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【A320】
1980年代半ばにエアバスインダストリーが開発した双発旅客機で、旅客機としては世界初のフライバイワイヤー、サイドスティックを搭載した機体である。
画期的な設計で航空業界に新風を巻き起こしたが、就航して間もなく極度に進化したオートパイロット?のシステムをクルーが使いこなすことができず、数件の墜落事故が発生している。
特に、1990年2月14日と1992年1月20日に起きた2件の墜落事故は、オートパイロット?の一種であるフライト・コントロール・ユニット?(FCU?)の操作を間違えたために起きた事故で、原因が大変酷似している点に注目。
前者では「降下率を設定するつもりが高度を設定」し、後者では「降下角度3.3度を入力するつもりが降下率毎分3300ftを入力」していることから、FCU?のデザイン面の悪さも指摘されていた。
・1990年2月14日午後1時3分頃、ボンベイからバンガロールに向かっていたインディアン航空(IAC)605便エアバスA320-231(VT-EPN)が、インド南部のバンガロール空港に最終進入?中、滑走路端から約700m手前のゴルフ場の土手に墜落した。この事故で乗員7名、乗客139名、計146名のうち乗員5名、乗客87名、計92名が死亡し、乗員1名と乗客21名が重傷を負った。
自動操縦装置?に降下率を設定しようとして、誤って隣の高度設定ノブを操作したため、自動操縦装置のモードが切り替わり、パイロットが意図しない設定となったうえ、機長自身が自動操縦?のシステムに詳しくなかったため、適切な設定が出来ないまま墜落した。事故機は機長昇格を控えた副操縦士?が左席で操縦し、機長が査察機長として右席に座っており、クルー間のコーディネーションの悪さも事故の間接要因として指摘されている。
・1992年1月20日午後7時20分、フランスのリヨン発同国ストラスブール行きエールアンテール(ITF)148便エアバスA320-111(F-GGED)が、ストラスブール・アンツェイム空港に着陸進入中、空港手前約15Kmのサント・オディール山の山腹に墜落した。この事故で、乗員6名、乗客90名、計96名のうち乗員5名、乗客82名、計87名が死亡し、乗員1名、乗客8名、計9名が重傷を負った。
パイロットが進入時に飛行制御ユニット(FCU?)の飛行モードを設定する際、降下角度3.3度と入力すべきところに降下率毎分3300ftを入力したため、降下率が通常の5倍近い急降下になり墜落したと推測されている。
これは二つの飛行モードが同じスイッチを併用しており、上下でそれぞれのモードを選択するようになっていたことも事故の要因である。
事故後エアバス社は飛行制御ユニット(FCU?)の操作パネルのデザインを誤入力しにくいものに変更し、新造機に搭載するとともに、既に就航している機体への改修を行った。
また、この事故の他の要因としては、副操縦士?が機長に干渉し過ぎたことが指摘されている。
なお、フランス運輸省は、本件を教訓にこれまで航空会社の任意としてきたGPWS?の搭載を義務付けた。
A320の派生型(A320ファミリー)として以下のものがある。
・A318? :A320ファミリーでは最も小型で、100〜129席を収容
・A319? :110〜145席を収容
・エアバス・コーポレート・ジェット?(ACJ) :A319?をベースとしたビジネスジェット)
・A320 :135〜180席を収容
・A321? :A320ファミリーでは最も大型で、166〜220席を収容
参考リンク(http://www.airbusjapan.com/product/a320_backgrounder.asp)
(http://www004.upp.so-net.ne.jp/civil_aviation/index.htm)