]]以外にも[[爆弾倉>ウェポンベイ]]、機外に計約30トンの爆弾、[[巡航ミサイル]]（初期は[[AGM-28「ハウンド・ドッグ」>AGM-28]]を搭載、後に[[AGM-69 SRAM>AGM-69]]や[[AGM-86 ALCM>AGM-86]]。いずれも核弾頭装備）などを搭載可能で、[[ベトナム戦争]]においては編隊飛行による[[戦略爆撃]]でその能力を発揮している。~
このことから、当時のベトナム人は「死の鳥」と呼んで恐れた。~
[[メガトン]]級[[水爆>水素爆弾]]を搭載する[[戦略爆撃機]]として開発され、F型までは水爆4発を搭載していた。~
G型以降は[[核兵器]]以外にも通常の[[戦略爆撃]]に転用され、[[ベトナム戦争]]で猛威を振るった。~
元々は[[SAM>地対空ミサイル]]射程外からの高々度爆撃を前提としていたが、新型[[SAM>地対空ミサイル]]の射程伸張に伴い、G型からは[[地形追随飛行]]が可能となっている。~
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本機は[[SAM]]の射程外である高々度からの爆撃を主眼において開発されたが、後に[[SAM]]が技術進歩により高々度目標を攻撃可能になったため、G型からは[[地形追随飛行]]が可能となっている。~
しかしその後[[B-1]]、[[B-2]]が配備されると彼らにその役目を譲り、本機はもっぱら[[巡航ミサイル]]母機、安全な地域での爆撃機としての役割を果たしている。~
だが、アフガニスタンやイラクでは[[JDAM]]を搭載しての[[近接航空支援]]を行うという事例もある。~
[[空対空ミサイル]]・[[地対空ミサイル]]が発達すると第一線から退き、もっぱら[[巡航ミサイル]]母機・安全な地域での[[爆撃機]]としての役割を果たしている。~
アフガニスタンやイラクで[[JDAM]]を搭載して[[近接航空支援]]を行った事例もある。~
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初期型のB-52Aを筆頭に、B〜Hまでの派生型があったが、このうちG型までは既に退役しており、現在就役しているのは、最終量産型のH型のみである。~
初飛行から半世紀以上が経過しているが、後継機として開発された[[B-1]]、[[B-2]]がいずれも[[金の壁]]に阻まれて量産できなかったため((ユニットコストが本機と比べてB-1Bで約7倍、B-2では約70倍も高くなったため、それぞれ100機/21機しか生産されなかった。))、延命・近代化改修により、2040年頃までは現役にとどまる予定となっている((代替となる爆撃機を新規開発するより、実績も信頼もある本機を使い続けた方が安上がりなため。))。~
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#ref(http://www.masdf.com/altimeter/riat/2ndday/IMG_9760.jpg,600x400);~
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**スペックデータ [#za842731]
|乗員|6名（[[機長]]、[[副操縦士>副機長]]、[[レーダー]]ナビゲーター、航法士、[[電子戦]]士官（EWO））|
|全長|49.05m|
|全高|12.40m|
|全幅|56.39m|
|[[主翼]]面積|371.6��|
|空虚重量|83,915kg|
|最大離陸重量|229,088kg|
初期型のB-52Aを筆頭に、B〜Hまでの派生型があったが、残存機体は最終量産型のH型のみ。~
原型機の開発から70年以上、量産最終号機がロールアウトしてからでも60年近くが経過しているが、その間に開発された後継機種はことごとく行き詰まり、旧式のB-52が運用され続けてきた。~
近代化改修・[[予備役]]に退いた機体の復帰などの延命措置が行われ、2040年頃までは現役にとどまる予定となっている。
>[[ステルス]]等を考慮された新型機は[[投射弾量]]に比して高価であり、整備や機密保持など運用上の制約も大きい。~
さらに、[[マルチロールファイター]]の登場以来、[[爆撃]]に際して[[戦略爆撃機]]が必要とされる場面自体が少なくなった。~
一方、旧型機B-52は相対的に安価であるため、「[[航空優勢]]確保済みの比較的安全な戦況で[[爆撃]]を行う」という状況では[[コスト・パフォーマンス]]に優れている。
**スペックデータ（B-52H）[#za842731]
|乗員|5名（[[機長]]、[[副操縦士>副機長]]、[[レーダーナビゲーター>航法員]]、[[航法士>航法員]]、[[電子戦]][[士官]]（EWO））|
|全長|48.5m|
|全高|12.4m|
|翼幅|56.4m|
|[[主翼]]面積|370��|
|空虚重量|83,250kg|
|運用時重量|120,000kg|
|最大離陸重量|220,000kg|
|最大兵装搭載量|27,216kg|
|機体内燃料搭載量|174,130リットル|
|[[エンジン]]|[[P&W>プラット＆ホイットニー]] [[TF33-P-3>JT3D]][[ターボジェット]]×8基（[[推力]]75.6kN）|
|速度&br;（最大/巡航）|517kt/442kt|
|[[実用上昇限度>上昇限度]]|16,675m|
|[[航続距離]]|10,860nm（無給油）|
|[[戦闘行動半径]]|4,170nm（無給油）|
|[[海面上昇率>上昇率]]|915m/min|
|固定武装|[[M61A1 20mmバルカン砲>M61A1]]×1門（尾部、現在は撤去）|
|機体内燃料搭載量|181,610リットル|
|零揚抗力係数|0.0119（推定）|
|抗力面積|4.42��|
|アスペクト比|8.56|
|[[エンジン]]|[[P&W>プラット＆ホイットニー]] [[TF33-P-3/103>JT3D]][[ターボファン]]×8基（[[推力]]75.6kN）|
|最大速度|1,047km/h|
|[[巡航速度]]|844km/h|
|[[戦闘行動半径]]|7,210km|
|フェリー[[航続距離]]|16,232km|
|[[実用上昇限度>上昇限度]]|15,000m|
|[[海面上昇率>上昇率]]|31.85m/s|
|[[翼面荷重]]|586kg/��|
|[[推力重量比]]|0.31|
|揚抗比|21.5（推定）|
|固定武装|[[M61A1 20mmバルカン砲>M61]]×1門（尾部、現在は撤去）|
|>|CENTER:兵装|
|[[空対地ミサイル]]|[[AGM-69「SRAM」>AGM-69]]×20発&br;[[AGM-142「ハブナップ」>AGM-142]]&br;[[AGM-154「JSOW」>AGM-154]]|
|[[空対艦ミサイル]]|[[AGM-84「ハープーン」>ハープーン]]|
|[[巡航ミサイル]]|AGM-28「ハウンドドッグ」&br;[[AGM-86「ALCM/CALCM」>AGM-86]]×20発&br;[[AGM-129「ACM」>AGM-129]]|
|爆弾類|[[Mk.82通常爆弾>Mk.80シリーズ]]（胴体内28発、翼下18発）&br;[[GBU-31「JDAM」>JDAM]]&br;CBU-103/-104/-105「WCMD((Wind Corrected Munitions Dispenser：風向修正弾薬ディスペンサー。))」&br;B61[[戦術核爆弾>戦術核兵器]] など|
|[[空対艦ミサイル]]|[[AGM-84「ハープーン」>AGM-84]]|
|[[巡航ミサイル]]|[[AGM-28「ハウンドドッグ」>AGM-28]]&br;[[AGM-86「ALCM/CALCM」>AGM-86]]×20発&br;[[AGM-129「ACM」>AGM-129]]|
|爆弾類|[[Mk.82通常爆弾>Mk.80シリーズ]]（胴体内28発、翼下18発）&br;[[GBU-31「JDAM」>JDAM]]&br;CBU-103/-104/-105「WCMD」&br;(Wind Corrected Munitions Dispenser：風向修正弾薬ディスペンサー)&br;B61[[戦術核爆弾>戦術核兵器]] など|
|その他|ADR-8[[チャフ]]ロケット（1965〜1970）&br;[[AN/AAQ-28(V)「ライトニング」>ライトニング]]照準[[ポッド]]&br;[[AN/AAQ-33「スナイパー」>AN/AAQ-33]]照準ポッド&br;ADM-20「クエール」[[空中発射デコイ]]（1960年代〜1970年代？）|
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**派生型 [#mab86028]
-XB-52（1機）：~
1952年10月2日に初飛行した最初の原型機の呼称。~
地上試験中に損傷し、修理のためYB-52に遅れることとなった。~
-量産型
--B-52B（50機）：~
エンジンと[[アビオニクス]]がアップグレードされた実戦配備型。~
うち27機は[[偵察]]ポッドの追加によりRB-52Bとして完成し、後に7機のB-52Bはサンフラワー（Sunflower）計画の下、B-52C仕様に改造された。~
~
-YB-52（1機）：~
1952年4月15日に初飛行した2番目の原型機。~
操縦席はバブルキャノピーで、タンデム配置である。~
---RB-52B：~
センサーまたはカメラポッドを搭載した[[偵察]]型。~
当初はXR-16Aの名称が予定されていた。~
~
-B-52A（3機）：~
最初の量産型とされるが、爆撃航法装備等を持たない実質的な追加試作機。~
各種フライトテストに使用された。~
--B-52C（35機）：~
性能向上・搭載電子機器改良型。1956年3月に初飛行。~
元々はRB-52Cとして発注された機体であるが[[爆撃機]]型として完成した。~
翼下[[増槽]]により最大離陸重量と[[航続距離]]が増大した。~
~
-B-52B（50機）：~
エンジンと[[アビオニクス]]がアップグレードされた実戦配備型。~
うち27機は偵察ポッドの追加によりRB-52Bとして完成し、後に7機のB-52Bはサンフラワー（Sunflower）計画の下、B-52C仕様に改造された。~
---RB-52C：~
[[偵察機]]型。~
~
-B-52C（35機）：~
性能向上・搭載電子機器改良型。1956年3月に初飛行。~
翼下増槽により最大離陸重量と航続距離が増大した。~
~
-B-52D（170機）：~
長距離爆撃特化型。1956年5月に初飛行。~
一部は通常爆弾が大量に搭載できるように改造され、ベトナム戦争に投入された。~
--B-52D（170機）：~
偵察機能を削除した長距離爆撃特化型。1956年5月に初飛行。~
一部は通常爆弾が大量に搭載できるように改造され、[[ベトナム戦争]]に投入された。~
退役後は、キャッスル航空博物館をはじめ、多くの機体が展示保存されている。~
~
-B-52E（100機）：~
低空侵攻用にアビオニクスと爆撃管制システムを改良した型。~
--B-52E（100機）：~
低空侵攻用に[[アビオニクス]]と爆撃管制システムを改良した型。~
1957年10月に初飛行。~
~
-B-52F（89機）：~
エンジンを[[J57-P-43W>J57]]に換装した型。~
--B-52F（89機）：~
エンジンを水噴射装置付きの[[J57-P-43W>J57]]に換装した型。~
1958年5月に初飛行。~
~
-B-52G（193機）：~
--B-52G（193機）：~
低空長距離侵攻能力を強化した型。~
燃料搭載量の増加のための軽量化により機体構造を変更し、居住性を強化。~
また、垂直尾翼上端をカットしたほか、後部機銃席がリモコン銃座に変更されている。~
[[START I>START]]の締結により、ほとんどの機体が廃棄された。~
[[START I]]の締結により、ほとんどの機体が廃棄された。~
~
-B-52H（102機）：~
--B-52H（102機）：~
1960年7月に初飛行した現行型。~
エンジンをP&W TF33[[ターボファン]]に変更し、後部機銃を12.7mm機銃4門から[[M61A1]] 20mmバルカン砲1門に変更している((現在は取り外されている。))。~
エンジンをP&W TF33[[ターボファン]]に変更し、後部機関銃を12.7mm機関銃4門から[[M61A1>M61]] 20mmバルカン砲1門に変更している(後日、撤去された)。~
一部の機体は高高度無人偵察機「D-21」の飛行試験に使用された。~
~
-EB-52SOJ：~
[[海軍>アメリカ海軍]]及び[[海兵隊>アメリカ海兵隊]]との統合部隊で運用していた[[EA-6B>EA-6]]の後継として開発された[[電子戦機]]型。開発中止。~
--B-52J：~
2018年時点で検討中の構想名で、H型の改修型。~
[[ターボファン]][[エンジン]]を[[P&W>プラット＆ホイットニー]] [[TF33>JT3D]]から[[ロールス・ロイス]] F130(([[ガルフストリームG650]]に搭載されている[[BR725>BR700]]の軍用機向け。))に変更するほか、[[アビオニクス]]、防御装置、センサー、[[射出座席]]などを更新する。~
~
-JB-52E（1機）：~
B-52E（機体番号57-0119）の8基あるエンジンのうち、2基のみ[[GE>ジェネラルエレクトリック]] [[TF39]]×1基に換装した機体。~
-試作機・実験機
--XB-52（1機）：~
1952年10月2日に[[初飛行]]した最初の原型機の呼称。~
地上試験中に損傷し、修理のためYB-52に遅れることとなった。~
~
-NB-52A（1機）：~
B-52Aの最終号機（機体番号52-0003）を、高高度極超音速実験機「[[X-15]]」の試験支援機に改造した機体。~
--YB-52（1機）：~
1952年4月15日に[[初飛行]]した2番目の原型機。~
操縦席は[[バブルキャノピー]]で、[[タンデム]]配置である。~
~
--B-52A（3機）：~
最初の量産型とされるが、[[爆撃]][[航法]]装備等を持たない実質的な追加試作機。~
各種フライトテストに使用された。~
試作機と違い、座席配置が[[サイドバイサイド]]になっている。~
~
--NB-52A（1機）：~
B-52Aの最終号機（[[機体番号>機体記号]]52-0003）を、高高度極超音速実験機「[[X-15]]」の試験支援機に改造した機体。~
X-15は専用のパイロンの他、エンジン2基を降ろして空けたエンジンパイロンに搭載された。~
時期によって塗装が異なる。~
~
-NB-52B（1機）：~
RB-52B（機体番号52-0008）を試験支援機に改造した機体。愛称は「ボールズ8((本機の機体番号に由来する。[[アメリカ空軍]]の慣例で、複数のゼロが先行する機体番号については、しばしばゼロをボールと見立て「ボールズ」と呼ばれる。))」。~
「X-15」超音速実験機の搭載母機として運用されたほか、[[NASA]]の多数の技術試験プロジェクト(([[ペガサスロケット]]の打ち上げや、「[[X-38]]」乗員帰還機（CRV）の投下実験、「ハイパーX」計画ための「[[X-43]]」無人試験機の発進実験など。))に参加し、2004年に退役した。~
--NB-52B（1機）：~
RB-52B（機体番号52-0008）を改造した試験支援機。~
「[[X-15]]」超音速実験機の搭載母機として調達された。~
複数のゼロが先行する機体番号を「ボールズ」と称する[[アメリカ空軍]]の慣例に従い、「ボールズ8」の[[愛称]]で呼ばれた。~
[[NASA]]の多数の技術試験プロジェクト(([[ペガサスロケット]]の打ち上げや、[[X-38]]乗員帰還機（CRV）の投下実験、「ハイパーX」計画ための[[X-43]][[スクラムジェット]]試験機の発進実験など。))に参加した後、2004年に退役した。~
退役後は[[エドワーズ空軍基地]]の北ゲート近くに永久展示されている。~
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-NB-52E（1機）：~
--JB-52E（1機）：~
B-52E（機体番号57-0119）の8基あるエンジンのうち、2基のみ[[GE>ジェネラルエレクトリック]] [[TF39>CF6]]に換装した機体。~
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--NB-52E（1機）：~
E型（機体番号56-0632）を改造した機体。~
[[機首]]部に[[ピトー管]]と[[カナード翼>先尾翼]]が追加されている。~
カナード翼とLoad Alleviation and Mode Stabilization system (LAMS)（[[CCV]]技術）の試験に用いた。~
カナード翼とLAMS（Load Alleviation and Mode Stabilization system）（[[CCV]]技術）の試験に用いた。~
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-NB-52H：~
--NB-52H：~
H型を基にしたNASAの試験支援機。2002年から運用。~
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--EB-52SOJ：~
[[海軍>アメリカ海軍]]及び[[海兵隊>アメリカ海兵隊]]との統合部隊で運用していた[[EA-6B>EA-6]]の後継として開発された[[電子戦機]]型。開発中止。~
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