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*&ruby(えーえぬいちにーよん){【An-124】}; [#l0ded594]
愛称はルスラン。（[[NATOコード]]ではコンドル）~
旧ソ連の[[アントノフ]]設計局（現在の所在地はウクライナ）が、ソビエト空軍で使用されていたAn-22「アンテーイ」（[[NATOコード]]ではコック）の後継として、1980年代に開発した世界最大の実用[[輸送機]]。~
同様に軍用として開発された[[アメリカ軍]]の[[C-5]]とは異なり、民間貨物航空の分野でも運用されている機体である。~
*&ruby(あんとのふひゃくにじゅうよん){【An-124】}; [#l0ded594]
1980年代に旧ソ連の[[アントノフ]]設計局によって設計・開発された、世界最大の実用[[輸送機]]。~
民間[[貨物機]]としても運用されている((民間ではヴォルガ・ドニエプル航空、ポリョート航空、アントーノウ航空、他数社で運用されている。))。~
[[愛称]]は"&Ruby(ルスラーン){Руслан};"。[[NATOコード]]は「コンドル」。~
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ソ連では長らく、An-22の後継機となるC-5と同等性能の輸送機が要求されていたが、その実現に不可欠な高バイパス比[[ターボファン]]の分野で立ち遅れていた。~
しかし、この種のエンジンの実用化に目処がついたことから、この機が開発される事となり、結果C-5を大幅に上回る性能を持つ輸送機が誕生することになった。~
[[An-22「アンテーイ」>An-22]]の後継機で、アメリカの[[C-5「ギャラクシー」>C-5]]と同等の[[輸送機]]として設計された。~
[[カタログスペック]]は[[C-5]]を大幅に上回る。~
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特徴として、45m幅の[[滑走路]]でも運航が可能なよう主脚の間隔を限界まで狭めてあること、全ての操縦系統に[[フライバイワイヤー]]システムを搭載していること、低速領域において飛行性能に優れることなどが挙げられる。~
45m幅の[[滑走路]]でも運航が可能なよう、[[主脚>ランディングギア]]の間隔を限界まで狭めてある。~
また、操縦系統は完全な[[フライバイワイヤー]]システムを搭載し、低速での飛行性能に優れる。~
重量物を搭載するために貨物室には10,000kg容量の可動式クレーン2基と3,000kg容量の2連ウインチを備える。~
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民間では、ロシアの貨物航空会社ヴォルガ・ドニエプル航空やポリョート航空、ウクライナのアントーノウ航空の他数社が運用しており、ボルガ･ドニエプル航空については三井物産が日本代理店となっている。~
現在西側最大の[[B747-400F>B747F]]のペイロードを僅かに超える程度(120t)であるが、内部容積が大きいこと、ペイロードの積み下ろしにあたって特別な機材を必要としないことなどがB747フレイターより格段に優れている。~
最近では、1999年に広島電鉄がドイツから輸入した5000形電車「グリーンムーバー」の輸送や、2003年にイラクへ派遣された[[陸上自衛隊]]の物資輸送を請け負う等の実績がある。(([[空自>航空自衛隊]]の輸送機部隊は機材の構成・運用機数の問題から、この種の戦略的輸送が困難だったためでもある))~
量産機の中では世界最大というだけあって、[[C-5]]や[[B747F]](貨物専用機)と並んで特大貨物便や戦時チャーター便で重宝される機体である。~
[[ペイロード]]は約120トンで、旧西側最大の機体である[[B747-8F>B747F]]を僅かに超える程度である。~
搭載重量に比して容積が大きく、貨物の積み下ろしに特別な機材を必要としない点で運用性に優れる。~
量産機の中では世界最大であり、[[C-5]]や[[B747-400F/-8F>B747F]]と並んで重宝される[[航空機]]である。~
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日本にも[[貨物機]]として頻繁に来日している。~
また、[[軍事]]用途でも2003年に[[陸上自衛隊]]のイラク派遣に際して[[兵站]]輸送を請け負った((政治的制約と[[戦略]]の関係上、現在の[[航空自衛隊]]は長距離の戦略輸送に対応する能力を持っていない（この点については今後、[[C-2>C-2（日本）]]の量産が進むことで改善される可能性がある）。))。~
**スペックデータ [#s50dbd67]
|乗員|4〜6名&br;（操縦士2名（[[機長]]、[[副機長]]）、[[航法士>航法員]]1名、[[航空機関士]]1名、[[航空通信士]]1名、&br;[[ロードマスター]]2名）|
|[[ペイロード]]|150,000kg|
|定員数|88名|
|全長|69.1m|
|全高|21.1m|
|全幅|73.3m|
|翼面積|628��|
|空虚重量|175,000kg|
|運用時重量|405,000kg|
|有効搭載量|230,000kg|
|最大離陸重量|405,000kg|
|[[エンジン]]|イーウチェンコ＝プロフレース [[D-18T>D-18]][[ターボファン]]×4基|
|[[推力]]|229.5kN/51,600lbf（23,400kg）|
|速度&br;（最大/巡航）|865km/h / 800〜850km/h|
|[[航続距離]]|5,200km|
|[[実用上昇限度>上昇限度]]|12,000m|
|滑走距離&br;（[[離陸]]/[[着陸]]）|2,520m/900m|
|[[翼面荷重]]|365kg/��|
|[[推力重量比]]|0.23|
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**派生型 [#pd3b44e4]
-An-124：~
軍用型の初期生産型（生産前機含む）。~
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-An-124-100：~
純民間向けモデル。~
最大ペイロードは120tに減少している。~
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--An-124-100VS：~
[[商業衛星>人工衛星]]打ち上げ母機型。~
2段式の「ポリョート」ロケットを使い、ペイロードは600kg〜4,000kg。~
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--An-124-100VTA：~
近代化改修型。~
ペイロードを120tに増加させ、耐用年数を20年延長した。~
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--An-124-100M：~
民間型の近代化改修型。~
西側製[[アビオニクス]]や衝突回避警報システムなどを搭載し、搭乗員を[[航法士>航法員]]と[[通信士>航空通信士]]を省いた[[4名>4マンクルー]]に削減した。~
また、エンジンは騒音の少ないD-18Tシリーズ3を搭載している。~
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--An-124-100M-150：~
民間型の近代化改修型。~
エンジンをD-18Tシリーズ4に換装し、120tに制限されていた[[ペイロード]]を150tに戻している。~
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--An-124-111VD：~
ヴォルガ・ドエプニル航空向け改修型。~
エンジンを[[FADEC]]装備のD-18Tシリーズ3Mに変更して信頼性、寿命、騒音と燃費を改善。~
ペイロードは150tとなった。[[グラスコックピット]]化により乗員数は[[3名>3マンクルー]]となっている。~
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-An-124TVD：~
An124-100のエンジンをクズネツォフ NK-93に換装するもの。計画のみ。~
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-An-124-102：~
キャビンの大きさを2.3m上に伸ばして内部容積を拡大し、搭乗員数を3名まで減らした型。~
計画のみ。~
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-An-124-130：~
[[GE>ジェネラルエレクトリック]]製[[CF6-80C2>CF6]]エンジンへの換装案。提案のみ。~
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-An-124-135：~
貨物機型。提案のみ。~
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-An-124-150：~
貨物機型の改良案。提案のみ。~
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-An-124-200：~
機体を強化して離陸重量を402t、ペイロードを150tに増加させ、[[グラスコックピット]]とデジタル[[アビオニクス]]により、3〜4名での運航を可能とした型。~
エンジンはD-18Tシリーズ3Mに換装する。~
~
-An-124-210：~
[[エアバス>エアバス（企業）]][[A400M]]配備までの繋ぎとなる戦略輸送機として[[イギリス空軍>RAF]]に提案された型。~
ロールス・ロイス RB211-524H-Tエンジン（推力264kN）とハネウェル製のアビオニクス（[[コックピット]]の多機能表示装置、TCAS-2000対地接近警報装置）を搭載した。~
[[C-17A「グローブマスター�掘�>C-17]]に敗れ不採用。~
~
-An-124-300：~
胴体を5.9m延長してキャビンの容積を1,300m³に拡大、主翼は6.6m延長して79.9mとし搭載燃料を増加させた。~
また、[[グラスコックピット]]により、2名での運用が可能となる。~
エンジンは西側製のものを含む295〜340kNクラスのものを装備でき、D-18Tシリーズ5のほかGEnx-2B67やPD-30、[[トレント>トレント（エンジン）]]やPW4000の装備が可能である。~
ペイロード150tで8,100km、120tで10,000kmの飛行が可能。~
~
-An-124-300V：~
アップグレード型。~
詳細は不明であるが、D-18Tエンジンとロシア製のアビオニクスを装備するとされている。~
~
-An-124-KC：~
KC-Xへの提案が検討された[[空中給油機]]型。提案のみ。~
~
-An-124FFR：~
200トンの水を投下することができる消防機型。計画のみ。~
~
性能諸元：~
全幅：73.3m~
全長：69.1m~
全高：21.1m~
エンジン：イーウチェンコ＝プロフレース製 D-18T ターボファン（推力23400kg）4基~
運航乗務員 6名~
搭乗者 88名~
最大速度 865Km/h~
巡航速度 800Km/h~
最大上昇限界高度 12,000ｍ~
