【AA-9】(えーえーきゅう)

現在ロシア軍で使用されている長射程空対空ミサイル

NATOコードはAA-9「エイモス(Amos)」、ロシアではR-33と呼ばれている。
イラン革命後のイランから入手したAIM-54「フェニックス」の改良型もしくはデッドコピーとも言われていたが、同様の長射程AAMでもAIM-54とAA-9は全く違った設計、運用思想であり、完全な誤りである。
ロシア側の資料によると1972年から開発が行われ、AA-9及びザスロン兵器システムが完成したのが1980年12月。西側がAA-9を初めて目撃したのは1985年である。

性能については、ロシア軍が公表するスペックによると最大速度はマッハ3.5で最大射程は120kmあるという。
誘導方式は初期誘導中間誘導慣性誘導終端誘導セミアクティブレーダー誘導を使用する。
本来AA-9はロシア軍MiG-31「フォックスハウンド」(最大4発搭載可能)に運用されているが、Su-27「フランカー」にも搭載可能。

輸出の方は同じくMiG-31を保有・運用しているカザフスタンのほか、ベラルーシや中国(どちらの国もMiG-31は保有していない)に輸出されたらしいが、どの機体に運用されているのか分かっていない(一部ではSu-27と言う情報も有る)。
まだまだ謎の多いミサイルである。

後継としては、R-37(AA-13「アロー」)が開発されている。

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MiG-31に搭載されたAA-9(胴体下の大型ミサイル)

関連:AIM-54 MiG-31

スペックデータ

全長4.15m
直径38cm
翼幅118cm
発射重量490kg
射程10〜120km
速度マッハ4.5
推進装置固体燃料ロケットモーター
弾頭HE 爆風破片効果弾頭(47kg)
信管アクティブレーダー信管
誘導方式慣性誘導・指令更新およびアクティブレーダー


AA-9の主な種類

  • R-33:
    標準型。

  • R-33E:
    輸出用ダウングレード型。

  • R-33S:
    運用母体であるMiG-31のアップデートに伴う性能向上型。
    射程が160kmに延長された。

  • R-33M:
    R-33Sの改良型。

  • R-33SM:
    機動性強化型。
    レドームの後ろに小さなコントロールサーフェスを備える。

  • R-33A:
    アクティブレーダーホーミング弾頭を備える型。開発中止。

  • R-33P:
    パッシブレーダーホーミング弾頭を備える型。開発中止。


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