*&ruby(ぜろはちしきほへいせんとうしゃ){【08式歩兵戦闘車】}; [#fdf74ade]
中国・[[人民解放軍]]陸軍で運用されている装輪式の[[歩兵戦闘車]]。~
ZBL-08と呼ばれるほか、「雪豹」の愛称がある。~
2009年初めに制式化され、同年10月の中華人民共和国建国60周年記念パレードで初めて公開された。~

>公開当時、海外メディアでは「09式歩兵戦闘車(ZBL-09)」の名称で呼ばれていた。~
「ZBL-08」の正式名称が判明したのは2017年7月30日の中国人民解放軍90周年記念軍事パレードを報じる雑誌であった。~

車体は[[均質圧延鋼>鉄]][[装甲]]で、車体前部は避弾経始を意識した楔形形状になっている。~
車体配置は、最前部右側が機関室、左側が操縦手席と車長席となっており、車体中央には二人用砲塔を設置、車体後部は兵員室となっており、車体後部には横開き式ハッチが設置されている。~
また、兵員室には両側面にそれぞれ1基、車体後部に1基のガンポートと外部視認窓が設けられている。~
水上航行能力も有しており、車体後部にスクリューが装備されている。~
乗員数は、車長、砲手、操縦手の3名と乗車歩兵7名の計10名となっている。~
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武装については2A72 30mm機関砲を装備した2人用[[砲塔]]を搭載している。~
この砲塔は[[海軍陸戦隊>海兵隊]]で運用されている05式水陸両用歩兵戦闘車(ZBD-05/ZBD-2000)に搭載されたものと同様である。~
また、砲塔の両側面には紅箭73(HJ-73)[[対戦車ミサイル]]発射機が装備されている。~
このミサイルは、ソ連/ロシアの9M14M「マリュートカ(AT-3『サガー』)」対戦車ミサイルのコピーであるが、09式に搭載されているのはその発展型で、誘導方式が手動式指令照準線式から半自動指令照準線式に変更されている。~
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本車は、開発当初からファミリー化を前提とした設計が施されており、[[歩兵戦闘車]]型以外にも122mm[[自走榴弾砲]]型、[[指揮通信車]]型、[[装甲回収車]]型、[[戦車駆逐車]]型、輸出向けのVN-1歩兵戦闘車など、各種の派生型が開発されている。~
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**スペックデータ [#r79b7116]
|乗員|3名+兵員7名|
|全長|8m|
|全高|2.1m(砲塔含む)|
|全幅|3m|
|戦闘重量|21t|
|懸架・駆動方式|8輪駆動&br;マクファーソン・ストラット式サスペンション(前方4輪)&br;油気圧懸架式(後方4輪)|
|[[エンジン]]|Deutz BF6M1015FC 2ストロークV型6気筒[[液冷>液冷エンジン]][[ターボチャージド>ターボチャージャー]][[ディーゼル>ディーゼルエンジン]]|
|出力|455hp|
|最高速度&br;(路上/浮航)|100km/h / 8km/h|
|[[行動距離>航続距離]]|1,000km|
|[[装甲]]|均質圧延鋼装甲+セラミック付加装甲|
|兵装|99式30mm機関砲×1門&br;86式7.62mm機関銃×1挺([[同軸機銃]])&br;「紅箭73(HJ-73)」[[対戦車ミサイル]]発射機×2基(ミサイル2発)&br;6連装[[発煙弾>スモーク弾]]発射機×2基|
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**派生型 [#se9276d7]
-08式歩兵戦闘車(ZBL-08):~
歩兵戦闘車型。30mm機関砲を装備した二人用砲塔を搭載。~
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-装甲兵員輸送車型:~
ピントルマウント式に12.7mm重機関銃×1挺を搭載。~
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-09式装輪自走榴弾砲(PLL-09):~
車体後部に96式122mm榴弾砲(PL-96)((旧ソ連の[[D-30 122mm榴弾砲>D-30]]を[[リバースエンジニアリング]]で国産化した86式122mm榴弾砲の改良型。))を装備した砲塔を搭載した自走榴弾砲型。~
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-装甲弾薬補給車型:~
PLL-09とセットで運用される弾薬補給車型。~
車体後部ハッチは観音開き式に変更され、車体後部には搬出作業用にクレーンが装備されている。~
砲弾は車内の砲弾ラックに搭載されている。~
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-装輪突撃砲型(フロントエンジン式):~
車体後部に105mmライフル砲を搭載する火力支援型。~
異なった形状の砲塔を搭載した二つのタイプが確認されている。~
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-11式装輪装甲突撃車(ZTL-11):~
車体後部に105mmライフル砲を搭載する火力支援型。リアエンジン式。~
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-09式装輪装甲指揮通信車(ZZH-09):~
車体後部の区画を上部に拡大したコマンドポスト型。~
指揮通信任務に使用される。~
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-装甲偵察車型:~
偵察用レーダーなどの[[偵察]]用機材を搭載した型。~
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-装甲偵察車型:~
砲塔が撤去され、車体前方の天井が嵩上げされている。~
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-装甲回収車型:~
車体上部にクレーンを装備。武装は12.7mm機関銃×1基。~
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-装甲架橋車型:~
車体上部に折りたたみ式の橋体を搭載。~
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-装甲工兵車型:~
砲塔を撤去し、車体前部にマインプラウを装備するなどの改修を施した型。~
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-電子戦対応型:~
車体上部に伸縮式の大型アンテナを装備している。~
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-通信能力強化型:~
車体中央部に大型ドームを搭載し、車体後部の天井が嵩上げされている。~
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-VS27:~
装甲救急車型。~
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-VS36/VS32A:~
偵察車型。~
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-CS/SA5:~
6銃身[[ガトリング砲>ガトリングガン]]を備えた防空車両型。~
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-CS/AA5:~
歩兵戦闘車型。~
遠隔操作式の40mm機関砲を装備した砲塔を備える。~
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-VN-1:~
NORINCOが販売を行っている輸出向け歩兵戦闘車型。GCTWM型1人用砲塔を搭載。~
車体後部ハッチに09式には無いランプ・ドアがあるなど、細部が異なる。~
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--VN-1A:~
[[装甲兵員輸送車]]型。~
車体後部天井を嵩上げしたシャーシに、12.7mm重機関銃×1挺を装備したオープントップ銃塔を搭載。~
乗員2名に加えて歩兵13名が搭乗。~
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--VN-1(戦車駆逐車型):~
車体後部に105mm[[ライフル砲>施条砲]]を搭載した砲塔を搭載。~
戦闘重量24トン、乗員4名に加えて歩兵1名の乗車が可能。~
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--VN-1C:~
砲塔を30mm機関砲を装備した[[RWS>リモートウェポンシステム]]に換装した型。~
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-07P式装輪歩兵戦闘車:~
輸出向け歩兵戦闘車型。~
2009年2月にUAEで開催されたIDEX2009国際兵器展示会で初公開された。~
外観はVN-1歩兵戦闘車型と同じ。~
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-SWS-2:~
輸出向け短距離防空(SHORAD)型。~
35mm機関砲と地対空ミサイルを装備。~
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-ST-1:~
11式装輪装甲突撃車の輸出型。~
L7 105mmライフル砲を装備。~
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-SH-11:~
輸出向け39口径155mm自走榴弾砲。~
全自動装填装置と最新の光学装置を装備。~
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-AFT-10対戦車ミサイルキャリアー:~
2018年の珠海航空ショーで発表された型。~
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