【091型】(ぜろきゅういちがた)

1974年に就役した中国海軍初の攻撃型原子力潜水艦。
中国では091型または長征1号級と呼称するが、NATOコードでは漢型(中国歴代王朝の名称から)と呼ばれる。

船体は涙滴型でロシアの潜水艦と同様、船体構造は複殻構造を採用している。
推進方式は加圧水型原子炉一基を動力源とするターボ・エレクトリック方式を採用している。
1974年に1番艦が就役したが、陸上用の加圧水型原子炉を潜水艦用原子炉として十分な研究なしに改造・導入したため、構造的欠陥が原因と考えられる核事故が頻発し、約10年は本格的な運用が出来なかったと言われている。
1980年に就役した3番艦からはフランスの技術支援で戦闘システムが近代化された他、船体が約8m長くなっている(艦対地ミサイルを搭載するためといわれているが詳細は不明)。

旧式なため静粛性については1・2番艦は160〜170デシベル(初期の旧ソ連製潜水艦(スキップジャック級やノヴェンバー級)と同程度)、3〜5番艦は140〜150デシベル(パーミット級原潜(米)と同程度)と現在の日本やアメリカなどの主力潜水艦と比べると劣っている。

武装は533mm魚雷発射管6門を装備するほか、3番艦以降はYJ-82対艦ミサイルを装備している。

後継として、商型が現在配備中である。

スペックデータ

全長90.0m(401,402)
98.0m(403〜405)
全幅9.0m
吃水7.4m
水中排水量4,500t(401,402)
5,500t(403〜405)
主機関90MW 加圧水型軽水炉×1基/蒸気タービン2基1軸(総出力12,000馬力)
速力12kt/25kt+
潜行深度200m(通常)
300m前後(最大)
乗員75名
武装533mm魚雷発射管×6門
(Yu-3魚雷(魚3、旧ソ連製のSET-65E対潜魚雷をコピーしたもの)、YJ-8を搭載)

同型艦

#艦番号艦名主造船所起工進水就役退役所属
1番艦401長征1号渤海造船廠1968.1970.1974.2000.北海艦隊
2番艦402長征2号渤海造船廠1974.1977.1980.2001.北海艦隊
3番艦403長征3号渤海造船廠1980.1983.1984.北海艦隊
4番艦404長征4号渤海造船廠1984.1987.1988.北海艦隊
5番艦405長征5号渤海造船廠1987.1990.1990.北海艦隊



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