【AIM-4】(えーあいえむよん)

AIM-4 "Falcon(ファルコン)"(旧称GAR-1、F-98*1

アメリカ・ヒューズエアクラフト社製の空対空ミサイル愛称「ファルコン」。
1946年に開発が始まり、1956年から運用が開始された。

セミアクティブレーダー誘導赤外線誘導など、後の空対空ミサイルの在り方を確定させる知見が多数盛り込まれていた。
しかし構造上の欠陥が多数報告され、やがてAIM-9にシェアを奪われて消えていった。

Gに対する耐久性が低く自己破壊を起こす」
シーカーの冷却時間が長く、ロックオン成立までに6〜7秒を要する」
近接信管を持たない」
などが主立った欠陥として挙げられる。

スペックデータ

形式AIM-4AAIM-4C/DAIM-4E/FAIM-4G
全長1.98m2.02m2.18m2.06m
翼幅0.508m0.16m0.61m
本体直径0.163m0.618m
発射重量54kg61kg68kg66kg
射程9.7km11.3km
速度マッハ3マッハ4
推進方式固体推進ロケットモーター
エンジンチオコールM58チオコールM46
(デュアルスラスト付き)
誘導方式セミアクティブレーダー誘導赤外線誘導セミアクティブレーダー誘導
弾頭高性能炸薬(3.4kg)高性能炸薬(13kg)


主な搭載機種

派生型(カッコ内は旧称)

  • AIM-4(GAR-1):
    セミアクティブレーダー誘導の初期生産型。

  • AIM-4A(GAR-1D):
    AIM-4の機動性改善型。
    より大きな制御翼面を持つ。

  • AIM-4B(GAR-2):
    AIM-4の赤外線誘導型。
    撃ちっ放し能力を持つ。

  • AIM-4C(GAR-2A):
    AIM-4Bのシーカー感度改善型。

  • AIM-4D(GAR-2B):
    初期型ファルコンの最終型。
    弾体を小型・軽量化し、AIM-4Gのシーカーを搭載した。

  • AIM-4E(GAR-3):
    速度・有効射程が向上した後期モデル。愛称「スーパー・ファルコン」。
    セミアクティブレーダー誘導型。

  • AIM-4F(GAR-3A):
    AIM-4Eの改良型。
    エンジンは新型のチオコールM46 デュアルスラスト固体推進ロケットモーターを搭載し、精度とECM抵抗性を改善したSARH誘導装置を持つ。

  • AIM-4G(GAR-4):
    速度・有効射程が向上した後期モデル。愛称「スーパー・ファルコン」。
    赤外線誘導型。
  • XAIM-4H:
    AIM-4Dの改良型。
    レーザー近接信管や新型弾頭などを搭載し、機動性も向上した。
    1971年に開発中止。

  • HM-58:
    AIM-4Cのスイス輸出型。

  • Rb 28:
    AIM-4Cのスウェーデン輸出型。

  • AIM-26
    AIM-4の核弾頭搭載型。詳しくは項を参照。

  • AIM-47
    AIM-4の長射程発展型。詳しくは項を参照。


*1 当初は「無人戦闘機」に分類され戦闘機としてのFナンバーを割り振られていた。

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