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*&ruby(ななよんしきせんしゃ){【74式戦車】}; [#c05453c2]
1960年代に日本で開発された[[主力戦車]]。~
1964年に基礎開発が開始され、1974年9月に[[陸上自衛隊]]に制式採用。1975年から1989年にかけて873両が配備された。~
[[90式戦車]]の登場後に年間40両程度のペースで退役しているが、2015年時点でも[[陸上自衛隊]]の主要な[[機甲戦力>機甲部隊]]を占めている。~
1964年に開発が開始され、1974年9月に[[陸上自衛隊]]に[[制式]]採用された[[主力戦車]]。~
1975年から1989年にかけて873両が配備された。~
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設計思想は[[61式戦車]]と同じく、[[戦車駆逐車]]に近い[[待ち伏せ>アンブッシュ]]主体のものとなっている。~
全般的に、61式で生じた設計上の問題を解決する目的で設計されている。~
新機種への更新が滞ったため、長きに渡って[[陸上自衛隊]]の[[機甲戦力>機甲部隊]]の中核を占めていた。~
後継の[[10式戦車]]や[[16式機動戦闘車]]への機種転換・退役が進められ、2024年3月20日に[[第9戦車大隊>第9師団（自衛隊）]]・[[第10戦車大隊>第10師団（自衛隊）]]・[[第13戦車中隊>第13旅団（自衛隊）]]の廃止・偵察戦闘大隊への改編により戦闘部隊の全車が退役した。~
また、教導部隊である[[機甲教導連隊]]第4中隊の機動戦闘車中隊への改編、同[[連隊]]戦闘中隊の16式機動戦闘車への増備により全車退役となった。~
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車体は全溶接で[[砲塔]]は鋳造。車体は[[避弾径始]]を重視した低く滑らかな形状をしている。~
主砲は[[スタビライザー]]が搭載され、[[行進間射撃]]が可能となった。~
[[火器管制装置]]として[[弾道計算機]]、[[レーザーレンジファインダー]]、[[テレスコープ]]と[[ペリスコープ]]を装備する。~
運用方法は先代の[[61式戦車]]と同様、[[戦車駆逐車]]に近い[[待ち伏せ>アンブッシュ]]主体のものとされている。
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また、[[砲塔]]の横に[[赤外線]]投光器を搭載する事で夜戦に対応できるようになっている(([[IRST]]、[[赤外線誘導]]などの普及に伴って撤去されている。))。~
この投光器は、赤外線フィルターを外すと夜間1,500メートル先でも本が読める程度の光量と、フィルター越しでも至近距離で浴びると低温やけどを負うほどの熱量を持つ。~
1993年に起きた雲仙普賢岳噴火災害の際、この投光器の性能が買われ、戦車としては異例((その後、2011年の東日本大震災に伴って起きた福島第一原子力発電所事故に際しても、[[放射性物質]]に汚染された瓦礫を除去するため出動した。&br; ただし、実際の作業には遠隔操作式の無人ブルドーザーが投入されたため、作業を行うことなく撤収している。))の災害派遣に出動して火砕流の監視に貢献した。~
**特徴 [#caa4cba2]
車体は全溶接で[[砲塔]]は鋳造。全体的に、[[避弾径始]]を重視した低く滑らかな形状をしている。~
主砲には[[砲安定装置]]が搭載され、[[行進間射撃]]が可能。~
[[火器管制装置]]として弾道計算機、[[レーザー]]式[[測距儀]]、テレスコープとペリスコープを装備する。~
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[[61式戦車]]で大不評を買った操縦性も改善され、[[超信地旋回]]も可能。~
また、シュノーケルを使っての潜水渡河能力もある。~
また、[[砲塔]]の横に[[赤外線]]投光器を搭載する事で夜戦に対応できるようになっている。~
この投光器は、[[赤外線]]フィルターを外すと夜間1,500メートル先でも本が読める程度の明るさを持ち、あまりの大出力・大光量であるため、フィルター越しでも至近距離で浴びると低温やけどを負うほどの熱量を持つ。~
>1993年に発生した雲仙普賢岳噴火災害の際、この投光器の性能が買われ、[[戦車]]としては異例の災害派遣に出動して火砕流の監視に貢献した。~
>後世、[[IRST]]や[[赤外線誘導]]の普及によって有用性を失い危険要因となったため、[[赤外線]]投光器は撤去された。
操縦性も不評だった61式戦車から改善され、[[超信地旋回]]も可能。~
また、シュノーケルを使っての潜水渡河能力もあり、最大2m強の潜水渡河が可能。~
加えて、油圧[[懸架装置]]のシリンダーによって上下200mm、前後6度、左右9度まで車体を傾ける事が可能で、これにより遮蔽の確保が容易になっている。~
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このように、前作の61式に比して様々な改善が加えられた本車であるが、唯一改善が及ばなかったのは[[装甲]]防御であった。~
これは、[[鉄道]]による[[戦略]]輸送等への考慮から重量が38t程度に抑えられていたためである。~
結果、[[主力戦車]]に必須の能力である[[対応防御]]を達成できず、「自身の主砲によって撃破可能」という最大の欠陥が残ってしまった。~
ただし、[[装甲]]は決して十分ではなく、攻撃に対する耐久・生存性には明確な欠点が残っている。~
これは第二世代（[[複合装甲]]の普及以前）の[[主力戦車]]ほぼ全てに共通する傾向だが、[[鉄道]]輸送を考慮して重量を38t程度に抑えた事でことさら深刻な欠点となった。~
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前述のように老朽化（特に酷使されている足回り部分）に伴って、年間40両ほどのペースで退役が進んでいる((現在の装備数は約300両程度だという。))。~
また、改良を加えられてきたとはいえ現代戦を戦うには限界であったことも手伝って、順次、後継の[[10式戦車]]や[[機動戦闘車]]に交代する予定である。~
#ref(http://www.masdf.com/altimeter/soukaen2000/tyep74mbt.jpg,600x400)~
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参考リンク http://www.jda.go.jp/jgsdf/info/so13.html~
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#ref(74tk.jpg)~
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**スペックデータ [#kbba19f5]
|>|CENTER:74式戦車|
|乗員|4名（車長、操縦手、砲手、装填手）|
|全長|9.41m|
|全幅|3.12m|
|全高|2.25m（標準時）|
|戦闘重量|38t|
|[[エンジン]]|[[三菱重工>三菱重工業]]製10ZF22WT 2ストロークV型10気筒[[空冷>空冷エンジン]][[ターボチャージド>ターボチャージャー]][[ディーゼル>ディーゼルエンジン]]&br;（出力720hp）|
|登坂力|60%|
|[[エンジン]]|[[三菱重工>三菱重工業]]製10ZF22WT [[空冷>空冷エンジン]]2ストロークV型10気筒[[ターボチャージド>ターボチャージャー]][[ディーゼル>ディーゼルエンジン]]&br;（出力720hp）|
|登坂力|60％|
|超堤高|1.0m|
|超壕幅|2.7m|
|潜水能力|2.0m|
|最大速度|53km/h（路上）|
|[[行動距離>航続距離]]|300km|
|携行弾数|50発（105mm砲）&br;600発（12.7mm機銃）&br;4,500発（7.62mm機銃）|
|兵装|L7A1 51口径105mmライフル砲×1門&br;[[12.7mm重機関銃M2>ブローニングM2]]×1挺（[[砲塔]]上面）&br;74式車載7.62mm機関銃×1挺（主砲同軸）&br;60mm3連装発煙弾発射器×2基|
|携行弾数|50発（105mm砲）&br;・93式105mm[[装弾筒付翼安定式徹甲弾]]（APFSDS）&br;・91式105mm[[多目的対戦車榴弾]]（[[HEAT>成形炸薬弾]]-MP）&br;・00式105mm戦車砲用演習弾（演習用[[徹甲弾]]）&br;・77式105mm戦車砲[[空包]]（空砲射撃用）&br;600発（12.7mm機銃）&br;4,500発（7.62mm機銃）|
|兵装|L7A1 51口径105mm[[ライフル砲>施条砲]]×1門&br;[[12.7mm重機関銃M2>ブローニングM2]]×1挺（[[砲塔]]上面）&br;74式車載7.62mm機関銃×1挺（主砲[[同軸>同軸機銃]]）&br;60mm3連装[[発煙弾>スモーク弾]]発射器×2基|
~
|>|CENTER:78式戦車回収車|
|乗員|4名|
|全長|7.95m|
|全幅|3.18m|
|全高|2.40m|
|戦闘重量|約38.9t|
|[[エンジン]]|[[三菱重工>三菱重工業]]製10ZF22WT 2ストロークV型10気筒[[空冷>空冷エンジン]][[ターボチャージド>ターボチャージャー]][[ディーゼル>ディーゼルエンジン]]&br;（出力720hp）|
|登坂力|60%|
|超堤高|1.0m|
|超壕幅|2.7m|
|最大速度|53km/h（路上）|
|[[行動距離>航続距離]]|300km|
|兵装|[[12.7mm機関銃M2>ブローニングM2]]×1挺&br;3連装76mm煙幕弾発射機×2基|
|兵装|[[12.7mm機関銃M2>ブローニングM2]]×1挺&br;3連装76mm[[煙幕弾>スモーク弾]]発射機×2基|
|装備|大型ブームクレーン×1基|
|牽引・吊り上げ能力|牽引力：38t&br;吊り上げ力：約20t|
**主な改修型 [#c743c480]
-初期生産型：~
基本型。~
~
-照準用暗視装置付：~
[[砲塔]]にアクティブ式照準用暗視装置を取り付けた型。~
--照準用暗視装置付：~
[[砲塔]]にアクティブ式[[赤外線]]暗視装置を取り付けた型。~
~
-ドーザー付：~
--ドーザー付：~
車体前方に障害物除去用ドーザーを装備した型。~
姿勢制御装置の油圧を利用して行うが、操縦装置の関係で搭載砲弾数は47発となる。~
~
-照準用暗視装置、ドーザー付：~
--照準用暗視装置 ドーザー付：~
上記2つを取り付けた型。~
~
-B型：~
初期生産型に[[APDS>装弾筒付徹甲弾]]及び[[HEP>粘着榴弾]]の2弾種に加え、[[APFSDS>装弾筒付翼安定式徹甲弾]]を運用できるよう[[FCS>火器管制装置]]や弾薬架を改良した型。~
[[APDS>装弾筒付徹甲弾]]及び75式[[HEP>粘着榴弾]]の2弾種に加え、[[APFSDS>装弾筒付翼安定式徹甲弾]]を運用できるよう[[FCS>火器管制装置]]や[[弾薬架]]を改良した型。~
変更までに配備された400輌以上の初期型全てがB型に改良された。~
~
-C型：~
B型の迷彩をOD色一色から濃緑色と茶色の2色迷彩に変更した型。~
B型の[[迷彩]]をOD色一色から濃緑色と茶色の2色迷彩に変更した型。~
50〜60輌程度が生産され、B型と並行して運用された。~
~
-D型：~
C型以前の物に砲身にサーマルスリーブを装着した型。~
砲身にサーマルスリーブを装着した型。~
C型以前の物は全てD型に改良された。~
~
-E型：~
D型以前の物にHEPの代わりに[[HEAT-MP>成形炸薬弾]]を射撃できるよう[[FCS>火器管制装置]]を改良した型。~
HEPの代わりに91式[[HEAT-MP>成形炸薬弾]]を射撃できるよう[[FCS>火器管制装置]]を改良した型。~
D型以前の8割程度がE型仕様になった。~
~
-F型：~
[[92式地雷原処理ローラ]]を装備できるようにした型。~
数量は10輌以下とされる。~
~
-G型：~
パッシブ式暗視装置やレーザー警戒機、サイドスカート等を装備した型。~
量産4輌+試作1輌のみ。~
改修型。量産4輌+試作1輌のみ。~
パッシブ式暗視装置や[[発煙弾>スモーク弾]]発射機と連動する[[レーザー]]検知装置、YAGレーザーを使用したレーザー測遠機などを装備した。~
また、[[90式戦車]]に類似したサイドスカートが装着可能で、起動輪にはリング状の[[履帯>無限軌道]]離脱防止装置(([[M1「エイブラムス」>M1（戦車）]]の初期型車両に類似した物。))を装着している。~
改修による性能の向上は良好であったが、改修コストの問題により大規模な整備は見送られた。~
量産車は後にE型に準じた仕様に改修された。~
~
**派生型 [#de840aa2]
-[[91式戦車橋]]：~
本車をベースに開発された自走戦車橋。詳しくは項を参照。~
[[施設科]]による[[架橋]]作業用に開発された自走戦車橋。重車両も通行可能な折りたたみ式の鉄橋を搭載する。~
~
-78式戦車回収車：~
戦車回収車型。~
1978年に制式採用され、約50両が生産された。~
1978年に[[制式]]採用され、約50両が生産された。~
20t吊りのブームクレーンやウインチ、各種回収/整備機材を搭載している。~
車体後部上面のエンジンデッキ上には、予備、もしくは故障/損傷車両から取り外したエンジンや変速装置等を搭載して運搬することが可能である。~
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-[[87式自走高射機関砲]]：~
自走対空砲型。詳しくは項を参照。~
[[自走対空砲>高射砲]]型。[[砲塔]]を[[KDA 35mm高射機関砲>L-90]]に換装した。~
~
