【A-4】(えーよん) †

A-4 Skyhawk
アメリカのダグラス社が1960年代に開発した亜音速艦上攻撃機。
エド・ハイネマンによる傑作機であり、「ハイネマンのホッドロッド」、「スクーター」などの愛称を持つ。
ハイネマンの「軽量、小型、空力的洗練を追求すれば自ずと高性能が得られる。」とのコンセプトに基づき、主翼の折りたたみ機構が必要ないほどに小型・軽量ながら堅牢な機体に仕上がっており、通常爆弾から各種誘導兵器、戦術核兵器など4t以上ものペイロードを誇る。
MiG-21と同様に有尾翼式のデルタ翼を採用しており運動性も高いため、戦闘機でないにも関わらずトップガンなどのアグレッサーやアクロバットチーム「ブルーエンジェルス」の機体としても採用された。
整備性もよく安価なため、アメリカ海軍や海兵隊に大量採用された他、アルゼンチンやイスラエルなどに輸出され、運用成績も非常に良好である。

実戦ではベトナム戦争や第四次中東戦争、フォークランド紛争や湾岸戦争に参加した。

アメリカ海軍では1976年に、アメリカ海兵隊からは1998年に退役済みだが、ブラジルでは2008年現在唯一、空母「サンパウロ」搭載の艦上攻撃機として運用中であり、他にも多くの国で陸上機として使用されている。

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スペックデータ †

乗員：1名/2名（TA-4J･F、OA-4F）
全長：12.22m
全高：4.57m
全幅：8.38m
主翼面積：24.15��
空虚重量：4,750kg
運用時重量：8,318kg
最大離陸重量：11,136kg
機体内燃料搭載量：2,011kg
エンジン：P&W J52-P8Aターボジェットエンジン（推力41kN （9,300 lbf））×1
最高速度：1,077km/h
航続距離：3,220km
戦闘行動半径：620km（H-L-H）
実用上昇限度：12,880m
上昇率：43m/s
武装 固定武装：コルトMk12 20mm機関砲×2
兵装

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派生型 †

  • 試作機
    • XA4D-1
      試作機。1機製造。

    • YA4D-1
      前量産型。コルトMk20 20mm機関砲2門(装弾数各100発)搭載。19機製造。

    • A-4A（旧呼称A4D-1）
      レーダーを搭載していない昼間攻撃専用の量産型。ハードポイントは3箇所。146機製造。

  • A-4B系
    • A-4B（旧呼称A4D-2）
      空力面を改良し空中給油装置を付与した型。542機製造。

    • A-4P
      アルゼンチン空軍向けの機体。B型またはC型転換。

    • A-4Q
      アルゼンチン海軍向けの機体。B型転換。

    • A4D-3
      能力向上型。計画のみ。

  • A-4C系
    • A-4C（旧呼称A4D-2N）
      レーダーを装備し全天候能力を追加した型。
      エンジンはカーチス・ライト製J65-W-16C（離昇推力36.5 kN）を装備。638機製造。

    • A-4L
      海軍予備役航空隊のための能力向上型。
      アビオニクスパックを胴体上部に装備し、電子装備がA-4F並みに強化されている。
      A-4Cより100機改修。

    • A-4S
      シンガポール空軍向けの機体。A-4Cより40機改修。

    • A-4SU スーパースカイホーク
      A-4Sに対して、F404-GE-100D（推力48.4 kN、A/B?非搭載）エンジンへの換装などの近代化改修を行ったもの。

    • TA-4S
      A-4Sの複座練習機型。7機改修。

    • TA-4SU スーパースカイホーク
      A-4SUの複座・練習機型。

    • A-4PTM
      マレーシア空軍向け。C型・L型より40機改修。

    • TA-4PTM
      A-4PTMの複座練習機型。少数機が改修。

    • A4D-4
      主翼などの改修型。計画のみ。

  • A-4E系
    • A-4E（旧呼称A4D-5）
      エンジンをJ65からP&W製J52-P-6A (推力3.85t) に換装し、ハードポイントを5箇所へ増設したほか、電子装備強化のために機首が延長されている。
      後に胴体上部にアビオニクスパックを増設した。496機製造。

    • TA-4E
      A-4Eの複座練習機型。2機試作。

  • A-4F系
    • A-4F
      J52-P-8A (推力4.2t) エンジン搭載（後に100機がJ52-P-401 (推力4.99t) に換装）
      この型以降、前輪のステアリング機構を追加し、背面のアビオニクスパックを生産段階より装備。146機製造。
      ブルーエンジェルスで1973年から1986年まで使用された。

    • TA-4F
      A-4Fの複座練習機型。241機製造。

    • OA-4M
      アメリカ海兵隊の前線航空統制官用。23機がTA-4Fより23機改修。

    • EA-4F
      電子戦訓練機。4機がTA-4Fより改修。

    • TA-4J
      非武装の複座練習機型。
      エンジンがJ52-P-6 (推力3,854kg) にダウングレードされている。
      227機が新規に生産され、後にTA-4Fもこの形式に改修された。

    • A-4G
      オーストラリア海軍向け。8機製造。空母メルボルンの艦載機として運用。

    • TA-4G
      A-4Gの複座練習機型。2機製造されたほか、TA-4Fから改修された機体あり。

    • A-4H
      イスラエル空軍向け。90機生産。固定武装に30mm機関砲を搭載。
      赤外線ミサイル対策としてエンジンパイプが延長されている。

    • TA-4H
      A-4Hの複座練習機型。25機製造。

    • A-4K
      ニュージーランド空軍向け。A-4Fとほぼ同仕様。
      1980年代後半よりカフ計画に基づく近代化(主にF-16の火器管制装置を装備)を実施。

    • TA-4K
      A-4Kの複座練習機型。4機製造。

  • A-4M系
    • A-4M
      アメリカ海兵隊向け。
      エンジンをJ52-P-408A(推力5.08t)に換装し、武器搭載量を4.15tへ。
      また、電子装備強化やキャノピーの大型化、20mm機関砲の装弾数が各門100発から各200発に増加などの改修が施されている。158機製造。

    • A-4AR
      アルゼンチン軍向け。A-4Mより36機改修。

    • A-4N
      イスラエル空軍向け。DEFA30mm機関砲を装備。
      A-4H同様赤外線ミサイル対策としてエンジンパイプが延長されている。117機生産。

    • A-4KU
      クウェート空軍向けとして30機製造。
      後にブラジル海軍が取得し「AF-1」と呼称。

    • TA-4KU
      クウェート空軍向けの複座練習機型。6機製造。
      後にブラジル海軍が取得し「AF-1A」と呼称。

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