【AA-5】(えーえーご)

旧ソ連が開発した、ソビエト初の全方位攻撃能力を持つ空対空ミサイル
世界最大の迎撃機であるTu-128重迎撃機用に開発された空対空ミサイルである。

戦略爆撃機偵察機巡航ミサイル母機などを迎撃することを目的として開発されており、ソビエトのトレンドに従いセミアクティブレーダー誘導型と赤外線誘導型の二種類が一度に開発された。
発射時のコンディションによって最大速度が200〜1,600m/sとばらつきが大きく、このばらつきによりミサイル自身の制御システムだけでは高精度な誘導は不可能となっており、それ故にミサイルのコントロールシステムと近接作動信管が飛行速度に合わせて調整されなければ撃墜能力は低い。
特にECM環境下など、発射後にデータリンクを維持することが難しいとミサイルの搭載コンピュータが判断した時には、必要な情報は発射時に機体からダウンロードされる。

カタログスペック

NATOコードAA-5 Ash(アッシュ)
製造社Bisnovat(現Vympel)社
計画名OKB-156
製造コード名izdeliye36
正式採用名R-4(K-80)
全長5.36m
直径31.5cm
翼幅1.5m
発射重量492kg
推進方式固体燃料ロケットモーター
弾頭HE 爆風効果(53kg)
最大速度1,600m/s
射程2〜30km
飛行高度8,000〜12,000m
G限界21G
誘導方式赤外線誘導(R-4T)
セミアクティブレーダー誘導(R-4R)
シーカーT-80NM 赤外線シーカー(R-4T)
PARG-10-88 追尾ヘッド(R-4R)
発射装置APU-128 レールランチャー


主な搭載機

  • Tu-28
  • Tu-128
  • Ye-152M

主な種類

  • R-4RR(AA-4):
    レーダー近接作動信管を装備するセミアクティブレーダー誘導型。

  • R-4TR:
    レーダー近接作動信管を装備する赤外線誘導型。

  • R-4TI:
    光電子近接作動信管を装備する赤外線誘導型。

  • R-4RM:
    「スメルチM」レーダー用に改良を施されたセミアクティブレーダー誘導型。

  • R-4TM:
    「スメルチM」レーダー用に改良を施された赤外線誘導型。


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