*&ruby(えーえーじゅうに){【AA-12】}; [#vf3eeae7]
旧ソ連/現ロシアの[[ヴィンペル社>ヴィンペル]]が開発した、現在東側最新の[[中射程空対空ミサイル>空対空ミサイル]]。~

~[[NATOコード]]は、AA-12「アッダー((Adder:マムシの意味。))」で、ロシアではR-77 RVV-AYe(ロシア語で「アクティブ空対空ミサイル」の略)、またアメリカ製の[[AIM-120「アムラーム」>AIM-120]]に似ている事から「[[アムラームスキー]]」とも言われている。~
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AA-12は、[[R-27(AA-10「アラモ」)>AA-10]]の後継として1982年頃から開発が始まり、当時旧ソ連では最新鋭の技術が数多く取り込まれた。~
一つ目は[[撃ちっ放し能力]]で[[アクティブレーダー誘導]]を採用した([[AA-10AEと言うアクティブ誘導型>AA-10]]は、当時開発段階のAA-12の技術を流用したと言う不特定情報がある)事で母機の誘導なし追尾が可能。~
さらに[[電子戦機]]の[[ジャミング]]・[[航空機]]の[[チャフ]]等[[ECM]]の防御策である[[ECCM]]能力に優れており、反対に[[ECM]]を利用して[[ジャミング]]がかかると[[その発信源に飛翔する能力>ホームオンジャム]]を持っている。~
なお、[[アクティブレーダー誘導]]は[[終端誘導]]のみで[[中間誘導]]は[[慣性誘導>慣性航法装置]]+[[データリンク]]を使用している。~
二つ目は折り畳み機能で、折り畳み可能な十字形の格子状尾翼により機体内部又は半埋め込み式で搭載出来るようになっている。これは将来の新型機([[MiG-1.42]]等)に搭載出来るように設計されたと言う説があるが、詳しい事は分かっていない。~
三つ目は推進装置で、[[ヴィンペル社>ヴィンペル]]の公式発表によると最大射程は100km(実際には諸説あり、これ以上ともこれ以下とも言われている。)。~
さらに固体燃料[[ラムジェットエンジン>ラムジェット]]を搭載したPD型は最大射程が160〜200kmあるという。~
このように新機能を多く搭載したAA-12は、1994年から配備が開始されている。~
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なお、インドや中国・イラン等はAA-12に関心が高く、特に中国に関してはAA-12の技術支援を流用した国産の[[霹靂12]]を製作し配備している。~
**主な搭載機 [#o76781d9]
-[[Su-27「フランカー」シリーズ(Su-27SM・Su-30・Su-34・Su-35・Su-37)>Su-27]]~
-[[Su-47>S-37]]~
-[[MiG-21-93「バイソン」>MiG-21]]~
-[[MiG-29/MiG-35「フルクラム」>MiG-29]]~
-[[MiG-31M「フォックスハウンド」>MiG-31]]~
-[[Yak-141]]
-テジャス(搭載予定)
-PAK FA(搭載予定)
**AA-12の[[カタログスペック]] [#j58deb39]
全長:3.58m~
直径:20cm~
翼幅:45cm~
発射重量:175kg(R-77)/226kg(R-77M1)~
弾頭:HE 指向性破片威力弾頭(弾頭重量30kg)・レーザー式近接信管を使用。~
最大速度:[[M>マッハ]]4.5以上~
射程:50〜100km~
飛行高度:20〜25km~
G限界:5G~
エンジン:固形燃料[[ロケットモーター>ロケットエンジン]](R-77)/[[ラムジェット]][[エンジン]](R-77M1)~
誘導方式:[[慣性>慣性航法装置]]+[[データリンク]]([[中間誘導]])/[[アクティブレーダー誘導]]([[終端誘導]])~
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**AA-12の主な種類 [#n75f1434]

-R-77(AA-12):初期型。量産されているかは不明。

-R-77PD:初期型の改良型で、最大射程が延びている。

-R-77?(形式は不明):大直径で燃焼時間の長いブースターとパッシブレーダーホーミングを搭載した長射程型。対[[AWACS]]用。
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-RVV-SD:大規模改良型。ステルス機での運用が考慮されている。射程110km。~
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Photo:India air force

関連:[[アムラームスキー]] [[AA-10]] [[AIM-120]]

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