*&ruby(えーえぬえすぴーわいいち){【AN/SPY-1】}; [#q044fbb4]
[[アメリカ合衆国>アメリカ軍]]で開発された艦載用多目的レーダー。~
S(X)バンドの電波帯を用いるパッシブ[[フェイズドアレイレーダー]]で、イージスシステムの中核をなす。~
[[タイコンデロガ]]級ミサイル巡洋艦の1番艦「タイコンデロガ(CG-47)」に搭載され、1983年の同艦の就役とともに運用を開始した。~
多数目標の同時捜索探知・追尾・評定、および発射されたミサイル([[RIM-66]])の追尾・指令誘導の役目を一手に担い、最大探知距離は500km、同時追尾目標数は200以上と言われている。~
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**主な搭載艦 [#s0435da8]
-[[タイコンデロガ級>タイコンデロガ]][[ミサイル巡洋艦>巡洋艦]](AN/SPY-1((CG-47〜CG-58まで))・AN/SPY-1B((CG-59〜CG-73まで))・AN/SPY-1B(V)((CG-65以降)))
-[[アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦>アーレイ・バーク(駆逐艦)]](AN/SPY-1D・SPY-1D(V)((DDG-88以降)))
-[[こんごう型>こんごう]][[護衛艦]](AN/SPY-1D)
-[[アルバロ・デ・バサン級>アルバロ・デ・バサン]][[フリゲート]](AN/SPY-1D)
-[[あたご型>あたご(自衛艦)]][[護衛艦]](AN/SPY-1D(V))
-[[世宗大王級>世宗大王]][[駆逐艦]](AN/SPY-1D(V))
-[[フリチョフ・ナンセン級>フリチョフ・ナンセン]][[フリゲート]](AN/SPY-1F)
-[[フリーダム級>フリーダム]][[沿海域戦闘艦]](AN/SPY-1K)
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**スペックデータ [#m378fc31]
|タイプ|パッシブ[[フェイズドアレイレーダー]]|
|製造社|[[ロッキード・マーティン>ロッキード・マーチン]]|
|送信機形式|交差電力増幅管(CFA)|
|アンテナ|固定式×4面|
|出力&br;(最大/平均)|4MW/64kW|
|周波数|Sバンド(Xバンド)|
|最大探知距離|500km|
|同時追尾目標数|200個|
|走査速度|12rpm(水平線上)|
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**派生型 [#c9a93c45]
-AN/SPY-1:~
イージスシステムのベースライン1・2に組み込まれた初期モデル。~
アメリカ国立シビアストーム研究所(NSSL)では、退役艦から撤去された物を気象レーダーとして使用・運用している。~
NSSLの保有機はアンテナ1面構成となっており、[[レドーム]]に収容されている。~
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-AN/SPY-1B:~
イージスシステムのベースライン3に組み込まれたモデル。~
高角度での発信能力を増強し、急角度で突入する目標への対処能力や精度が向上した。~
また、アンテナ構成の見直しにより精度が向上、構成機器も効率化され、重量などの節約にもつながっている。~
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--AN/SPY-1B(V):~
B型の改良型。~
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-AN/SPY-1D:~
[[駆逐艦]]向けモデル。~
B型をもとに、レーダー配置の効率化などによって、電力増幅部を半減してさらに軽量化した。~
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--AN/SPY-1D(V):~
沿岸戦環境にも対応した改良型。~
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-AN/SPY-1F:~
D型をベースにレーダー・アンテナ素子を減少させ(4,350個から1,856個へ)、送信電力を落として小型軽量化したモデル。~
最大探知距離が減少し[[ミサイル防衛]]には対応していないが、それ以外の機能についてはD型と同等。~
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--AN/SPY-1F(V):~
D(V)型と同様の改良を施した型。~
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-AN/SPY-1K:~
SPY-1シリーズの最軽量モデル。~
レーダー・アンテナ素子をさらに減少させた(912個)。~
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SPY-1の開発モデル~

http://www.globalsecurity.org/military/systems/ship/systems/images/spy-1-variants.jpg~
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