【A-6】(えーしっくす)

A-6 Intruder.
1956年にグラマン社で開発が始まった全天候、超低空侵攻、精密爆撃?能力を持つ中型艦上攻撃機

ベトナム戦争で初陣を飾り、以後アメリカ軍撤収までに海兵隊と合わせてベトナムに派遣された。
その後、アメリカ海軍の艦載機が何らかの形で関わった戦争や事変・紛争のほとんどに参加するという活躍を見せたが、1991年の湾岸戦争を境に、後継となるF/A-18への置き換えが進み、1993年に海兵隊から退役。1997年には海軍航空隊からも退役となった。
(なお、本機をベースにした電子戦機「EA-6Bブラウラー」は2009年現在も現役にある。)

本機は各種レーダー航法装置?爆撃コンピューターを統合したシステムを搭載し、全天候運用能力と精密攻撃能力を得ていた。
武装は5箇所のパイロンに搭載されるが、これらのパイロンには、各種通常爆弾ロケット弾ガンポッドの他、AIM-9, AGM-12?,AGM-45といったミサイルが搭載できた。*1

スペックデータ

乗員
A-6:2名 (パイロット・爆撃手/ナビゲーター)
EA-6B:4名(パイロット・電子戦要員)

全高
A-6:4.75m
EA-6B:4.95m

全長
A-6:16.69m
EA-6B:18.24m

全幅
A-6:16.6m/7.72m(主翼折り畳み時)
EA-6B:16.15m/7.87m(主翼折り畳み時)

主翼面積
A-6:49.1
EA-6B:49.13

空虚重量
A-6:11,630kg
EA-6B:14,776kg

最大離陸重量
A-6:27,500kg
EA-6B:29,484kg
エンジン
A-6:P&W J52-P8Bターボジェットエンジン(推力41.4kN)2基
EA-6B:P&W J52-P408ターボジェットエンジン(推力49.8kN)2基

最大速度
A-6:マッハ0.9
EA-6B:マッハ0.82

巡航速度:412kt

フェリー航続距離:2,820nm

実用上昇限度
A-6:12,925m
EA-6B:12,558m

海面上昇率
A-6:2,340m/min
EA-6B:3932m/min

航続距離:1,700nm
戦闘行動半径:500nm(Hi-Lo-Hi)/285nm(Lo-Lo-Lo)
兵装
下記兵装を5箇所のハードポイントへ均一に8,170kg搭載可能。

派生型

  • A-6A
    初期生産型。旧称A2F。

  • A-6B
    A-6Aを改修した防空制圧型。対レーダーミサイルを搭載可能。
    1967年より部隊配備が開始され、19機が改造された。

  • A-6C
    A-6Aを改修し赤外線センサーと光学式カメラを搭載した型。
    1970年より部隊配備が開始され、ホーチミン・ルートへの攻撃に投入されたが大きな戦果を挙げることはなかった。
    1972年に一部の機体が誘導爆弾用のレーザー照射機に改修された。12機が改造された。

  • A-6E
    A-6Aの改良型。中央コンピューターや航法/攻撃レーダー、兵装システムなどの電子装置を更新している。
    新造機と在来型の改修機が存在し、新造機生産途中からは機首下部にTRAM(目標識別マルチセンサー)と呼ばれる目標探知攻撃複合センサーが装備された。
    また、CAINS(艦載機慣性航法システム)によって完全な空母自動着艦能力が付与されている。

  • A-6E SWIP
    A-6Eの近代化改修型。エンジンを出力強化型のP&W製J52-P-409に換装した他、AGM-65及びAGM-84、AGM-88の運用能力を追加した。

  • A-6E SWIP/コンポジット
    上記改修と平行してボーイン?グ社で製造した複合材料製の主翼に交換した機体。
    AGM-65AGM-84、AGM-84E SLAM、AGM-88 HARMの携行能力が付与された。

  • A-6E SWIP ブロック1A
    上記改修に加えGPSの装備、IDAP(統合型防御電子機器プログラム)の実施、パイロット用新型HUDの装着の改良が行われ、コックピットは暗視ゴーグル対応型になった。

  • A-6F
    A-6Eの改良型。
    電子機器のデジタル化とF404-GE-400Dターボファンエンジンへの換装を行い、1987年8月26日に初号機が初飛行。
    しかし、本機の更新用に開発されていた「A-12アベンジャーII」と同様、調達予算を組めずに開発を中止された。

  • A-6G
    A-6Eの改良型。電子機器のみをF型と同等の物にする更新だが計画だけで終わった。

  • KA-6D
    A-6Aを空中給油機に改修した型。
    電子装置を降ろして燃料タンク容量を拡大しており、攻撃能力はない。
    1968年開発を開始し、1970年初飛行。

  • EA-6A
    A-6Aを改修した電子戦機。旧称A2F-1Q。

  • EA-6B
    EA-6Aのコクピットを複座・大型化して乗員数を増やした電子戦機。愛称はプラウラー。
    垂直尾翼上端に受信用の大型のアンテナ用フェアリングが設けられているのが特徴。
    183機が製造され、海軍・海兵隊のみならず、1996年からは空軍との統合運用部隊でも使用されるようになった。*2
    機体の耐用年限を迎えるため、近い将来、海軍保有の機体はEA-18G グラウラー(F型(副座型)ベースの電子戦機)、海兵隊の保有機体はF-35C ライトニング IIの電子戦型、海軍、海兵隊、空軍の三軍統合運用部隊ではB-52の改修型へ更改される予定となっている。


*1 ただし空対空ミサイルは実戦配備された機体では搭載されなかった。
*2 空軍のEF-111が退役し、アメリカ軍で使用する電子戦機を本機に一本化することとなったため。

トップ 新規 一覧 単語検索 最終更新ヘルプ   最終更新のRSS