【AA-2】(えーえーつー)

ソ連で開発された短射程空対空ミサイル。
NATOコードではAA-2「アトール」と呼ばれ、ソ連ではR-3と呼ばれる。
また、開発名称ではK-13やオブイェクト300と呼ばれる。

台湾海峡航空戦においてMiG-15の尾部に突き刺さっていた不発AIM-9Bを海軍兵器局が1958年に中国から入手し*1、コピーしたものであり、それまでソビエトにおいて開発されていたAA-1「アルカリ」などとはまるで違う物となっている。

主にMiG-21MiG-23Su-17のほか、イスラエル空軍のミラージュ3CJに搭載された。

スペックデータ

全長2.84m(R-3S)
3.42m(R-3R)
2.87m(R-13M)
直径12.7cm
翼幅53cm(後部)/45cm(前部コントロール・サーフェス)
63cm(R-13M)
発射重量75.5kg(R-3S)
82.4kg(R-3R)
射程1〜3.6km(R-3S/R)
0.9〜4.0km(R-13M)
飛行高度0〜21,500m(R-3S)
1,000〜21,500m(R-3R)
0〜22,000m(R-13M)
推進方式固体燃料ロケットモーター
エンジンПРД-80Аロケットエンジン(R-3S/R)
ПРД-240ロケットエンジン(R-13M/M1)
弾頭HE爆風破片効果弾頭(11.3kg)(R-3R/S)
HE 連続ロッド(11.3kg)(R-13M/M1)
信管454-K 光学式信管(R-3S)
Ястреб 電波式信管(R-3R)
Синица レーダー式信管(R-13M/M1)
誘導方式IR誘導(R-3S)
セミアクティブレーダー誘導(R-3R)
赤外線ホーミング(R-13M)
シーカーTGS-13K(R-3S)
ПАРГ-13(10〜20GHz)(R-3R)
Иней 70(フロンによる冷却)(R-13M)
Иней-M(フロンによる冷却)(R-13M1)


バリエーション

  • R-3(AA-2 Atol):
    初期型。

  • R-3S(オブイェクト310、AA-2A Atol):
    赤外線誘導の量産型。

  • R-3R(オブイェクト320、AA-2C Atol):
    セミアクティブレーダー誘導型。

  • R-3U:
    照準訓練型。シーカーのみ。

  • R-3P:
    発射訓練型。炸薬なし。

  • R-3MV:
    ターゲットドローン?型。

  • R-13M(オブイェクト380、AA-2D Advanced Atoll):
    性能向上型。

  • R-13M1:
    R-13Mの運動性向上型。

  • A-91:
    ルーマニアでのライセンス生産型。

  • 霹靂2
    中国でのライセンス生産型。詳しくは項を参照。


*1 この説には異論が有る。

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