【3号戦車】(さんごうせんしゃ)

1934年、ハインツ・グデーリアン?将軍の構想から、対戦車戦闘向けの主力戦車として開発が開始、1935年に試作が完成し1939年に制式化された。

角張った車体は典型的ドイツ戦車の設計であり、いわゆる避弾径始は全く考慮されていない(というより当時のドイツでは避弾径始の概念すら無かった）。当初から対戦車戦闘メインで考えられていたため、対戦車打撃力を重視した37mm対戦車砲を搭載し、将来的に出現すると思われる敵新戦車の出現に合わせて主砲の強化するための発展性を持たせた余裕のある構造を持たせ、将来的に50mm砲を搭載することを可能とした。防御力はやや心許なく、最も装甲の厚い型でも50mm程度しかなかった。

出現時は同世代の戦車と比べても優れた戦車であり、攻走守を兼ね備えていたと思われたが、いざ第二次世界大戦が始まってみると、たちまち防御力不足、火力不足が露見し、火力強化、装甲強化も行われたが大戦中期には旧式化してしまい、結局その車体部分を3号突撃砲?と言った車両に転用される事となった。

各型式

A〜D型：初期生産型。プロトタイプであるA型の不具合を段階的に改善したタイプ。
E型：初期量産型。重量19.5t、武装37mmx1、7.92mmx2、最大装甲厚30mm、最大速度40km/h
F型：E型の主砲を50mm/L42に換装。それ以外はE型と同じ。
G型：生産時から50mm砲搭載したタイプ。一部37mm砲搭載あり。車体後部の装甲を強化。その為やや重量が増える。
H型：G型までの装甲、機動力不足を改善、砲塔の設計も変更。車体前後部に30mmの増加装甲をボルト止めで装着。武装は変わらずだが、重量21.6tに増加したため履帯幅を太くし、接地圧を低減して機動力の低下を防いだ。
J型：主砲をより強力な50mm/L60に換装（但し、初期型は50mm/L42）、火力強化を図った。ボルト止めの増加装甲を止め、50mm厚の一枚板に変更。
L型：J型の装甲強化、及び生産簡易型。砲塔前面の装甲厚を57mmに、車体前面と砲塔防盾に20mmの増加装甲を追加し、それらは成形炸薬弾対策のため中空装甲とされた。
M型：最終生産型。基本的にはL型と変わらず。
N型：支援戦車タイプ。余っていた75mm/L24砲を搭載。

注：1943年3月頃より、3号戦車にはシェルツェンと呼ばれる5mm厚の対成形炸薬弾、対対物ライフル用増加装甲を装備、1944年には磁石を利用した地雷を防ぐためツェメリットコーティングが施されている。


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