【73式大型トラック】(ななさんしきおおがたとらっく)

1973年に制式化された陸上自衛隊の汎用輸送車両。いすず自動車が製造を担当している。
隊内では「3t半(さんとんはん)」や「カーゴ」とも通称される。
2001年からは「3 1/2tトラック」の名称で調達が行われている。

初期型・改良型・新型の三種類があり、それぞれエンジンや駆動方式などの設計で異なる。
陸上自衛隊の各部隊に配備されており、ダンプトラック型や地対空誘導弾の自走発射機型の他、キャブ部分に各種の装備を積載したバリエーションも数多く存在する。

スペックデータ

乗員2名
全長7,030mm(初期型)
8,130mm(改良型)
7,150mm(新型)
全高3,080mm
全幅2,485mm(初期型・新型)
2,470mm(改良型)
車両重量7,980kg(初期型・改良型)
8,570kg(新型)
積載量路外:3.5t
路上:6.0t
人員22名
エンジンいすゞ製水冷V型8気筒ディーゼル
出力240ps(初期型・改良型)
285ps(新型)
最高速度95km/h(初期型・改良型)
105km/h(新型)

バリエーション

  • 3t半ダンプ:各種土木工事や陣地構築などに使用される。輸送科、施設科、特科などに配備。
  • 軽レッカ:器材搬送、重量物据付、小型車両の牽引などに使用される。主に普通科連隊(整備班)や後方支援連隊の整備大隊等に配備。
  • 道路障害作業車:施設科装備。道路上に障害を構築するための車両。
  • 81式短SAM:射撃統制装置を搭載した車両一台と、発射装置を搭載した車両二台で構成される。
  • 3t半燃料タンク車:補給車。主に普通科や特科、機甲科や後方支援連隊などに配備。
  • 3t半航空燃料タンク車:補給車。航空科や後方支援連隊などに配備。
  • 3t半水タンク車:給水車として災害派遣などで活躍するほか、後部にバー状のアタッチメントをつける事により散水車としても使用できる。
  • 除染車:地域、施設等の大規模な除染作業に使用される。主に化学科に配備され、地下鉄サリン事件の際に出動した。また、阪神淡路大震災の災害派遣においても防疫消毒作業に使用された。
  • 生物偵察車:生物兵器により汚染された地域の偵察に使用される。化学科の装備で主に全国の特殊武器防護隊に配備。
  • 国際任務仕様:イラク派遣を機に配備されたモデル。フロントガラスを防弾ガラスに変更し、ドアと車体正面に装甲を装着している。
  • 暖房装置付:寒冷地での人員輸送用に荷台に暖房装置が装備された車両。主に北海道や東北方面の部隊に配備。
  • 有蓋車(シェルター車):整備のための工具・機材や各種装備などを格納したシェルター(箱)を搭載するための車両。
  • 作業装置付:作業用のクレーンが追加で装着されたモデル。
  • ロング車:荷台を延長したモデル。通常の73式大型トラックより全長が1000mmほど延長されている。
  • 対空戦闘指揮装置車:本装置の搭載用に設計された車両で、アオリのデザインが変更され、全長も通常より500mmほど延長されている。
  • 教習用車両:助手席側にハンドルとブレーキ、スピードメーター、パワーステアリング切替装置などを装備した車輌。


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