【19500トン型護衛艦】(いちまんきゅうせんごひゃくとんがたごえいかん)

海上自衛隊が取得計画中のヘリコプター搭載護衛艦。(ヘリコプター空母
2010年度の概算要求で取得計画が発表されたことから、仮称「22DDH」と呼ばれている。
1番艦は平成22年度予算で建造費1,208億円が認められた。

全長はひゅうが型より長くなり、基準排水量も増加し、ヘリコプターの最大搭載機数も14機・同時離着艦機数5機と、ヘリコプターの運用能力が向上している。
また、陸上自衛隊の人員400名と73式大型トラック50台の輸送能力や、他艦艇への洋上給油能力(3,300キロリットルの軽油・真水:汎用護衛艦3隻分)等、さまざまな任務に対応し得る能力が与えられる予定である。

その一方で、FCS-3改射撃指揮装置などの高価な装備は省かれ、搭載兵装も最低限の自衛火器のみとなるなど、(政治的事情から「(ヘリコプターの母艦機能を備えた)駆逐艦」であることを示す「DDH」の艦籍記号を与えられているが)他国の空母と同様、自身の交戦能力は皆無に等しくなっている。
このためひゅうが型以上に、他の護衛艦等との連携が重視されることとなる*1

今後は平成23年(2011年)に建造が開始され、平成26年(2014年)に退役予定の護衛艦「しらね」(DDH-143)を代替する予定である。

関連:多目的空母

性能緒元

排水量(計画値)
基準/満載
19,500t/27,000t
全長248m*2
全幅38m
深さ23.5m
喫水7.5m
機関COGAG方式 2軸推進
LM2500IEC ガスタービン(28,000hp)×4基
機関出力112,000hp
速力30ノット
兵装高性能20mm機関砲CIWS)×2基
対艦ミサイル防御装置(RIM-116)×2基
艦載機定数9機(哨戒ヘリコプター×7機、輸送ヘリコプター×2機)、最大14機
輸送
・補給能力
貨油:3,300kL
3.5tトラック50台
車両用サイドランプ
C4IシステムOYQ-12戦術情報処理装置
レーダーOPS-50級 3次元対空レーダー×1基
OPS-28 対水上レーダー×1基
航海レーダー×1基
ソナーOQQ-23 ソナーシステム×1基
電子戦
・対抗手段
NOLQ-3D-1電波探知妨害装置
魚雷防御装置×1式
チャフ発射装置(片舷3基タイプ)×1式


同型艦

艦番号艦名主造船所起工進水就役
DDH-**22DDHジャパンマリンユナイテッド
横浜工場
2012.1.272015.3予定
DDH-**24DDHジャパンマリンユナイテッド--2017.3予定



*1 ひゅうが型も単艦での運用は想定されていないため、合目的性を改善してコスト・パフォーマンスを向上させたともいえる。
*2 旧海軍の空母と比較すると、改装後の加賀に相当する。

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