【16式機動戦闘車】(ひとろくしききどうせんとうしゃ)

防衛省が開発し、陸上自衛隊に採用された装輪式装甲戦闘車戦車駆逐車)。
2008年に開発が開始され、2013年10月に試作1号車が一般公開。
2016年度防衛予算から調達開始され、2017年度末に「即応機動師団・旅団」に改編された第8師団第14旅団へまず配備された。

陸上自衛隊が2000年代以降に懸念していた「島嶼防御」「対テロゲリラ戦」に対応する設計。
普通科部隊への前進援護・建物への突入支援に用いられる車両として開発が行われた。
性能要件としては「空輸性」「路上機動力」と「軽戦車をも撃破可能な火力」が特に求められた。

従来の74式戦車89式装甲戦闘車は、火力はあるものの空輸性や路上機動力が不足しており、また、87式偵察警戒車軽装甲機動車などといった従来の装輪装甲車では火力不足が懸念されていた。

開発に当たっては将来装輪戦闘車両の研究試作や、10式戦車の開発で得た技術・成果が活用されている。
開発経費は約173億円と発表されている。

74式戦車の代替として、主に本州・四国方面の師団旅団に配備される予定。
これに伴い、10式戦車の配備は北海道(対ロシア)・九州(対中国)方面に集中する事とされている*1

配備部隊・機関

配備予定

  • 中部方面隊
    • 第3師団
      • 第3偵察戦闘大隊(第3偵察隊と第3戦車大隊を統合再編成)

スペックデータ

乗員4名
全長8.45m
全幅2.98m
全高2.87m
重量約26t
駆動・懸架方式8輪駆動・独立懸架
エンジン直列4気筒4ストローク水冷ターボチャージドディーゼル
(出力570ps/2,100rpm)
出力重量比21.9hp/t
最高速度100km/h以上
武装52口径105mmライフル砲×1門
12.7mm機関銃M2×1挺(砲塔上部)
74式車載7.62mm機関銃×1挺(主砲同軸
4連装発煙弾発射機×2基(砲塔両側面)



*1 なお、一部の車両は首都防衛部隊である第1師団にも配備されている。

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